怖くないホラーSS集

神在琉葵(かみありるき)

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審判の棺

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「これから俺たちはどうしたら良いんだ?
こんな田舎の村に来てくれる牧師様なんていないだろうし、この村にはエドガー牧師みたいに物知りで頼れる人はいない。」

 「そんなこと言ったって仕方ないだろ。
 牧師様は死んじまったんだから…」

 皆、エドガー牧師が死んだことで、絶望と悲しみに打ちひしがれていました。




 「……みんな、聞いたことはないか?
 審判の棺のことを…」

 「審判の棺?なんだ、そりゃ?」

 「俺も詳しいことは知らん。
 子供の頃に、ばあちゃんが教えてくれたんだ。教会の地下には審判の棺というものがあって、そこに死者を入れたら生き返るんだって。」

 「死んだ者が生き返るだって?そんな馬鹿な話があるか。」

 「審判ってことは、生き返らせるか生き返らせないかの審判が下るってことか?」

 「おそらくそうじゃないか?」

 「おいおい、おまえまでそんな馬鹿馬鹿しい話を信じるのか?」

 村の青年達は、一人が言い出した審判の棺のことでざわめきました。



 「とにかく、一度、教会の地下に行ってみないか?
もしも、そこに棺があったら…そこに牧師様を寝かせてみよう。」

 「そうだな、とにかく行ってみるか。」


 青年達は、地下に向かいました。
 地下はずっと捨て置かれていたようで、黴臭く、空気もじっとりと湿った感じがしました。



 「ないぞ、そんなもの。」

 「おい、こっちを照らしてくれ。」

 青年達は、棺を探しましたが、地下にはずっと昔に置かれたであろう、埃の積もった棚や空の瓶が転がっているだけでした。
やはり、そんなものはなかったのだ、ただの噂話だったのだと皆が思い始めた頃、一人の男が、小さな扉をみつけました。
そこには南京錠がかけられていました。
 青年が力任せに扉を揺さぶると、錆びた南京錠は簡単に吹っ飛びました。



 「うわっ!」

 最初に入った青年が声を上げました。
 狭い部屋の中に、ぽつんと棺が置かれていたのです。



 「ほ、本当にあった!これが審判の棺に違いない!」

 青年達は、すぐに引き返し、エドガー牧師の遺体をその棺の中に横たえました。

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