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終章 勇者と聖女編
リリアの不安
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今回の作戦が功をなし、王国軍は見事に王都へ撤退していった。
兵站の貯蔵を焼き払らわれたというのも大きいが、その一端には、あちらの切り札であろう魔道具がまるで通じなかったというのも大きかったのだろう。
結果、王国軍の討伐遠征は未曽有の大敗北に終わることとなった。
しかし、勇人たちは喜んでいられなかった。
謎の襲撃者にリリアが狙われたこと、回収した魔道具をフィアが分解し、解析した結果、時間をかければこの魔道具が量産可能であるということがわかったのだ。
今回程度の数ならば問題にはならないが、この魔道具が量産されて配備されることになったとしたら、非常に厄介である。
つまるところ、決着を早急につける必要が出てきたのだ。マルセイユ領は勇人たちがいるおかげで持ちこたえたが、もし他の領に対してあの魔道具が使われたとしたら対処のしようがない。
ラオは、急いで兵を前線に集め、王都へ向けての進行準備を始める。だが、それを待つよりも早く勇人たちは先行して王都へと向かったのである。
エドモンドを摘発するために、しっかりとした理由を掲げるなら、当然ながらラオたちと一緒に王都へ行くべきである。
リリアの本来の目的としても、こちらが正解なのだが、王国軍に打撃を与え、魔道具が量産されておらず、勇人が自由に動ける今のタイミングこそが、ロスを追い詰める好機である。
なにより、リリアを襲われたことに腹を立てた勇人が完全にやる気となったことが大きかった。
そして、今回の王都へ向かったのは、勇人、シェロ、フィア、そしてリリアの四人だけである。
ロスの狙いがリリアであるため、彼女を三人の傍から離すのは初めから選択肢から消えていた。マオやクレハも付いてくると主張したのだが、王都ではなにがあるかわからないため、今回ばかりはハッキリと守り切れると確約できない以上、残ってもらうことになった。
自分たちが足手まといになると二人もわかっているためか、悔しそうにしたが素直に頷いてくれた。
マオたちに留守を頼み、王都へ向かったわけだが、いくら急いでいるとはいえ、腹も減れば疲労も貯まる。
マルセイユ領から連続で転移を繰り返したせいか、さすがのフィアも疲労が溜まってしまい、休みをとることになった。
それでも、通常なら一ヶ月近くかかる王都までの道のりを二日程度に短縮したフィアの魔法はやはり偉大である。この分ならば敗走している王国軍よりも早く王都に着きそうである。
現在、勇人達は王都まで徒歩で一日ほどの距離にある森の中で野営を行なっている。疲れ切ったフィアは既に熟睡し、その護衛としてシェロが周囲に目を光らせれていた。
いつかの時と同じように、リリアと勇人の二人で焚き火を前に見張りをしていた。
「……」
「……」
バチバチと木が弾け、炎が揺らめく。二人は無言のまま、ジッとお互いを見つめていた。
リリアはなぜか落ち着かない様子で、勇人を見つめたり、首輪を撫でたり視線を外したりする。時折、なにか言いたげに口を開きかけては、結局閉じてしまう。
そんなことが、数回ほど繰り返されているが、勇人はなにも言わない。
リリアの様子がどうにもおかしいことには気が付いていた。ただ、それはこちらから聞いてもはぐらかされてしまった。
ならば、辛抱強く、リリアから話してもらうのを待つしかない。まさに今がその時であると判断している勇人は、ただひたすらに、リリアからの言葉を待つ。
何度も何度も繰り返し、やっと決心がついたのか、リリアの瞳から揺れている気配が消えた。
「……あの、ユーキさん」
「なんだ? 眠くなったのか」
あえて最初に世間話風を装って返答すると、リリアは小さく首を振ってきた。
「お聞きしたいことが一つと、話しておきたいことがあるんです」
「……言ってみろ」
勇人が続きを促すと、リリアは言葉を選びながら自分の気持ちを吐露していく。
