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「春しゅん 早く起きなさい!!」
「やだ、行きたくない。」
「何言ってんの?!遅刻するよ! ほら、朝ごはん出来てるから!!」
「ちぇっ、俺のこの17年間何にも楽しくないし、俺が行かなくても困るやつは1人もいないよ……。」
俺の名前は藤宮春。17年間彼女もいない友達もいない青春もしたことがない、
通称ぼっちだ。朝起きて、学校へ行き、家に帰り、風呂に入り、寝る。そうやって過ごして気が付いたら17年が過ぎていた。
でもそんな俺を母や父は知らない。なんてったって隠してきたからな、こんな姿を話したら泣くどころじゃすまない。そんなことを気にしていたら、いつものように父と母は俺を笑顔で送ってくれた。
俺はいつものように行ってきますと言い外へ出た……。
「今日こそ絶対友達を作ろう! 」
「俺ってブサイクなのか? 」
「いや、俺はかっこいいほうだろ。はははははは」
「母さん、ごめんな。もっと俺が人気者なら楽しい学校生活になってたのになー……。」
登校中そんなことを呟きながら思っていると、あっという間に学校に着いた。
時間を気にして時計を見ると時刻は8時26分だ。
ギリギリ遅刻は免れたがほとんどクラスの子が揃っている状態だ。正直行きにくい、
でも後5分で遅刻扱い。
そんな事を思っていると、俺の隣の方から声がした。
「おはよう! 早く行かねーと遅刻するぞ!!」
久しぶりの自分への声にびっくりし、振り向くとそこには国道大河こくみちたいががいた。
そう、彼はこの学校で誰もが知っている人気者だ。
「ねえ君、転校生? 名前教えてよ!!」
「……藤宮春です。」
「初めまして、俺の名前は国道大河! 分からないことがあれば俺に言って!
なんでも答えるからさ。」
「あの、俺転校生じゃなくてここの生徒です。」
「ええ?!まじ? 見たことなかったから知らなかった。ごめんね? 」
「いえ、別に大丈夫です慣れてますから……。」
「慣れてる? てか、やべっ遅刻するじゃん! んじゃあまたな!!」
そして彼との会話が終わり急いで俺達はそれぞれの教室へ向かった。
2年5組のドアを開け誰からの挨拶もないまま一番左の一番後ろの席に着いた。
キーンコーンカーンコーン
ーーよかった、ギリギリ遅刻は免れた。
相変わらず、いつも通りの日常だ。
そんなことを思い下校の時間になった。
帰る準備をしてると、廊下側の窓が開き、声が聞こえた。
「やっと見つけたぞ! 春!!」
そこには、朝会った国道大河がいた。
どうやら、あちこち探していたらしい。
その瞬間クラスの人たちが慌てふためく顔で俺たちを見つめた。
「春!!一緒に帰ろうぜ! 」
正直俺は嬉しかったが、クラスメイトの視線が気になり、その場から
勢い良く逃げてしまった。
「なんだよあいつ。俺がしゃべりかけて無視して逃げるとか、最低かよ」
「なあ、アイツってどんな奴? 」
そう近くの生徒に聞くと、その生徒達は無関心な顔で言った。
「ぼっち」
その時大河は朝聞いた慣れているの意味を理解し、
帰ろうとしたとき春の席のほうに何か落ちてるのを見つけた……。
ーーそして俺は気が付くと家に着いていた。
いつもよりゆっくりと俺はドアを開けた。
「ただいま! 」
「おかえり!!」
俺はすぐさま部屋に向かった。日課をする為に……、
俺には唯一の趣味がある。それは『写真撮影』だ。
写真を撮るのは街中や風景の綺麗な所、主に外が多い。それを今話題で大人気のネットコミュニティーアプリ、『SUTERA』に上げることがいつもやっていることだ。
このアプリは主に星を増やすアプリで、星マークはお気に入りしてくれた人の数を表し、プロフィールの横にある星矢印は人気度を表す。
ちなみに、俺のSUTERAのフォロワーは0だ。でもなぜか毎回星マークは1つ付いている。
俺は何も気にしない。ただの自己満で上げているだけだから、いつも通り写真を撮ろうと携帯を探すが、どこにもない。
「しまった! 」
急いで帰ったことを思い出し、どこかで落としたのか不安になった。
探しに行こうとした時家のチャイムがなった。
ピーンポーン
こんな時間に誰だ?宅配か?そう思い玄関に向かうと、
