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魔王視点
撫子を君に①
数百年。
数えきれない程の狂おしい年月の中、待ち続けたツガイはついぞ、現れなかった。
紅く染まる大地、転がる骸。
慟哭の涙に、罵詈雑言。聞き慣れた怨嗟は煩わしく。生きる全てが憎らしく、どうでもいい。
民は我を魔王と畏怖し、狂気は伝染し、狂わせる。
狂い壊して、欲して、妬んで、呪詛で世界を満たす。壊れていくのは世界なのか、自身なのか。
希望というものがあるならば、いっそ殺してくれればいいものを。
世界最後の希望の勇者パーティですら我を殺せない。
一匹は我を目の前に失神し、あとの四匹も戦う前から戦意喪失するゴミ虫に過ぎない。
だが、ゴミ虫なりにもプライドがあるのか一匹が人間が我の前に躍り出る。
「まさか、貴様一人で我を相手にすると?」
「ええ」
「ハッ、舐められたものだな。貴様ら人間如き、束になろうが我には勝てぬぞ」
「そうでしょうね。今の人類が貴方に勝てる可能性はゼロです」
「ほう? なら、貴様はその命を持って、どう楽しませてくれるのだ? たった、一匹の人間風情で」
「そのたった一匹の人間如きでも出来る悪足掻きをしてみせますよ」
不思議な事にそのゴミ虫は死を前に笑う。それはヤケに目を惹きつけて、魔法の発動を気付かぬ程に魅入ってしまった。
何故、笑う?
白い焔が惑う我の身を包み、自分にしては珍しく叫んだ。
「封印魔法。貴様っ、己を人柱として我を封印する気か」
「所詮、たった一匹の悪足掻きです。付き合ってもらいますよ」
その人間は最期まで笑っていた。
誰もが怯え、恐れ、畏怖する我を前に。それがあまりにも儚く美しく見え、魔法を打ち消す事も忘れて、その白い焔に身を委ねた。
身を委ねたその焔は焔と呼ぶには生温く、温かく心地良い。
「なんだ…。これは」
瞼が重い。この封印魔法に他に効果などあっただろうか?
いや、これは『命の残焔』と呼ばれる命を代償にして火が燃え尽きるまで封じるだけの魔法。そんな付与効果は聞いた事が無い。なら、この心地のいい感覚は……。
「眠気?」
気付いた時には眠っていた。
一年、二年、三年、四年、五年と年月を重ねて、白い焔の中で寝続けた。
白い焔は眠る我を心地の良い魔力で包み込んでくれる。それは初めて感じた安堵感で、数百年ぶりに心が穏やかになる。
白い焔は時折とパチパチッと火花を上げた。
散った火花はまるで花のように小さく爆ぜ、その様はとても美しい。
「綺麗な魔法だ」
初めて魔法を綺麗に感じた。
微睡み、白い焔を愛で、永遠にこの中に居たいと願った。だが、白い焔は時を経つにつれ、少しずつだが、弱くなっていく。眠る安寧を我に与えてくれた美しく愛しい大切な我がツガイ。
「持って、百年か」
愛しいツガイに包まれて眠る幸せは抗い難い程、魅力的だった。いっそ、白い焔が燃え尽きたならば、共に逝こうと考えた。
しかし、微睡の狭間であの笑みが頭に過ぎるのだ。
なんら特徴のない人間の一般的な茶色い髪と茶色い瞳。きっと、平凡という類に入るのだろう容姿だ。だが、儚い笑みと確固たる覚悟を灯したあの目が忘れられない。
あの笑顔をまた見たいと思ってしまえば、もう手を伸ばさずにはいられない。
魔法を無理に解除すれば、そのままツガイは命を終ってしまう。丁寧に丁寧に壊れないように優しく自身の魔力で白い焔を包む。
大事に大事に真綿を包むように幾重にも包めば、我を包んでいた白い焔はすっぽりと我の腕の中に大人しく包まれる。その様に思わず笑みが溢れた。
「何故っ! 何故だ。お前はマグリットが命懸けで封じた筈だ」
我と白い焔だけの完璧な空間に雑音が響いた。
煩わしく思いつつも、視線を向ければ、我が王の間に竜の姿をとった竜騎士団長ミネルヴァが降り立ち、見覚えのある羽虫がミネルヴァから降りてきた。
我がツガイとともに戦いを挑んできた勇者と呼ばれるアレ。
しかし、それはどうでもいい。
「成程。お前はマグリットというのか。やっと、名前が知れたな」
やっと、お前の名前が呼べる。
それだけで気分が良い。壊れないように頰を寄せ、その名を心に刻むように囁けば、白い焔はゆらりと揺れた。
ああ、愛らしい名だ。それにしてもあの日は随分と勿体無いことをした。