「ユーキさんは、私と血のつながりがあるかも知れないことはご存知ですか?」
「誰から聞いた、なんていうのは聞くまでもないか」
リリアの背の向こう、フィアやシェロがいるテントへと視線を向ける。
「ということは、知っていたんですか?」
「ああ、そうだ……と、言い切りたいところだが、俺がその話を聞いたのは最近だ。それまでは、まったく知らなかった」
「そう、ですか。……ユーキさんは、私が血縁だとしったときどう思いました?」
「別になにも」
「なにも、ですか?」
「ああ。確かに驚いて喜びはしたが、それだけだ。リリアに対する気持ちは変わらない」
「禁忌を犯したとは考えなかったんですか?」
「血の濃さを保つために近親相姦するなんて、よくある話だ。それにな、血縁なんていっても何代も血が薄まっているだろ? 気にするほどではないと思うけどな」
「クスッ。ユーキさんにハッキリそう言われると、禁忌を犯したなんて悩んでいた私が馬鹿みたいです」
固くこわばっていた表情を柔らかくして、リリアは笑う。
「んで、こっちは本命じゃないんだろ?」
「……はい。いまのは私が事実確認をハッキリさせたかったからお聞きしただけです。本当に聞いてほしいのはこっちです」
一言そうやって断ってから、リリアは自分の中で起きている異変を語り出す。
「その、夢を見るんです。私にソックリな姿をした誰かが語りかけてくる夢を」
眉間に皺を寄せ、内容を思い出していく。
「初めは凄く遠い場所から、黒い影だけが見えました。声も掠れてなにも聞こえません。ですが、日が経つにつれてどんどん声が明瞭と聞こえるようになって、距離も近づいてきたんです」
両腕を身体で抱き、震える身体を必死に抑えようとする。
「それだけなら、所詮は夢だと言い切れるのでまだいいんです。でも、姿がハッキリ視認できるようになった辺りか、胸の奥に違和感があるんです。しこりのような物を感じて、自分ではない別の誰かがいるような……そんな風に感じてしまうんです」
一人で耐えて我慢していたが、一度零してしまえば恐怖はあっという間にリリアを犯していく。
「私の中でなにが潜んでいるかもしれないと考えただけで、怖いんです。私が私で無くなってしまいそうで、そんなの、考えたくもないのにずっと考えてしまうんです」
「……少し待ってろ」
リリアの訴えに、神妙に腕を組みながら聞いていた勇人が立ち上がる。リリアの隣に座り込んで抱きしめると、コツンッと額を合わせる。
「え? ユーキさん?」
「動くな」
そういって目を瞑り、精神と勇者としての第六感をフルに集中させていく。
極限まで神経を研ぎ澄ませ、リリアの内面を探っていくと、確かにわずかだが魂に揺らぎが見えた。
それは、リリア本人の魂とほとんど重っており、言われなければ勇人やシェロであっても気が付かないほどである。
しかし、それがなんなのかは分からない。ただ、悪意らしきものはまったく感じられなかった。
「ふむ……」
「なにか、わかりましたか?」
不安に瞳を揺らすリリアの頭を優しく撫で上げる。
「安心しろ。別に変なもんじゃない。けど、どうすれば解決できるのかってのはすまんがわからないな」
融合と呼べるほどに魂が寄り添いあっているため、下手に引き剥がせばどうなるか予想がつかない。残念ではあるが、勇人にはお手上げである。
「特に、変なことが起こるわけじゃないんですよね?」
「ああ。それは保証する。むしろ何かを伝えようとしているんじゃないか? 声が聞こえたって言ったが、なにを言っているのか聞き取れたか?」
「……いえ。名前を呼ばれているっていうことだけはわかりますけど、他には聞き取れませんでした」
「俺が感じた限りでは悪意や害意みたいなものは感じられなかった。だから、急に現れたってことはなにか警告をしたかったのかもしれない。嫌かもしれないが、次にその夢を見た時には一度しっかり聞いたほうがいいかもしれないぞ」
「そう、ですね。ユーキさんがそういうのなら、頑張ってみます」
まだ少し強張っているが、それでも話をしたことでリリアの顔つきはだいぶマシなものになっていた。
「あーところで、リリア。重い話の後で悪いんだが、これ、頼む」
