あなたが好きです。

神在琉葵(かみありるき)

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「そうなんだ。じゃあ…どうしようか?」

 僕がそういうと、彼女はポケットからうさぎの顔の描かれたがま口を取り出して…



「これで…そのお花、売ってくれる?」



 彼女が小さな手の平に乗せて見せたのは100円玉と10円玉、1円玉で、合計132円だった。



 「良いの?」

 少女は頷く。



 「じゃあ……」

 僕は、32円を手の平から受け取った。



 「それだけで良いの?」

 「うん。」

 本当は32円もいらなかったのだけど、ただでというと彼女が花を受け取りにくいだろうと思ったから。



 「じゃあ、これで、この花は君のものだよ。」

 僕がバスケットを手渡すと、彼女はとても嬉しそうに微笑んだ。



 「ありがとう、おじちゃん!」



 (おじちゃん…?)



けっこう若作りしてるつもりだったんだけど、やっぱり僕はもはや『お兄ちゃん』ではなく『おじちゃん』なんだな。
 僕は俯いて失笑する。



 「こっちこそ、ありがとう。
 気を付けて持って帰ってね。」

 「うん!」

 彼女は、手を振りながら去って行った。
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