あなたが好きです。

神在琉葵(かみありるき)

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愛彩

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「……どうでしょう?」

カーテンがさっと開いて、着替えた彼が姿を現した。



 「はい、とてもお似合いだと思います。」

 「そうですか、良かった。
あなたにお任せしたら、間違いがありませんね。
いつも本当にどうもありがとうございます。」

 「い、いえ…」



そんなこと、言わないで欲しかった。
ますます泣きそうになってしまう。



あの人は、瑞穂のもの…
想ってはいけない人…
わかっているのに、まだ未練が断ち切れない。



 「本当にどうもありがとうございました。」

 服を抱えてあの人が試着室から出て来た。



 「こちらこそ。
どうもありがとうございました。」

 私がそう言ったら、あの人は私の手元に何かを手渡し、レジの方へ歩いて行った。



そっと、手を開いたら…
そこにあったのは、名刺だった。
 社名や役職が書いてあるから、多分、仕事で使ってるものだろうけど、裏に、LINEのアカウントが手書きで書かれていて『連絡待ってます。』の文字が…



どうしてこんなことを?
 学さんには、瑞穂がいるのに…



誠実そうな人に見えるけど、実は遊び人?



 思わず破り捨てようとしたけれど、なぜだか手が止まった。
やっぱり、そんな風には思えない。



もしかしたら、瑞穂のことで何か相談でもあるんだろうか?
あ…学さんは、私のセンスを気に入ってくれてるみたいだから、もしかしたら、瑞穂の誕生日に服でもプレゼントしようとしてるとか…



それは、私の甘さだ。



 彼のことを悪く思いたくない。
 彼のことをもっと知りたい。



そんな想いが、きっと都合の良いことを考えさせるんだ。
そう思うのに、やっぱりその名刺を捨てることは出来なかった。
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