そう言って、勇人は股間を指差す。
勇人はリリアに抱き着くように身を寄せていたため、柔らかな胸が当たっていた。リリアの甘い匂いと柔らかな肌に密着していたせいで、勇人の股間は不謹慎にも盛り上がっていたのだ。
「ユーキさん……はぁ。いいですよ。私が、抜いてあげます」
リリアは呆れた表情を浮かべたが、一転してクスリと笑うと、勇人の腰の辺りまで屈みこみ、ズボンをズリおろしていく。
焚き火の音を聞きながら、二人は夜の情事を始めた。
◇
「もう、こんなにして……悪いおちんちんですね。ペロ」
リリアは、垂れる髪を掻き揚げながら硬くなっている勇人のペニスへ舌を這わせる。
いきなり口の中へと含むのではなく、チロチロと蛇のように鈴口を舌先で弄った後、裏筋やカリを舐めていく。
「いいぞ、リリア。そのまま全体を刺激しながら掃除も頼む。勝手に飲み込むなよ」
「ふぁい、ゆーひひゃん」
言われるがまま、亀頭や竿に唾液を付け、洗いきれず残っていたチンカスをすくってコロコロと舌の上で転がす。十分に唾液と絡ませ合った後、べぇと口を開けて勇人に見せつける。
「よし、いいぞ」
「んくっ、こくっ」
喉を鳴らして飲み込むと、ツンっとくるチンカス独特の臭いが鼻の奥を一気に駆け抜けていく。
(精液とはまた違った苦味が口の中で……)
チンカスを飲み込んだリリアは、少しだけ涙目になりながら勇人のペニスにキスをして、再び舌を這わせ始める。
「ちゅっ、ぴちゃ、くちゅ、ちゅっちゅっ」
竿を手で上下にしごいたり、玉を擦ったりしながら、伸ばした舌を絡ませて刺激させていく。
少しずつ刺激を加えていくと、ビクビクとチンポが反応を示す。見た目はグロテスクではあるが、その可愛らしい様子にもっと虐めたくなってしまったリリアは、フィアから教えてもらったことを実践することにした。
「……あむ、じゅるるるるるるるる」
大きく口を開けてチンポを加える。そして、勢いよく口をすぼめて、ジュポジュポと下品な音を立てながら顔を上下させる。
「その、フェラ顔、エロいな」
「じゅぼ、じゅぼっ、じゅるるるる、じゅぞっ、じゅぷっ」
上目使い勇人を見やり、ひょっとこ顔でバキュームフェラを続けると、勇人が気持ちよさそうにしながら頬を撫でてくる。
(ユーキさん。喜んでくれていますね)
そのことが嬉しくて、より一層奉仕に力が入る。
(えっと、確かフィアさんが……)
フィアに教えてもらった通り、頬肉で竿を締め付けるだけでなく、わざと品のない顔や音を激しく立てる。
普段は清楚な分、その淫靡なギャップに勇人のチンポがさらに一回り大きくなる。
(わ、わわっ! いつもより、大きい)
少し喉が苦しくなるが、これくらいならばまだ問題はない。
リリアは動きを止めることなくフェラを続けると、勇人のほうが限界だった。
「うっ! 射精る!」
「むぐぅっ! んっく……きゃっ」
いきなり射精されたことに驚いたリリアは、思わず口を離してしまう。
射精の途中だったチンポから、水鉄砲のように精液が顔にかけられる。どろどろのザーメンパックで顔を化粧されたリリアは、ゆっくりと白濁をすくい取り、口へ運ぶ。
「あむっちゅぱっ、ユーキさんのザーメン……ちょっと苦いですね」
「お、おい、リリア。いいのか?」
「? 何がです?」
「いや、そんな精液を食べていいのかってことだよ」
「あんまりよくはないですね。美味しくないですし、何より恥ずかしいです。……でも、ユーキさんはこういうエッチな女の子が好みだって聞いたの」
「……フィアのやつか」
勇人が盛大に溜め息を吐くと、リリアは慌てだす。
「あ、あれ? もしかしてあまり好きではなかった……ですか?」
「……いや。嫌いじゃないぞ。ただ、驚いただけだ」
「よかった」
失敗したわけではないことに安堵したリリアは、勇人に近づくと、そのまま押し倒した。
「今日は私が奉仕しますので、ユーキさんは動かないでください」
「ほう? そりゃ楽しみだ」
馬乗りになると、リリアがゆっくりと立ち上がり、上を向いているチンポを掴む。
そのままガニ股になり、チンポを膣口にあてがうと、屈伸でもするように膝を曲げて一気に膣内へと押し込んだ。
