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魔王視点
撫子を君に②
幾重にも幾重にも情報と我が魔力でマグリットの魂を身体に繋ぐ。
勇者陣営はマグリットの事となると、協力的で勇者以外にも思い出を提供してくれた。
「マグリットは魔法書が三度の飯より好きでさ。起きたらゆっくり読ませてやってくれ。後、夢中になって飯忘れないように気を付けてくれよ」
「マグリットさん、寝てんすよね? なーら、安眠出来るようにラベンダーのポプリなんてどうっすか」
駆け付けた彼等は思い出だけでなく、マグリットの為に様々なものを与えてくれた。
「マグリット兄様は紅茶にバニラクッキーを合わせるのが好きなの。結構甘い物好きだから食べさせてあげてね」
イグニスに、イヴァンにエリス、そして勇者アステル。
彼等のお陰でマグリットの眠る寝室には彼の好む物で溢れていった。好むものに囲まれているからか、マグリットの魂は順調に定着していき、夢を見るまでになった。
気持ち良さそうに眠るマグリットはまだ目を覚さない。彼の身体を維持する為に唇を重ねて魔力を注ぎ、彼の心音を聞きながら眠る。
マグリットが目を覚ますのが待ち遠しくてしょうがない。だが、同時に今のままでは嫌われてしまうと分かってる。
マグリットの繋がりを通して、マグリットの仲間達と関わった今だから分かる。
彼等の方が我より優れている。
力では到底我に及ばぬ彼等だが、彼等は我が到底敵わぬ広い心の持ち主達。仲間の為なら恨みも受けた苦しみも全て飲み込んで手を差し伸べる事が出来てしまう。
あの勇者アステルでさえ、どうすればマグリットに好かれるか相談すれば、心底嫌そうな顔をしつつも「嫌われたくないなら、先ず王らしく良い国を作る努力をしろ」と真っ当な答えを返してくれた。
好かれたいなら変わらなければならないのだ。その命を掛けても良いと思える良い仲間に恵まれたマグリットが一緒に居たいと思ってくれるそんな我に。
戦争で荒れた国を整えて、我が狂う前の治安に国を戻すまでは数年かかった。
だが、荒らしてしまった人間の国への賠償を申し出て、友好を結ぶのは案外すんなりといった。我が寝ていた五年の間、魔王代理としてミネルヴァが国交に励んでいたのが大きかった。
ならばミネルヴァに世代交代すべきかと思ったが、ミネルヴァが望んだのは魔王ではなくマグリットに仕える事。
流石に我がツガイに好意を向けるミネルヴァを側に置くのは憚られたが、誓約を結び、泣く泣く仕える事を許した。…しょうがない。それ程の貢献をミネルヴァは立てたのだ。
目まぐるしい政務に追われながらも、以前よりも空気の良くなった王城は配下達が精力的に仕事に勤しんでくれる。
「マグリット様はまだお眠りですか?」
「ああ。まだ数年掛かりそうだな」
「お早いお目覚めを願っています。出来ることがあれば、是非、我々にもお手伝いさせてください」
「それは助かる」
お見舞いだと持ってきた配下達の花を受け取り、はたと白い花に目を奪われる。5枚の花弁に羽根のように細かく裂けた上端。それはマグリットが白い焔だった頃に咲かした火花に似ていた。
撫子と呼ばれる花だと配下達は言っていた。
まるでマグリットのようだと愛でれば、王城の庭は白い撫子で埋め尽くされた。
まるでマグリットの中に居た時のような美しい光景にじんっと心が震える。マグリットにも見せたくて、眠るマグリットを抱き抱えて白い撫子の中を歩いた。
「マグリット。綺麗であろう? 」
すぅすぅと寝息を立てるマグリットは勿論我の問いに答えない。それが寂しくて頰を温かなものが伝い、マグリットの白い頰を濡らす。
