コアブレイク

８話『聖書』

アンヘルは川崎の商店街に在る廃ビルで食事を取っていた。

『♪♫♬♪♫♪♪』

「俺の動きは全て予定調和の内…か、気に食わないな聖書。」

真蒼に有る聖書と言う存在を煙たがるアンヘル、ピザを食べ終え手を拭く。

アンヘルは携帯を取り、絵空事に電話をする、すると電話に絵空事が出るのが解り話し掛ける。

「もしもし、いま平気？」

「平気だよ、どうだった？」

「首尾よくいった。」

「そう、こっちは大変だよ、多分イドとキャット捕まっちゃて、空とオマツがユウト落とすって動いてる。」

「そうか。」

『♫♬♫♪♪♫♪♪』

「報道見た？僕等顔バレしたよ、後の算段平気？」

「平気さ。」

少しの間沈黙が有り絵空事が口を開く。

「…なんで！なんで何も信じてくれないんだよ！！一人じゃ出来ないことだろ！？死ぬ気だろアンヘル！？」

「お前達の脳に負荷された人格は俺が死ねば消える、最後までやり遂げる。」

「なんだよそれ…！？酌量の余地を貰えってこと！？…アンヘル！！」

「じゃあな、電源を切る。」

ツーツー。


レハとkは軍法会議室で話し合いをしている最中、綠と茨はメカニックサイコ室の中に居た。

「β！マリオネ！！頼むわよ！ちょっぱやでね。」

「ディスクの位置の逆探知だ！！やっちまえ！！」

『わかったよ！』

メカニックサイコ室に有るメインモニターに映る日本の地図、そこに…。

「オッケーβ！！奏でようハーモニー♡」

カタカタカタカタ…！！

恐ろしい手捌きでプログラミングをしていくマリオネ、プラグに繋がれたβへと伝達して行く。

「バン✩！！」

pipipipipi！！

メインモニターに次々と赤い丸表示が付いて行く様子が見える。

「回収よ！！」

「『協団』全土に告ぐ！！このマップに表示された付近にあるCDを全て回収せよ！！」


ザッザッザッー。

アンヘルはアリスの事を思い出していた。

アリスは家柄が過去にゲーム会社の娘であり、学生の頃にインターネットゲームをよくやっていた。

アンヘルも過去にはアリスの友人だった頃が有るのである。


解ってるだ、俺はお前の世界の登場人物だってー…。


不思議は有った、アリスと関わってゲームの中で会話等をしていると起こる謎の感覚。


世界がー…アリスの中で動いている？


これはアリスと会話をしている自分も登場人物として出てきてしまう、子供ながらに世界に浸透するのだ、自分《アンヘル》と言う存在が何らかの形で。

そして、アンヘルは気づいてしまう聖書と言える存在に。

聖書と言う書物《黙示録》は世界では共通で有名な存在であった、本当にアンヘルが気づいたのはもっと別な事。

「アリスが…聖書だ！！」
それがアンヘルが幼い頃に気づいた事である。