「んひっ! ゆ、ユーキさんのチンポ、ごつって、きたぁっ」
奥を突かれ、甘く痺れるような感覚が脳を襲う。
思わずその場で倒れそうになるのを堪えながら、リリアは震える身体を叱咤しながら腰を動かす。
「あひんっ、おほぉ、こ、これ、しゅごっ、奥、ゴリゴリってぇっ」
腰を落とすと、いつもより深くチンポが感じられる。
パツンパツンと胸が痛いくらいに揺らしていると、勇人が腕を伸ばして支えてくる。
「揺れる胸を眺めているのも楽しいが、やっぱり揉むのが一番だな」
「あんっ、ゆ、ユーキさんっ、胸、揉んじゃっあひぃんっ」
ただでさえ気持ちいのに、胸まで揉まれてしまうと、いよいよもって余裕がなくなってくる。
「おほぉっ! 子宮口が、亀頭とキスしてましゅぅっ! しゅご、これ、いいっ!」
出会ったときには未開発だったボルチオも、度重なる責めですっかり性感帯へと変わってしまっている。
本来ならば固く閉ざしていなければいけないその場所は、亀頭部分でコツコツと突かれると、簡単に開いて雄チンポを子宮に受け入れてしまう。
まるで、いつでも種付してくださいといわんばかりである。
「赤ちゃんの部屋、突かれてるのに、気持ちいいっ! しょこっ! もっと、もっとついてくらひゃいっ!」
「たく、ひでえ顔だな。いつもの澄ました顔はどうした」
「らってぇ、こんな気持ちいいの、我慢できひぇん……あひぃっ!」
カリが子宮口で引っかかったので、無理矢理に引き抜くと、ゴリッという音がした。
わずかな痛みと、強烈な快感を感じたリリアは、ぷしゅっと潮を噴いてしまう。
「あ、あひぃっ……おごっ!」
思わず膝を折ってしまった先に待っていたのも、また快楽だった。
足で支えていた体重が、そのまま重しとなってしまう。より深く、子宮さえ貫かんばかりに尽きき去ったチンポに、リリアの意識が一瞬飛んだ。
「あ、ひ、こほぉっ」
視界が点滅し、呼吸が詰まる。口元は半笑いで固定され、だらしなく唾液が溢れてくる。
頭が沸騰するような快感に、一人で浸っていたリリアだったが、すぐにそれが間違いだと気が付く。
「あっ、あっ! ま、れっ! ゆーひひゃん、いま、うこいひゃっ」
「安心しろ。もっと気持ちよくしてやる」
リリアに任せていた勇人だったが、マヌケなトロ顔を見ているうちに我慢が出来なくなっていた。
腰を掴み、持ち上げたかと思えば滅茶苦茶にリリアの身体を上下させる。
その激しい動きは、まるで物でも扱うような雑さである。
「あひぃっ、おほぉっ、いひひぃぃぃぃぃ!」
リリアの声が、森に響く。
シェロたちに聞こえてしまうかもしれないとなどと考える余裕はない。
声を上げなければ、与えられる快楽信号で頭が焼切れてしまいそうなのだ。そんな状態で、我慢などできるはずがない。
「あっ、あっ、あっ、おぉぉぉぉぉぉっ!」
チンポが出入りする度に、肉ビラが捲れ、カリがゴリゴリと膣を押し広げる。
勇人のチンポの形にピッタリ合わせられた膣肉は、リリアが意識せずとも勝手に律動し、チンポをシコシコとしごいて奉仕をする。
チンポに頭をやられたリリアは、全自動のダッチワイフのように、本能で快楽を追及していく。
気持ちよく、ただひたすらに気持ちよくなる為だけに動く雌の本能に対し、チンポは二回目の限界を迎える。
金玉が小さく縮小したかと思えば、圧縮された精液が勢いよく吐き出された。
「おほぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ぴゅっぴゅっと吹き出る精液は、リリアの子宮をティッシュの様に使う。そこには孕ませる、孕ませないなど関係ない。
グリグリと子宮壁に亀頭が押し付けられ、精液が塗りたくられていく。発情した雌の身体が反応し、卵管から卵が吐き出されると、着床し、受精させるために精液が一斉に輪姦を始める。
どうしようもない雄の蹂躙に、連続絶頂を迎えたリリアは舌を投げ出しながら勇人の身体の上へと倒れ込む。
手足をビクビクと痙攣させ、気絶しながらアヘ顔を晒すリリアに、かつてあった恥じらいは消えていた。
「変われば変わるもんだな」