「マグリットみたいでとても綺麗だ。儚くとも空に向けて堂々と咲き誇る。…なぁ、マグリット。怖かったよな。死ぬと分かっていて、もう二度と大切な仲間に会えないと分かっていて。お前はそれでも笑って立ち向かったのだろう?」
ポタリッポタリッと次から次へと流れ落ちる雨は視界を滲ませて、愛しいマグリットが上手く見えない。
マグリットの魂はもう既に身体に定着している。何時起きてもおかしくない。なのにまだ起きない。
もしかしたらマグリットはもう起きたくないのかもしれない。
命を賭けて戦って散ったのだ。
マグリットの望みは仲間の為にあのまま我と共に消える事だった。それでも生を望んだのは我の身勝手だ。一緒に生きたいと勝手に願い続けて、マグリットが二度と目覚めないのが怖い。
違う形で会えたならなんて、言わない。
そもそもマグリット達が倒しに来なければ、我はマグリットに会う事なく狂い続けていた。
「愛してる。だから愛させて欲しい」
その為なら何だって出来る。
お前が望むなら平和な国を作ろう。お前の大切な仲間達が安心して暮らせるようになんだって協力する。だから、ただ笑っていて欲しい。だから……。
三十年。
生きてきた年月を考えれば、短い年月だ。なのに、まるでその三十年は永遠のように長く感じた。
お前を愛する事が幸せで、お前に愛を伝えられない事が寂しくて。だからだろうな。起きたお前を前にすると、どうしても愛しい気持ちが暴走してしまう。
その真っ直ぐにこちらを見る瞳を見れば、欲が出てしまう。
「マグリット。そろそろ…、そろそろ帰らないか?」
そう声を掛ければ、ページを爛々と輝かせて見ていた目が細められ、残念なものを見るような目がこちらに向く。
「断る。後、三十分」
「それは五時間前にも聞いたが!?」
すっかり元気になり、ついでに我の扱いが雑になったマグリットが可愛い我が儘を捏ねる。
我が作った足を組み、白魚のような手で魔法を組み、頭上を飛ぶ本の中からお目当ての本を引き寄せる。お目当ての魔法図書館に一ヶ月も丸一日篭もり、マグリットはご満悦だ。
午後からは我の予定に付き合ってもらうというのにお昼過ぎても動こうとしない。
ああ。もうっ! いっそ、その可愛く緩む桜色の唇に噛み付いてこの場で魔力を注いで連れ去ってしまおうか?
…いや、それをすると後でマグリットに口を聞いてもらえなくなるな。くそぅ!
ただでさえ、この前、マグリットと二日間程昼夜問わず愛し合った時は三ヶ月、口を聞いてもらう所か、視界に入る事すら許されなかったのは辛すぎた。次やったら嫌いになるとも言われてしまって後がないのだ。
しょうがないので、未練がましくマグリットを見る。
真剣に本に向かうマグリットは清楚で綺麗だが、少し首を傾げる姿は仄かに色っぽい。
マグリットは愛せば愛す程、色気が増していく。何も知らぬ少女が女性になるように、小さな蕾が大輪の花を咲かせるように…。
ゴクリッと欲望に喉を鳴らせば、ゾワリッとマグリットが寒気を催した。
恐る恐るこちらを見て、諦めたようにため息を付いた。
「ほら」
マグリットがこちらに向き直り、両腕を広げる。少し照れ臭そうに頰を染め、目が合うと逸らしてしまう。
「っ!! マグリットッッ」
「ひゃっ。ちょ、ちょっと」
抱き締めれば、マグリットは顔を真っ赤にして腕の中でビクビクと身体を震わす。マグリットから伝わる胸の鼓動が早まる。慣れる所か、日に日に触れれば赤く色付くようになっていくマグリットを今日もまた一層好きになってしまう。
「マグリット。お前に見せたい景色がある。一緒に見てくれるか?」
「ん」
「ははっ。そうか。ありがとう」
転移の魔法を構築すれば、マグリットはギュッと離れないように我の首に腕を回す。魔法図書館の景色は薄れ、風が頰を撫でた。