お前の名すら知らず、お前が美しい笑みを讃えるあの柔らかそうな白い頰に触れた事すら無い。
キインッと音を立てて、振りかざされた剣を我に張られた結界が弾く。弾かれた羽虫は曲芸師のようにくるりっと地面に着地して、飛ぶように駆けて剣を振り翳す。
「加勢する」
結界に当たり弾かれそうになった剣の上からミネルヴァの剣が支え、羽虫の剣を押し戻す。二人の力に結界にヒビを入る。
「ミネルヴァ。貴様は勇者一行に負け、我は散ったと聞いていたのがな」
「ええ。負けましたとも。負けてやっと正気に戻れましたよ。貴方から受けた狂気はマグリット様の炎が焼き尽くしてくださいました」
成程。我が同胞達を狂気に染め上げていたのは我から漏れ出した魔力。それさえも、ツガイであるマグリットの魔力は漏れ出した我の魔力まで癒してくれたのか。
「貴方が始めた戦争は、貴方が消え、止まりました。また狂うのであれば、世界のために消えなさい。この場で」
愛しいマグリットの意地らしい程の献身に口元を緩めれば、ミネルヴァは出した竜の翼を羽ばたかせ、推進力を剣に乗せる。
「世界なんてどうでもいい。アイツが笑って逝ったんだ。その笑顔を曇らせてたまるか」
吼える勇者の剣から青い炎が吹く。
ヒビは広がり、やがて、結界はパリンっと音を立てて割れ、二人はその手応えに笑った。
「なんて、甘い」
噴き出した魔力の圧力で紙のように簡単に二人は吹き飛ぶ。
友の仇も取る事の出来ない弱き羽虫。叩き潰す事は簡単だ。なんて、儚い命。
そう儚いのだ。無くなればもう同じものは帰ってこない。この人間を潰せば、マグリットはどんな顔をするか…。
「勇者よ。マグリットを甦らしたいか?」
そう問えば、壁に叩き付けられてうめいていた勇者の瞳が揺らいだ。
「ふざけ…るな。マグリットは戻らない。マグリットの師マーリウス殿は言っていた。身体も命も魔力に昇華されたのだと。マグリットは身体すら残らずこの世界から消えたのだと」
「それただの世界の理だろう。それを我が守る謂れはないな」
目に見えて狼狽える勇者を一瞥し、白い焔に掛かっていた魔法の術式を組み替える。そうすれば、白い焔が魔力の中に流れる身体だった頃の記憶に呼応して、人の姿の輪郭を成した。
「マグ…リット?」
愛しい愛しいマグリット。飴に群がる蟻のようにマグリットに寄ってくる勇者の姿も、お前が我の腕の中にさえいれば許容して、その涙に共感出来る。
初めて腕に抱くマグリットは思ったよりも軽く、間近で見れば少し低い鼻が可愛らしい。
だが、五年は我が思うより長い年月だったようだ。足が燃え尽きてしまっていた。
「すまぬ、マグリット。お前の中は心地よく寝過ぎてしまったようだ」
もうお前が立ちはだかる凛々しいあの姿は見れない。せめてもと、我の魔力でマグリットの足を形成した。立てずとも足がないのは不便だろう。
人形のようにだらんと座らぬ首を支えた。その薄く小さな唇に唇を寄せ、ありったけの魔力を注ぎ込む。
ぴくりっとマグリットの身体が注ぎ込まれた魔力に呼応して震える。生きようと命を刻み出し、空気を求めるように我の魔力を求める身体に喜びで身が震える。
愛い奴め、そんなに欲しいのならば存分に与えてやる。角度を変えて深く重ねれば、お前の中はやはり、心地よく与えているのに与えられている気分になり、唇を離すのが寂しい。
二人を繋ぐ銀糸がぷつりっと途切れればマグリットは息を吹き返すようにむせ、必死に呼吸を繰り返す。蒸気した頰。首筋を汗が伝う。白く肋の浮いた薄い胸を上下させる。
愛しい。このまま拐って存分に心ゆくまで可愛がりたい。だが、これは身体が甦っただけだ。元に戻した魂が定着しきっていない。魂を縛り付ける情報が足りていない。勇者の持つマグリットがマグリットとして生きてきた情報が…。
マントを脱ぎ、愛らしいマグリットの身体を包む。涙を流しながら茫然とこちらを眺めていた勇者に再度語り掛ける。
「勇者よ。お前はマグリットを甦らしたいか?」
答えなんて聞くまでもない。
勇者と我はこうして共犯になった。腹立たしい事に勇者は聖女とともに我に幾重にも面倒な誓約書を書かせたが、我が愛しいマグリットを取り戻す為だ。仕方がない。いつの世も傍観を決め込むだけの神どもの難癖を力で黙らせたのもまた仕方のない事だ。