リリアを変えた元凶である勇人は、変わり果てた、しかし自分好みに変わったエロイ姿を見て、満足気に頷いたのであった。
兵站の貯蔵を焼き払らわれたというのも大きいが、その一端には、あちらの切り札であろう魔道具がまるで通じなかったというのも大きかったのだろう。
結果、王国軍の討伐遠征は未曽有の大敗北に終わることとなった。
しかし、勇人たちは喜んでいられなかった。
謎の襲撃者にリリアが狙われたこと、回収した魔道具をフィアが分解し、解析した結果、時間をかければこの魔道具が量産可能であるということがわかったのだ。
今回程度の数ならば問題にはならないが、この魔道具が量産されて配備されることになったとしたら、非常に厄介である。
つまるところ、決着を早急につける必要が出てきたのだ。マルセイユ領は勇人たちがいるおかげで持ちこたえたが、もし他の領に対してあの魔道具が使われたとしたら対処のしようがない。
ラオは、急いで兵を前線に集め、王都へ向けての進行準備を始める。だが、それを待つよりも早く勇人たちは先行して王都へと向かったのである。
エドモンドを摘発するために、しっかりとした理由を掲げるなら、当然ながらラオたちと一緒に王都へ行くべきである。
リリアの本来の目的としても、こちらが正解なのだが、王国軍に打撃を与え、魔道具が量産されておらず、勇人が自由に動ける今のタイミングこそが、ロスを追い詰める好機である。
なにより、リリアを襲われたことに腹を立てた勇人が完全にやる気となったことが大きかった。
そして、今回の王都へ向かったのは、勇人、シェロ、フィア、そしてリリアの四人だけである。
ロスの狙いがリリアであるため、彼女を三人の傍から離すのは初めから選択肢から消えていた。マオやクレハも付いてくると主張したのだが、王都ではなにがあるかわからないため、今回ばかりはハッキリと守り切れると確約できない以上、残ってもらうことになった。
自分たちが足手まといになると二人もわかっているためか、悔しそうにしたが素直に頷いてくれた。
マオたちに留守を頼み、王都へ向かったわけだが、いくら急いでいるとはいえ、腹も減れば疲労も貯まる。
マルセイユ領から連続で転移を繰り返したせいか、さすがのフィアも疲労が溜まってしまい、休みをとることになった。
それでも、通常なら一ヶ月近くかかる王都までの道のりを二日程度に短縮したフィアの魔法はやはり偉大である。この分ならば敗走している王国軍よりも早く王都に着きそうである。
現在、勇人達は王都まで徒歩で一日ほどの距離にある森の中で野営を行なっている。疲れ切ったフィアは既に熟睡し、その護衛としてシェロが周囲に目を光らせれていた。
いつかの時と同じように、リリアと勇人の二人で焚き火を前に見張りをしていた。
「……」
「……」
バチバチと木が弾け、炎が揺らめく。二人は無言のまま、ジッとお互いを見つめていた。
リリアはなぜか落ち着かない様子で、勇人を見つめたり、首輪を撫でたり視線を外したりする。時折、なにか言いたげに口を開きかけては、結局閉じてしまう。
そんなことが、数回ほど繰り返されているが、勇人はなにも言わない。
リリアの様子がどうにもおかしいことには気が付いていた。ただ、それはこちらから聞いてもはぐらかされてしまった。
ならば、辛抱強く、リリアから話してもらうのを待つしかない。まさに今がその時であると判断している勇人は、ただひたすらに、リリアからの言葉を待つ。
何度も何度も繰り返し、やっと決心がついたのか、リリアの瞳から揺れている気配が消えた。
「……あの、ユーキさん」
「なんだ? 眠くなったのか」
あえて最初に世間話風を装って返答すると、リリアは小さく首を振ってきた。
「お聞きしたいことが一つと、話しておきたいことがあるんです」
「……言ってみろ」
勇人が続きを促すと、リリアは言葉を選びながら自分の気持ちを吐露していく。
「ユーキさんは、私と血のつながりがあるかも知れないことはご存知ですか?」
「誰から聞いた、なんていうのは聞くまでもないか」
リリアの背の向こう、フィアやシェロがいるテントへと視線を向ける。
「ということは、知っていたんですか?」