白い羽根のようなあの花びらが揺れ、図書館の景色の代わりに視界一面に白い撫子が咲き乱れた。
「この花…」
夕陽色に染まりつつある撫子にマグリットが見つめて、何かを思い出して優しい笑顔を浮かべた。
白い撫子に囲まれるマグリットはやはり、綺麗だ。
喜ぶマグリットに撫子の花を贈ってやりたいが、撫子にマグリットの笑顔を盗られた気がして、せめてもの悪あがきで得意の氷魔法で撫子の花を作って髪に挿した。
髪に挿した氷の撫子に触れたマグリットは眉を下げて困ったように笑っていた。
「綺麗だな、マグリット」
「確かに綺麗。王城にこんな所あったんだ」
「綺麗だ、マグリット」
「どさくさに紛れて口説くのは止めろ」
軽口を叩いて、当たり前のように我の前で笑うマグリット。それが嬉しくて、涙が滲む。
何気ない日常に。何気ない幸せ。
初めて見た笑顔よりも眩しく、自分だけに向けられる。
例え、何時か地獄の業火に焼かれようともこの瞬間だけは…。
「愛してる。愛させてくれ」
「これ以上?」
「ああ。愛し足りない」
「恥ずかしい奴」
困ったように笑ったマグリットの手が我を手繰り寄せるように我の髪を掴む。お望み通り顔を寄せれば、蚊の鳴くような声で我の耳元で囁いた。
「 」
囁かれた耳が熱い。囁かれたその言葉は我だけに向けられた言葉。我だけに贈られた言葉。
撫子に彩られた愛しい愛しい我が伴侶は唇を寄せると、蕩けるような笑顔を咲かせて、受け入れるように目を閉じた。
勇者陣営はマグリットの事となると、協力的で勇者以外にも思い出を提供してくれた。
「マグリットは魔法書が三度の飯より好きでさ。起きたらゆっくり読ませてやってくれ。後、夢中になって飯忘れないように気を付けてくれよ」
「マグリットさん、寝てんすよね? なーら、安眠出来るようにラベンダーのポプリなんてどうっすか」
駆け付けた彼等は思い出だけでなく、マグリットの為に様々なものを与えてくれた。
「マグリット兄様は紅茶にバニラクッキーを合わせるのが好きなの。結構甘い物好きだから食べさせてあげてね」
イグニスに、イヴァンにエリス、そして勇者アステル。
彼等のお陰でマグリットの眠る寝室には彼の好む物で溢れていった。好むものに囲まれているからか、マグリットの魂は順調に定着していき、夢を見るまでになった。
気持ち良さそうに眠るマグリットはまだ目を覚さない。彼の身体を維持する為に唇を重ねて魔力を注ぎ、彼の心音を聞きながら眠る。
マグリットが目を覚ますのが待ち遠しくてしょうがない。だが、同時に今のままでは嫌われてしまうと分かってる。
マグリットの繋がりを通して、マグリットの仲間達と関わった今だから分かる。
彼等の方が我より優れている。
力では到底我に及ばぬ彼等だが、彼等は我が到底敵わぬ広い心の持ち主達。仲間の為なら恨みも受けた苦しみも全て飲み込んで手を差し伸べる事が出来てしまう。
あの勇者アステルでさえ、どうすればマグリットに好かれるか相談すれば、心底嫌そうな顔をしつつも「嫌われたくないなら、先ず王らしく良い国を作る努力をしろ」と真っ当な答えを返してくれた。
好かれたいなら変わらなければならないのだ。その命を掛けても良いと思える良い仲間に恵まれたマグリットが一緒に居たいと思ってくれるそんな我に。
戦争で荒れた国を整えて、我が狂う前の治安に国を戻すまでは数年かかった。
だが、荒らしてしまった人間の国への賠償を申し出て、友好を結ぶのは案外すんなりといった。我が寝ていた五年の間、魔王代理としてミネルヴァが国交に励んでいたのが大きかった。