数えきれない程の狂おしい年月の中、待ち続けたツガイはついぞ、現れなかった。
紅く染まる大地、転がる骸。
慟哭の涙に、罵詈雑言。聞き慣れた怨嗟は煩わしく。生きる全てが憎らしく、どうでもいい。
民は我を魔王と畏怖し、狂気は伝染し、狂わせる。
狂い壊して、欲して、妬んで、呪詛で世界を満たす。壊れていくのは世界なのか、自身なのか。
希望というものがあるならば、いっそ殺してくれればいいものを。
世界最後の希望の勇者パーティですら我を殺せない。
一匹は我を目の前に失神し、あとの四匹も戦う前から戦意喪失するゴミ虫に過ぎない。
だが、ゴミ虫なりにもプライドがあるのか一匹が人間が我の前に躍り出る。
「まさか、貴様一人で我を相手にすると?」
「ええ」
「ハッ、舐められたものだな。貴様ら人間如き、束になろうが我には勝てぬぞ」
「そうでしょうね。今の人類が貴方に勝てる可能性はゼロです」
「ほう? なら、貴様はその命を持って、どう楽しませてくれるのだ? たった、一匹の人間風情で」
「そのたった一匹の人間如きでも出来る悪足掻きをしてみせますよ」
不思議な事にそのゴミ虫は死を前に笑う。それはヤケに目を惹きつけて、魔法の発動を気付かぬ程に魅入ってしまった。
何故、笑う?
白い焔が惑う我の身を包み、自分にしては珍しく叫んだ。
「封印魔法。貴様っ、己を人柱として我を封印する気か」
「所詮、たった一匹の悪足掻きです。付き合ってもらいますよ」
その人間は最期まで笑っていた。
誰もが怯え、恐れ、畏怖する我を前に。それがあまりにも儚く美しく見え、魔法を打ち消す事も忘れて、その白い焔に身を委ねた。
身を委ねたその焔は焔と呼ぶには生温く、温かく心地良い。
「なんだ…。これは」
瞼が重い。この封印魔法に他に効果などあっただろうか?
いや、これは『命の残焔』と呼ばれる命を代償にして火が燃え尽きるまで封じるだけの魔法。そんな付与効果は聞いた事が無い。なら、この心地のいい感覚は……。
「眠気?」
気付いた時には眠っていた。
一年、二年、三年、四年、五年と年月を重ねて、白い焔の中で寝続けた。
白い焔は眠る我を心地の良い魔力で包み込んでくれる。それは初めて感じた安堵感で、数百年ぶりに心が穏やかになる。
白い焔は時折とパチパチッと火花を上げた。
散った火花はまるで花のように小さく爆ぜ、その様はとても美しい。
「綺麗な魔法だ」
初めて魔法を綺麗に感じた。
微睡み、白い焔を愛で、永遠にこの中に居たいと願った。だが、白い焔は時を経つにつれ、少しずつだが、弱くなっていく。眠る安寧を我に与えてくれた美しく愛しい大切な我がツガイ。
「持って、百年か」
愛しいツガイに包まれて眠る幸せは抗い難い程、魅力的だった。いっそ、白い焔が燃え尽きたならば、共に逝こうと考えた。
しかし、微睡の狭間であの笑みが頭に過ぎるのだ。
なんら特徴のない人間の一般的な茶色い髪と茶色い瞳。きっと、平凡という類に入るのだろう容姿だ。だが、儚い笑みと確固たる覚悟を灯したあの目が忘れられない。
あの笑顔をまた見たいと思ってしまえば、もう手を伸ばさずにはいられない。
魔法を無理に解除すれば、そのままツガイは命を終ってしまう。丁寧に丁寧に壊れないように優しく自身の魔力で白い焔を包む。
大事に大事に真綿を包むように幾重にも包めば、我を包んでいた白い焔はすっぽりと我の腕の中に大人しく包まれる。その様に思わず笑みが溢れた。
「何故っ! 何故だ。お前はマグリットが命懸けで封じた筈だ」
我と白い焔だけの完璧な空間に雑音が響いた。
煩わしく思いつつも、視線を向ければ、我が王の間に竜の姿をとった竜騎士団長ミネルヴァが降り立ち、見覚えのある羽虫がミネルヴァから降りてきた。
我がツガイとともに戦いを挑んできた勇者と呼ばれるアレ。
しかし、それはどうでもいい。
「成程。お前はマグリットというのか。やっと、名前が知れたな」
やっと、お前の名前が呼べる。
それだけで気分が良い。壊れないように頰を寄せ、その名を心に刻むように囁けば、白い焔はゆらりと揺れた。
ああ、愛らしい名だ。それにしてもあの日は随分と勿体無いことをした。
お前の名すら知らず、お前が美しい笑みを讃えるあの柔らかそうな白い頰に触れた事すら無い。