「ああ、そうだ……と、言い切りたいところだが、俺がその話を聞いたのは最近だ。それまでは、まったく知らなかった」
「そう、ですか。……ユーキさんは、私が血縁だとしったときどう思いました?」
「別になにも」
「なにも、ですか?」
「ああ。確かに驚いて喜びはしたが、それだけだ。リリアに対する気持ちは変わらない」
「禁忌を犯したとは考えなかったんですか?」
「血の濃さを保つために近親相姦するなんて、よくある話だ。それにな、血縁なんていっても何代も血が薄まっているだろ? 気にするほどではないと思うけどな」
「クスッ。ユーキさんにハッキリそう言われると、禁忌を犯したなんて悩んでいた私が馬鹿みたいです」
固くこわばっていた表情を柔らかくして、リリアは笑う。
「んで、こっちは本命じゃないんだろ?」
「……はい。いまのは私が事実確認をハッキリさせたかったからお聞きしただけです。本当に聞いてほしいのはこっちです」
一言そうやって断ってから、リリアは自分の中で起きている異変を語り出す。
「その、夢を見るんです。私にソックリな姿をした誰かが語りかけてくる夢を」
眉間に皺を寄せ、内容を思い出していく。
「初めは凄く遠い場所から、黒い影だけが見えました。声も掠れてなにも聞こえません。ですが、日が経つにつれてどんどん声が明瞭と聞こえるようになって、距離も近づいてきたんです」
両腕を身体で抱き、震える身体を必死に抑えようとする。
「それだけなら、所詮は夢だと言い切れるのでまだいいんです。でも、姿がハッキリ視認できるようになった辺りか、胸の奥に違和感があるんです。しこりのような物を感じて、自分ではない別の誰かがいるような……そんな風に感じてしまうんです」
一人で耐えて我慢していたが、一度零してしまえば恐怖はあっという間にリリアを犯していく。
「私の中でなにが潜んでいるかもしれないと考えただけで、怖いんです。私が私で無くなってしまいそうで、そんなの、考えたくもないのにずっと考えてしまうんです」
「……少し待ってろ」
リリアの訴えに、神妙に腕を組みながら聞いていた勇人が立ち上がる。リリアの隣に座り込んで抱きしめると、コツンッと額を合わせる。
「え? ユーキさん?」
「動くな」
そういって目を瞑り、精神と勇者としての第六感をフルに集中させていく。
極限まで神経を研ぎ澄ませ、リリアの内面を探っていくと、確かにわずかだが魂に揺らぎが見えた。
それは、リリア本人の魂とほとんど重っており、言われなければ勇人やシェロであっても気が付かないほどである。
しかし、それがなんなのかは分からない。ただ、悪意らしきものはまったく感じられなかった。
「ふむ……」
「なにか、わかりましたか?」
不安に瞳を揺らすリリアの頭を優しく撫で上げる。
「安心しろ。別に変なもんじゃない。けど、どうすれば解決できるのかってのはすまんがわからないな」
融合と呼べるほどに魂が寄り添いあっているため、下手に引き剥がせばどうなるか予想がつかない。残念ではあるが、勇人にはお手上げである。
「特に、変なことが起こるわけじゃないんですよね?」
「ああ。それは保証する。むしろ何かを伝えようとしているんじゃないか? 声が聞こえたって言ったが、なにを言っているのか聞き取れたか?」
「……いえ。名前を呼ばれているっていうことだけはわかりますけど、他には聞き取れませんでした」
「俺が感じた限りでは悪意や害意みたいなものは感じられなかった。だから、急に現れたってことはなにか警告をしたかったのかもしれない。嫌かもしれないが、次にその夢を見た時には一度しっかり聞いたほうがいいかもしれないぞ」
「そう、ですね。ユーキさんがそういうのなら、頑張ってみます」
まだ少し強張っているが、それでも話をしたことでリリアの顔つきはだいぶマシなものになっていた。
「あーところで、リリア。重い話の後で悪いんだが、これ、頼む」
そう言って、勇人は股間を指差す。
勇人はリリアに抱き着くように身を寄せていたため、柔らかな胸が当たっていた。リリアの甘い匂いと柔らかな肌に密着していたせいで、勇人の股間は不謹慎にも盛り上がっていたのだ。