ならばミネルヴァに世代交代すべきかと思ったが、ミネルヴァが望んだのは魔王ではなくマグリットに仕える事。
流石に我がツガイに好意を向けるミネルヴァを側に置くのは憚られたが、誓約を結び、泣く泣く仕える事を許した。…しょうがない。それ程の貢献をミネルヴァは立てたのだ。
目まぐるしい政務に追われながらも、以前よりも空気の良くなった王城は配下達が精力的に仕事に勤しんでくれる。
「マグリット様はまだお眠りですか?」
「ああ。まだ数年掛かりそうだな」
「お早いお目覚めを願っています。出来ることがあれば、是非、我々にもお手伝いさせてください」
「それは助かる」
お見舞いだと持ってきた配下達の花を受け取り、はたと白い花に目を奪われる。5枚の花弁に羽根のように細かく裂けた上端。それはマグリットが白い焔だった頃に咲かした火花に似ていた。
撫子と呼ばれる花だと配下達は言っていた。
まるでマグリットのようだと愛でれば、王城の庭は白い撫子で埋め尽くされた。
まるでマグリットの中に居た時のような美しい光景にじんっと心が震える。マグリットにも見せたくて、眠るマグリットを抱き抱えて白い撫子の中を歩いた。
「マグリット。綺麗であろう? 」
すぅすぅと寝息を立てるマグリットは勿論我の問いに答えない。それが寂しくて頰を温かなものが伝い、マグリットの白い頰を濡らす。
「マグリットみたいでとても綺麗だ。儚くとも空に向けて堂々と咲き誇る。…なぁ、マグリット。怖かったよな。死ぬと分かっていて、もう二度と大切な仲間に会えないと分かっていて。お前はそれでも笑って立ち向かったのだろう?」
ポタリッポタリッと次から次へと流れ落ちる雨は視界を滲ませて、愛しいマグリットが上手く見えない。
マグリットの魂はもう既に身体に定着している。何時起きてもおかしくない。なのにまだ起きない。
もしかしたらマグリットはもう起きたくないのかもしれない。
命を賭けて戦って散ったのだ。
マグリットの望みは仲間の為にあのまま我と共に消える事だった。それでも生を望んだのは我の身勝手だ。一緒に生きたいと勝手に願い続けて、マグリットが二度と目覚めないのが怖い。
違う形で会えたならなんて、言わない。
そもそもマグリット達が倒しに来なければ、我はマグリットに会う事なく狂い続けていた。
「愛してる。だから愛させて欲しい」
その為なら何だって出来る。
お前が望むなら平和な国を作ろう。お前の大切な仲間達が安心して暮らせるようになんだって協力する。だから、ただ笑っていて欲しい。だから……。
三十年。
生きてきた年月を考えれば、短い年月だ。なのに、まるでその三十年は永遠のように長く感じた。
お前を愛する事が幸せで、お前に愛を伝えられない事が寂しくて。だからだろうな。起きたお前を前にすると、どうしても愛しい気持ちが暴走してしまう。
その真っ直ぐにこちらを見る瞳を見れば、欲が出てしまう。
「マグリット。そろそろ…、そろそろ帰らないか?」
そう声を掛ければ、ページを爛々と輝かせて見ていた目が細められ、残念なものを見るような目がこちらに向く。
「断る。後、三十分」
「それは五時間前にも聞いたが!?」
すっかり元気になり、ついでに我の扱いが雑になったマグリットが可愛い我が儘を捏ねる。
我が作った足を組み、白魚のような手で魔法を組み、頭上を飛ぶ本の中からお目当ての本を引き寄せる。お目当ての魔法図書館に一ヶ月も丸一日篭もり、マグリットはご満悦だ。
午後からは我の予定に付き合ってもらうというのにお昼過ぎても動こうとしない。
ああ。もうっ! いっそ、その可愛く緩む桜色の唇に噛み付いてこの場で魔力を注いで連れ去ってしまおうか?
…いや、それをすると後でマグリットに口を聞いてもらえなくなるな。くそぅ!