先に出ていた母が嬉しそうな笑顔を浮かべながら俺を呼んだ。
「春! 友達来てるわよ!!」
「え、友達?!」
思わず驚いてしまい、
その言葉を聞くと涙が出てしまった。
すると、母がニッコリと笑いキッチンへと帰っていった。
そこで俺は悟った。
母は気づいていたらしい。俺が17年間ぼっちだってことに……。
外に出ると、
そこには俺の携帯を持っていた同じ制服を着た子がいた。
「これ、教室に落としていた物です。」
ソワソワしている彼女の手に携帯が握りしめてあった。
そうだ、俺が使っている携帯の裏には落とした時のために住所が書いてあるんだった。
「わざわざありがとう! 」
すると、彼女は照れた顔をしながら急いで帰っていった。
俺はそのまま携帯を持ち、家を後にし
写真撮影へと向かった。
時刻は18時半頃、撮りたい写真はなかった。
夕暮れ時の小道、涼しい風、今日はやけに空気が薄い。
そう、俺は気が付くと泣いていた。
街灯が灯るベンチに腰掛け、
気が付くと辺りは真っ暗になっていた……。
「そろそろ帰ろう。」
そうして俺は家へ向かった。
家に帰ると母は何も言わず、
今まで通り笑顔で
「おかえり! 」
と言ってくれた。
俺はその笑顔に答えるようにこう言った。
「ただいま! 俺を生んでくれてありがとう!!」
そう言って、ご飯と風呂を済ませ部屋へと向かった。
写真を撮っていない事に気が付き、部屋のぬいぐるみや窓から見える景色……
いろんなものを撮ったがしっくりくるものがなかった。
「仕方がない。 俺のイケメンの顔でも撮って投稿するか! 」
でも撮ったことがない事に気が付き、携帯で調べた。
「自撮りのやり方っと、出てきた! 最近のネットはすごいな! 」
そうして感心しながら調べたサイトで勉強をして、
俺は照れながら自分を撮り投稿した。題名は……『人気者になりたい』
そして、投稿を済ませて俺は眠った。
ピコーン 通知が来ました。
春さんの星の数は300から1301になりました。
人気度は120%になりました。
フォロワーは0から1000人になりました。
この瞬間から俺の人生が変わる事になるなんて思いもよらなかった……。
ーーその頃、携帯を届けてくれた子は、
藤宮春のSUTERAをいつも通り開き……星を送った……。
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藤宮春
フォロー 0人
フォロワー 1000人
星の数 1301
人気度 120%
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「やだ、行きたくない。」
「何言ってんの?!遅刻するよ! ほら、朝ごはん出来てるから!!」
「ちぇっ、俺のこの17年間何にも楽しくないし、俺が行かなくても困るやつは1人もいないよ……。」
俺の名前は藤宮春。17年間彼女もいない友達もいない青春もしたことがない、
通称ぼっちだ。朝起きて、学校へ行き、家に帰り、風呂に入り、寝る。そうやって過ごして気が付いたら17年が過ぎていた。
でもそんな俺を母や父は知らない。なんてったって隠してきたからな、こんな姿を話したら泣くどころじゃすまない。そんなことを気にしていたら、いつものように父と母は俺を笑顔で送ってくれた。
俺はいつものように行ってきますと言い外へ出た……。
「今日こそ絶対友達を作ろう! 」
「俺ってブサイクなのか? 」
「いや、俺はかっこいいほうだろ。はははははは」
「母さん、ごめんな。もっと俺が人気者なら楽しい学校生活になってたのになー……。」
登校中そんなことを呟きながら思っていると、あっという間に学校に着いた。
時間を気にして時計を見ると時刻は8時26分だ。
ギリギリ遅刻は免れたがほとんどクラスの子が揃っている状態だ。正直行きにくい、
でも後5分で遅刻扱い。
そんな事を思っていると、俺の隣の方から声がした。
「おはよう! 早く行かねーと遅刻するぞ!!」
久しぶりの自分への声にびっくりし、振り向くとそこには国道大河こくみちたいががいた。
そう、彼はこの学校で誰もが知っている人気者だ。
「ねえ君、転校生? 名前教えてよ!!」
「……藤宮春です。」
「初めまして、俺の名前は国道大河! 分からないことがあれば俺に言って!