「ユーキさん……はぁ。いいですよ。私が、抜いてあげます」
リリアは呆れた表情を浮かべたが、一転してクスリと笑うと、勇人の腰の辺りまで屈みこみ、ズボンをズリおろしていく。
焚き火の音を聞きながら、二人は夜の情事を始めた。
◇
「もう、こんなにして……悪いおちんちんですね。ペロ」
リリアは、垂れる髪を掻き揚げながら硬くなっている勇人のペニスへ舌を這わせる。
いきなり口の中へと含むのではなく、チロチロと蛇のように鈴口を舌先で弄った後、裏筋やカリを舐めていく。
「いいぞ、リリア。そのまま全体を刺激しながら掃除も頼む。勝手に飲み込むなよ」
「ふぁい、ゆーひひゃん」
言われるがまま、亀頭や竿に唾液を付け、洗いきれず残っていたチンカスをすくってコロコロと舌の上で転がす。十分に唾液と絡ませ合った後、べぇと口を開けて勇人に見せつける。
「よし、いいぞ」
「んくっ、こくっ」
喉を鳴らして飲み込むと、ツンっとくるチンカス独特の臭いが鼻の奥を一気に駆け抜けていく。
(精液とはまた違った苦味が口の中で……)
チンカスを飲み込んだリリアは、少しだけ涙目になりながら勇人のペニスにキスをして、再び舌を這わせ始める。
「ちゅっ、ぴちゃ、くちゅ、ちゅっちゅっ」
竿を手で上下にしごいたり、玉を擦ったりしながら、伸ばした舌を絡ませて刺激させていく。
少しずつ刺激を加えていくと、ビクビクとチンポが反応を示す。見た目はグロテスクではあるが、その可愛らしい様子にもっと虐めたくなってしまったリリアは、フィアから教えてもらったことを実践することにした。
「……あむ、じゅるるるるるるるる」
大きく口を開けてチンポを加える。そして、勢いよく口をすぼめて、ジュポジュポと下品な音を立てながら顔を上下させる。
「その、フェラ顔、エロいな」
「じゅぼ、じゅぼっ、じゅるるるる、じゅぞっ、じゅぷっ」
上目使い勇人を見やり、ひょっとこ顔でバキュームフェラを続けると、勇人が気持ちよさそうにしながら頬を撫でてくる。
(ユーキさん。喜んでくれていますね)
そのことが嬉しくて、より一層奉仕に力が入る。
(えっと、確かフィアさんが……)
フィアに教えてもらった通り、頬肉で竿を締め付けるだけでなく、わざと品のない顔や音を激しく立てる。
普段は清楚な分、その淫靡なギャップに勇人のチンポがさらに一回り大きくなる。
(わ、わわっ! いつもより、大きい)
少し喉が苦しくなるが、これくらいならばまだ問題はない。
リリアは動きを止めることなくフェラを続けると、勇人のほうが限界だった。
「うっ! 射精る!」
「むぐぅっ! んっく……きゃっ」
いきなり射精されたことに驚いたリリアは、思わず口を離してしまう。
射精の途中だったチンポから、水鉄砲のように精液が顔にかけられる。どろどろのザーメンパックで顔を化粧されたリリアは、ゆっくりと白濁をすくい取り、口へ運ぶ。
「あむっちゅぱっ、ユーキさんのザーメン……ちょっと苦いですね」
「お、おい、リリア。いいのか?」
「? 何がです?」
「いや、そんな精液を食べていいのかってことだよ」
「あんまりよくはないですね。美味しくないですし、何より恥ずかしいです。……でも、ユーキさんはこういうエッチな女の子が好みだって聞いたの」
「……フィアのやつか」
勇人が盛大に溜め息を吐くと、リリアは慌てだす。
「あ、あれ? もしかしてあまり好きではなかった……ですか?」
「……いや。嫌いじゃないぞ。ただ、驚いただけだ」
「よかった」
失敗したわけではないことに安堵したリリアは、勇人に近づくと、そのまま押し倒した。
「今日は私が奉仕しますので、ユーキさんは動かないでください」
「ほう? そりゃ楽しみだ」
馬乗りになると、リリアがゆっくりと立ち上がり、上を向いているチンポを掴む。
そのままガニ股になり、チンポを膣口にあてがうと、屈伸でもするように膝を曲げて一気に膣内へと押し込んだ。
「んひっ! ゆ、ユーキさんのチンポ、ごつって、きたぁっ」
奥を突かれ、甘く痺れるような感覚が脳を襲う。
思わずその場で倒れそうになるのを堪えながら、リリアは震える身体を叱咤しながら腰を動かす。