ただでさえ、この前、マグリットと二日間程昼夜問わず愛し合った時は三ヶ月、口を聞いてもらう所か、視界に入る事すら許されなかったのは辛すぎた。次やったら嫌いになるとも言われてしまって後がないのだ。
しょうがないので、未練がましくマグリットを見る。
真剣に本に向かうマグリットは清楚で綺麗だが、少し首を傾げる姿は仄かに色っぽい。
マグリットは愛せば愛す程、色気が増していく。何も知らぬ少女が女性になるように、小さな蕾が大輪の花を咲かせるように…。
ゴクリッと欲望に喉を鳴らせば、ゾワリッとマグリットが寒気を催した。
恐る恐るこちらを見て、諦めたようにため息を付いた。
「ほら」
マグリットがこちらに向き直り、両腕を広げる。少し照れ臭そうに頰を染め、目が合うと逸らしてしまう。
「っ!! マグリットッッ」
「ひゃっ。ちょ、ちょっと」
抱き締めれば、マグリットは顔を真っ赤にして腕の中でビクビクと身体を震わす。マグリットから伝わる胸の鼓動が早まる。慣れる所か、日に日に触れれば赤く色付くようになっていくマグリットを今日もまた一層好きになってしまう。
「マグリット。お前に見せたい景色がある。一緒に見てくれるか?」
「ん」
「ははっ。そうか。ありがとう」
転移の魔法を構築すれば、マグリットはギュッと離れないように我の首に腕を回す。魔法図書館の景色は薄れ、風が頰を撫でた。
白い羽根のようなあの花びらが揺れ、図書館の景色の代わりに視界一面に白い撫子が咲き乱れた。
「この花…」
夕陽色に染まりつつある撫子にマグリットが見つめて、何かを思い出して優しい笑顔を浮かべた。
白い撫子に囲まれるマグリットはやはり、綺麗だ。
喜ぶマグリットに撫子の花を贈ってやりたいが、撫子にマグリットの笑顔を盗られた気がして、せめてもの悪あがきで得意の氷魔法で撫子の花を作って髪に挿した。
髪に挿した氷の撫子に触れたマグリットは眉を下げて困ったように笑っていた。
「綺麗だな、マグリット」
「確かに綺麗。王城にこんな所あったんだ」
「綺麗だ、マグリット」
「どさくさに紛れて口説くのは止めろ」
軽口を叩いて、当たり前のように我の前で笑うマグリット。それが嬉しくて、涙が滲む。
何気ない日常に。何気ない幸せ。
初めて見た笑顔よりも眩しく、自分だけに向けられる。
例え、何時か地獄の業火に焼かれようともこの瞬間だけは…。
「愛してる。愛させてくれ」
「これ以上?」
「ああ。愛し足りない」
「恥ずかしい奴」
困ったように笑ったマグリットの手が我を手繰り寄せるように我の髪を掴む。お望み通り顔を寄せれば、蚊の鳴くような声で我の耳元で囁いた。
「 」
囁かれた耳が熱い。囁かれたその言葉は我だけに向けられた言葉。我だけに贈られた言葉。
撫子に彩られた愛しい愛しい我が伴侶は唇を寄せると、蕩けるような笑顔を咲かせて、受け入れるように目を閉じた。
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最後の魔王視点の話、とても良かったです。
ルシアスは、とても純粋な人(?)だなと思い、
ちょっとほろり(ToT)…、ときました。
マグリットも愛されること、愛することを知ったようで、よかった。
感想ありがとうございます。
純粋な人(?)。確かに純粋だからこそ、マグリットに愛を返してもらえる自分に変われたのかもしれませんね。
知らぬが仏って奴ですね…。それを知ったイグニスはショックを受けるだけでなく、純粋なる善意でマグリットの尻を心配すると思うのでマグリットも道連れです。
最高でした……素晴らしい作品をありがとうございます…!!
後半読み進めるにつれて胸が締め付けられるようでラストは本当に泣いてしまいました……
こちらこそ読んで頂きありがとうございました。読んでいただけるだけでありがたいのに感想まで頂けて感無量です。