キインッと音を立てて、振りかざされた剣を我に張られた結界が弾く。弾かれた羽虫は曲芸師のようにくるりっと地面に着地して、飛ぶように駆けて剣を振り翳す。
「加勢する」
結界に当たり弾かれそうになった剣の上からミネルヴァの剣が支え、羽虫の剣を押し戻す。二人の力に結界にヒビを入る。
「ミネルヴァ。貴様は勇者一行に負け、我は散ったと聞いていたのがな」
「ええ。負けましたとも。負けてやっと正気に戻れましたよ。貴方から受けた狂気はマグリット様の炎が焼き尽くしてくださいました」
成程。我が同胞達を狂気に染め上げていたのは我から漏れ出した魔力。それさえも、ツガイであるマグリットの魔力は漏れ出した我の魔力まで癒してくれたのか。
「貴方が始めた戦争は、貴方が消え、止まりました。また狂うのであれば、世界のために消えなさい。この場で」
愛しいマグリットの意地らしい程の献身に口元を緩めれば、ミネルヴァは出した竜の翼を羽ばたかせ、推進力を剣に乗せる。
「世界なんてどうでもいい。アイツが笑って逝ったんだ。その笑顔を曇らせてたまるか」
吼える勇者の剣から青い炎が吹く。
ヒビは広がり、やがて、結界はパリンっと音を立てて割れ、二人はその手応えに笑った。
「なんて、甘い」
噴き出した魔力の圧力で紙のように簡単に二人は吹き飛ぶ。
友の仇も取る事の出来ない弱き羽虫。叩き潰す事は簡単だ。なんて、儚い命。
そう儚いのだ。無くなればもう同じものは帰ってこない。この人間を潰せば、マグリットはどんな顔をするか…。
「勇者よ。マグリットを甦らしたいか?」
そう問えば、壁に叩き付けられてうめいていた勇者の瞳が揺らいだ。
「ふざけ…るな。マグリットは戻らない。マグリットの師マーリウス殿は言っていた。身体も命も魔力に昇華されたのだと。マグリットは身体すら残らずこの世界から消えたのだと」
「それただの世界の理だろう。それを我が守る謂れはないな」
目に見えて狼狽える勇者を一瞥し、白い焔に掛かっていた魔法の術式を組み替える。そうすれば、白い焔が魔力の中に流れる身体だった頃の記憶に呼応して、人の姿の輪郭を成した。
「マグ…リット?」
愛しい愛しいマグリット。飴に群がる蟻のようにマグリットに寄ってくる勇者の姿も、お前が我の腕の中にさえいれば許容して、その涙に共感出来る。
初めて腕に抱くマグリットは思ったよりも軽く、間近で見れば少し低い鼻が可愛らしい。
だが、五年は我が思うより長い年月だったようだ。足が燃え尽きてしまっていた。
「すまぬ、マグリット。お前の中は心地よく寝過ぎてしまったようだ」
もうお前が立ちはだかる凛々しいあの姿は見れない。せめてもと、我の魔力でマグリットの足を形成した。立てずとも足がないのは不便だろう。
人形のようにだらんと座らぬ首を支えた。その薄く小さな唇に唇を寄せ、ありったけの魔力を注ぎ込む。
ぴくりっとマグリットの身体が注ぎ込まれた魔力に呼応して震える。生きようと命を刻み出し、空気を求めるように我の魔力を求める身体に喜びで身が震える。
愛い奴め、そんなに欲しいのならば存分に与えてやる。角度を変えて深く重ねれば、お前の中はやはり、心地よく与えているのに与えられている気分になり、唇を離すのが寂しい。
二人を繋ぐ銀糸がぷつりっと途切れればマグリットは息を吹き返すようにむせ、必死に呼吸を繰り返す。蒸気した頰。首筋を汗が伝う。白く肋の浮いた薄い胸を上下させる。
愛しい。このまま拐って存分に心ゆくまで可愛がりたい。だが、これは身体が甦っただけだ。元に戻した魂が定着しきっていない。魂を縛り付ける情報が足りていない。勇者の持つマグリットがマグリットとして生きてきた情報が…。
マントを脱ぎ、愛らしいマグリットの身体を包む。涙を流しながら茫然とこちらを眺めていた勇者に再度語り掛ける。
「勇者よ。お前はマグリットを甦らしたいか?」
答えなんて聞くまでもない。
勇者と我はこうして共犯になった。腹立たしい事に勇者は聖女とともに我に幾重にも面倒な誓約書を書かせたが、我が愛しいマグリットを取り戻す為だ。仕方がない。いつの世も傍観を決め込むだけの神どもの難癖を力で黙らせたのもまた仕方のない事だ。
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