「あひんっ、おほぉ、こ、これ、しゅごっ、奥、ゴリゴリってぇっ」
腰を落とすと、いつもより深くチンポが感じられる。
パツンパツンと胸が痛いくらいに揺らしていると、勇人が腕を伸ばして支えてくる。
「揺れる胸を眺めているのも楽しいが、やっぱり揉むのが一番だな」
「あんっ、ゆ、ユーキさんっ、胸、揉んじゃっあひぃんっ」
ただでさえ気持ちいのに、胸まで揉まれてしまうと、いよいよもって余裕がなくなってくる。
「おほぉっ! 子宮口が、亀頭とキスしてましゅぅっ! しゅご、これ、いいっ!」
出会ったときには未開発だったボルチオも、度重なる責めですっかり性感帯へと変わってしまっている。
本来ならば固く閉ざしていなければいけないその場所は、亀頭部分でコツコツと突かれると、簡単に開いて雄チンポを子宮に受け入れてしまう。
まるで、いつでも種付してくださいといわんばかりである。
「赤ちゃんの部屋、突かれてるのに、気持ちいいっ! しょこっ! もっと、もっとついてくらひゃいっ!」
「たく、ひでえ顔だな。いつもの澄ました顔はどうした」
「らってぇ、こんな気持ちいいの、我慢できひぇん……あひぃっ!」
カリが子宮口で引っかかったので、無理矢理に引き抜くと、ゴリッという音がした。
わずかな痛みと、強烈な快感を感じたリリアは、ぷしゅっと潮を噴いてしまう。
「あ、あひぃっ……おごっ!」
思わず膝を折ってしまった先に待っていたのも、また快楽だった。
足で支えていた体重が、そのまま重しとなってしまう。より深く、子宮さえ貫かんばかりに尽きき去ったチンポに、リリアの意識が一瞬飛んだ。
「あ、ひ、こほぉっ」
視界が点滅し、呼吸が詰まる。口元は半笑いで固定され、だらしなく唾液が溢れてくる。
頭が沸騰するような快感に、一人で浸っていたリリアだったが、すぐにそれが間違いだと気が付く。
「あっ、あっ! ま、れっ! ゆーひひゃん、いま、うこいひゃっ」
「安心しろ。もっと気持ちよくしてやる」
リリアに任せていた勇人だったが、マヌケなトロ顔を見ているうちに我慢が出来なくなっていた。
腰を掴み、持ち上げたかと思えば滅茶苦茶にリリアの身体を上下させる。
その激しい動きは、まるで物でも扱うような雑さである。
「あひぃっ、おほぉっ、いひひぃぃぃぃぃ!」
リリアの声が、森に響く。
シェロたちに聞こえてしまうかもしれないとなどと考える余裕はない。
声を上げなければ、与えられる快楽信号で頭が焼切れてしまいそうなのだ。そんな状態で、我慢などできるはずがない。
「あっ、あっ、あっ、おぉぉぉぉぉぉっ!」
チンポが出入りする度に、肉ビラが捲れ、カリがゴリゴリと膣を押し広げる。
勇人のチンポの形にピッタリ合わせられた膣肉は、リリアが意識せずとも勝手に律動し、チンポをシコシコとしごいて奉仕をする。
チンポに頭をやられたリリアは、全自動のダッチワイフのように、本能で快楽を追及していく。
気持ちよく、ただひたすらに気持ちよくなる為だけに動く雌の本能に対し、チンポは二回目の限界を迎える。
金玉が小さく縮小したかと思えば、圧縮された精液が勢いよく吐き出された。
「おほぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ぴゅっぴゅっと吹き出る精液は、リリアの子宮をティッシュの様に使う。そこには孕ませる、孕ませないなど関係ない。
グリグリと子宮壁に亀頭が押し付けられ、精液が塗りたくられていく。発情した雌の身体が反応し、卵管から卵が吐き出されると、着床し、受精させるために精液が一斉に輪姦を始める。
どうしようもない雄の蹂躙に、連続絶頂を迎えたリリアは舌を投げ出しながら勇人の身体の上へと倒れ込む。
手足をビクビクと痙攣させ、気絶しながらアヘ顔を晒すリリアに、かつてあった恥じらいは消えていた。
「変われば変わるもんだな」
リリアを変えた元凶である勇人は、変わり果てた、しかし自分好みに変わったエロイ姿を見て、満足気に頷いたのであった。
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