SFSS集

野望

３

だが、実はそれは表向きの話に過ぎない。
 僕が研究を頑張っている本当の理由…



それは、リアル美少女フィギュアを集めることだ。



 僕好みの女の子をみつけたら、僕はこっそりとその子の後をつけて…
人気のない場所で僕の作った縮小化スプレーをその子に吹き付ける。
 薬剤は皮膚から吸収され、数秒で縮小化は完了…あっという間だ。
もちろん、痛みや苦しみは一切、伴わない。
そうだな…大きさは１０ｃｍから１５ｃｍくらいってところかな。
 僕は、小さくなった女の子を捕まえて、ガラスケースに入れて持ち帰る。
そして、それを部屋にずらっと並べるんだ…



僕は、頭に浮かんだイメージに恍惚の身震いをした。



 大昔…当時の子供たちに大人気の番組があった。
 毎週、いろいろな宇宙人や怪獣が地球を襲い、ヒーローがその怪獣を倒すというものだ。
その中に、悪い宇宙人が地球人を誘拐し、縮小化して瓶に閉じ込めるというものがあった。
 地球人の標本として、自分の星に持ち帰るためだ。
ずらりと並んだ人間標本…あれこそがまさに僕の夢なのだ。



 飼育ケースの構想もすでに考えてある。
 若い女の子の部屋をそのまんま縮小したものだ。
ただ、壁は全面ガラス張りだけど…
その中で僕は女の子を飼う。



 （可愛いだろうなぁ…）



 考えただけで、胸が高鳴る。



そのためにも…僕は一刻も早く研究を完成させなければならない。



 僕の野望を叶えるために…！



 僕は今までずっと勉強と研究を続けて来た。
 女の子と付き合ったことなんて一度もない。
だけど…女の子に興味がないわけじゃない。



 僕だって可愛い彼女がほしい。
デートだってしてみたい。



でも…僕には時間がない。
 僕の時間は研究のためにあるようなものだから。



それに…僕には勇気がない。
 彼女の作り方は、本やネットで調べたから手順はわかる。
だけど…実際にそれを行動に移す勇気がない。