ミステリーSS集

神在琉葵(かみありるき)

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10:15

三島誠二side1

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「最近は、相当参ってるみたいですよ。
 先週から心療内科に通うようになりました。」

 「そうか…それで、優香との仲はどうだ?」

 「以前に比べると、会う回数はずいぶん少なくなっています。」

 「まだ会ってはいるのか?」

 「……はい。ごくたまには。」



 *



 (忌々しい奴だ…!)



 優香の新しい男・藤崎は、調べた限りでは真面目で神経質な男のようだ。
だから、精神的に追い詰めてやれば簡単に壊れると踏んだ。
 俺の予想通り、奴はもうずいぶんと追い込まれている。
あと一息だ。
 特に、あの腕時計を送ってからは、奴は相当弱っているようだ。
このままもっと弱っていって、自ら命を絶ってくれでもしたら良いのだが…



(そうすれば、きっと優香はまた俺のところに戻って来る…!)



それにしてもあれは良いアイディアだったと思う。
 痛い目をして俺は血まで流したんだから、怖がってもらえないと困るが。



 藤崎のことだ。きっと、あの時間に自分が殺されるとでも思って、怯えているのではないだろうか?



 俺は笑った。
 大きな声で…
得体の知れない恐怖に震えるあいつの顔を思い浮かべるだけで、楽しくて仕方なかった。



 (あと少し…あと少しだ…!)



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