なんでも答えるからさ。」
「あの、俺転校生じゃなくてここの生徒です。」
「ええ?!まじ? 見たことなかったから知らなかった。ごめんね? 」
「いえ、別に大丈夫です慣れてますから……。」
「慣れてる? てか、やべっ遅刻するじゃん! んじゃあまたな!!」
そして彼との会話が終わり急いで俺達はそれぞれの教室へ向かった。
2年5組のドアを開け誰からの挨拶もないまま一番左の一番後ろの席に着いた。
キーンコーンカーンコーン
ーーよかった、ギリギリ遅刻は免れた。
相変わらず、いつも通りの日常だ。
そんなことを思い下校の時間になった。
帰る準備をしてると、廊下側の窓が開き、声が聞こえた。
「やっと見つけたぞ! 春!!」
そこには、朝会った国道大河がいた。
どうやら、あちこち探していたらしい。
その瞬間クラスの人たちが慌てふためく顔で俺たちを見つめた。
「春!!一緒に帰ろうぜ! 」
正直俺は嬉しかったが、クラスメイトの視線が気になり、その場から
勢い良く逃げてしまった。
「なんだよあいつ。俺がしゃべりかけて無視して逃げるとか、最低かよ」
「なあ、アイツってどんな奴? 」
そう近くの生徒に聞くと、その生徒達は無関心な顔で言った。
「ぼっち」
その時大河は朝聞いた慣れているの意味を理解し、
帰ろうとしたとき春の席のほうに何か落ちてるのを見つけた……。
ーーそして俺は気が付くと家に着いていた。
いつもよりゆっくりと俺はドアを開けた。
「ただいま! 」
「おかえり!!」
俺はすぐさま部屋に向かった。日課をする為に……、
俺には唯一の趣味がある。それは『写真撮影』だ。
写真を撮るのは街中や風景の綺麗な所、主に外が多い。それを今話題で大人気のネットコミュニティーアプリ、『SUTERA』に上げることがいつもやっていることだ。
このアプリは主に星を増やすアプリで、星マークはお気に入りしてくれた人の数を表し、プロフィールの横にある星矢印は人気度を表す。
ちなみに、俺のSUTERAのフォロワーは0だ。でもなぜか毎回星マークは1つ付いている。
俺は何も気にしない。ただの自己満で上げているだけだから、いつも通り写真を撮ろうと携帯を探すが、どこにもない。
「しまった! 」
急いで帰ったことを思い出し、どこかで落としたのか不安になった。
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ピーンポーン
こんな時間に誰だ?宅配か?そう思い玄関に向かうと、
先に出ていた母が嬉しそうな笑顔を浮かべながら俺を呼んだ。
「春! 友達来てるわよ!!」
「え、友達?!」
思わず驚いてしまい、
その言葉を聞くと涙が出てしまった。
すると、母がニッコリと笑いキッチンへと帰っていった。
そこで俺は悟った。
母は気づいていたらしい。俺が17年間ぼっちだってことに……。
外に出ると、
そこには俺の携帯を持っていた同じ制服を着た子がいた。
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ソワソワしている彼女の手に携帯が握りしめてあった。
そうだ、俺が使っている携帯の裏には落とした時のために住所が書いてあるんだった。
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すると、彼女は照れた顔をしながら急いで帰っていった。
俺はそのまま携帯を持ち、家を後にし
写真撮影へと向かった。
時刻は18時半頃、撮りたい写真はなかった。
夕暮れ時の小道、涼しい風、今日はやけに空気が薄い。
そう、俺は気が付くと泣いていた。
街灯が灯るベンチに腰掛け、
気が付くと辺りは真っ暗になっていた……。
「そろそろ帰ろう。」
そうして俺は家へ向かった。
家に帰ると母は何も言わず、
今まで通り笑顔で
「おかえり! 」
と言ってくれた。
俺はその笑顔に答えるようにこう言った。
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そう言って、ご飯と風呂を済ませ部屋へと向かった。
写真を撮っていない事に気が付き、部屋のぬいぐるみや窓から見える景色……
いろんなものを撮ったがしっくりくるものがなかった。
「仕方がない。 俺のイケメンの顔でも撮って投稿するか! 」
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俺は照れながら自分を撮り投稿した。題名は……『人気者になりたい』
そして、投稿を済ませて俺は眠った。
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春さんの星の数は300から1301になりました。
人気度は120%になりました。
フォロワーは0から1000人になりました。
この瞬間から俺の人生が変わる事になるなんて思いもよらなかった……。
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藤宮春のSUTERAをいつも通り開き……星を送った……。
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