12 / 35
12
しおりを挟む
「それにしても、本当に偶然だね。
こんなところで美玖ちゃんに出会えるなんて、なんだか夢みたいだよ。」
無邪気な笑顔は子供の頃と全く変わってない。
なんだか胸がきゅんとする。
(あ……!)
これは久しぶりに感じたトキメキ…!
このところ、すっかり忘れてた…もはや、私にはこんな感覚なくなってしまったかと思ってたけど…私にもまだときめく心はあったんだ。
そう思うと、なんだかすごく嬉しかった。
「美玖ちゃん…どうかしたの?」
「え?ううん、なんでもない。」
そうだ…私、今『美玖ちゃん』って呼ばれた。
考えてみれば、最近、そんな呼び方をされたことはなかった。
たいていは、高藤さん。
親しい友達は、美玖って呼び捨て。
美玖ちゃんなんて、誰も呼んでくれない。
やっぱり良いな、美玖ちゃんって呼ばれるの…
ちょっぴりくすぐったいけど、すごく良い気分。
「ねぇ、大樹君、いつ日本に戻って来たの?」
「22の時だよ。」
「そうなんだ…」
ちょっと寂しい気がした。
すぐに会いに来てくれてたら…
そしたら、もしかしたら……自分で考えてしまったことが恥ずかしくて、私はそっと俯いた。
「帰って来た次の年だったかな。
僕、美玖ちゃんに会いに行ったんだよ。」
「えっ!?」
「だって…僕らが引っ越す日…
美玖ちゃん、言ったよね。
必ず、手紙を出すって…
だから、僕…毎日楽しみにしてたのに、手紙は結局来なかった…」
「私…手紙出したんだよ!
だけど、何度送っても戻って来て…」
「……そうなの!?」
私は思いっきり頷いた。
こんなところで美玖ちゃんに出会えるなんて、なんだか夢みたいだよ。」
無邪気な笑顔は子供の頃と全く変わってない。
なんだか胸がきゅんとする。
(あ……!)
これは久しぶりに感じたトキメキ…!
このところ、すっかり忘れてた…もはや、私にはこんな感覚なくなってしまったかと思ってたけど…私にもまだときめく心はあったんだ。
そう思うと、なんだかすごく嬉しかった。
「美玖ちゃん…どうかしたの?」
「え?ううん、なんでもない。」
そうだ…私、今『美玖ちゃん』って呼ばれた。
考えてみれば、最近、そんな呼び方をされたことはなかった。
たいていは、高藤さん。
親しい友達は、美玖って呼び捨て。
美玖ちゃんなんて、誰も呼んでくれない。
やっぱり良いな、美玖ちゃんって呼ばれるの…
ちょっぴりくすぐったいけど、すごく良い気分。
「ねぇ、大樹君、いつ日本に戻って来たの?」
「22の時だよ。」
「そうなんだ…」
ちょっと寂しい気がした。
すぐに会いに来てくれてたら…
そしたら、もしかしたら……自分で考えてしまったことが恥ずかしくて、私はそっと俯いた。
「帰って来た次の年だったかな。
僕、美玖ちゃんに会いに行ったんだよ。」
「えっ!?」
「だって…僕らが引っ越す日…
美玖ちゃん、言ったよね。
必ず、手紙を出すって…
だから、僕…毎日楽しみにしてたのに、手紙は結局来なかった…」
「私…手紙出したんだよ!
だけど、何度送っても戻って来て…」
「……そうなの!?」
私は思いっきり頷いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる