ミステリーSS集

神在琉葵(かみありるき)

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奇跡の後で

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その日の深夜、俺はドラマを見ていた。
 奇怪な事件が起きるサスペンスドラマで、今日が最終回だ。
 夏美のことはショックだったが、毎週楽しみに見てたドラマだけに、こんな時でも見逃すことは出来なかった。



 「この事件の主犯はお前だ!」

 主人公が叫び、指をさす。
 誰なんだ?犯人は……



ドキドキした瞬間、テレビの画面が消え、部屋の照明も消えた。
なんてことだ、こんなタイミングで停電とは…
しかし、台風でもなんでもないのに、どうして停電になんてなるんだ!?
 俺は、手探りで懐中電灯を探した。



その時、低い男の声が暗闇の部屋に響いた。



 「ご主人様、願い事は何ですか?」

 「だ、誰だ、何処から入った!?」

 俺は、懐中電灯であたりを照らしたが、部屋の中には誰もいなかった。
この狭いワンルームの部屋に隠れる場所なんてないのに、どういうことだ?



 「何なりとお申し付け下さい。」

 男の声は、さらに続いた。
 恐怖で体は震えていたが、それを悟られないよう無理に落ち着いた声を出した。



 「……どういうことだ?」

 「私は、あなた様の願いを叶えるためにここに来ました。」

 声がどこから聞こえるのかよくわからない。
だが、この男は俺に危害を加えるつもりはなさそうだ。
 根拠もないのに、俺はなぜだかそう感じた。



 「とにかく、ここから出て行ってくれ。」

 「そうはいきません。
どうか、ひとつ望みを言ってください。そうすれば去ります。」

そんなうまい話があるわけない。
それよりも男はどこに隠れているのだろう?



 「願いを叶えて、金銭でも要求するつもりか?」

 「いえ、無償でございます。」

まさか…ドッキリカメラ?
どこかにカメラが仕掛けてあるのか?



 「それなら、夏美と結婚させてくれ。」

ドッキリならそれでも良い。
 俺は、心の中の切なる想いを言った。



 「その願い、承知致しました。」
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