タイムトリップはいかがですか?

神在琉葵(かみありるき)

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タイムトリップ

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家に戻り、俺はしおりをじっとみつめた。 



この住所は本当だろうか? 
たまに、住所や電話番号を書いて、俺に寄越すファンはいる。 
だけど、あいつは、今まで年齢や名前は書いては来たが、住所や電話番号は書いて来たことはない。 



なら、どうして今日に限って… 
やはり、これはでたらめの住所なのか?



そうだ…きっと、そうなんだ。 
ああ見えて、意外と冗談の好きな奴なのかもしれない。 



そう思ったが、どうにも気になって、俺は、後日、その住所を訪ねた。 
その住所には『遠藤』という者が住んでいた。 
『遠藤幸』…あいつの名前と符合する。 



たちの悪い冗談か? 
俺はからかわれてるのか? 



でも、それならそれで良い。
逆に俺が驚かしてやろう。



それから数日後、俺はその住所に引越しを実行した。 



あいつはとても驚いてはいたが、いやがってはいないようだった。 



「……本当に来たんだ……」

「あんただろ?
『うちに来れば?』なんて言ったのは。」

「確かにそうね。」

そう言って、あいつは笑った。 
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