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つながり
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一週間ずっと寝ているだけで何も出来なかった。させてもらえなかった。
熱は下がったけれど、直ったわけでもないので、ベッドにいるけれど、ベッドから起き上がれるまでは回復した。
医者からまだまだ全快するまで時間が掛かると言われているけれど、無理をしない程度ならベッドの上で大人しく仕事をしても言いという許可をもらった。
「おら!無理すんじゃねーってあれほど言っただろうが」
書類を見ているだけだというのに、取り上げられた。
見ているだけなら仕事をしている事にもならないし、無理をしているというわけでもないのに、浩には無理をしているように見えるのだろう。
取り上げられたといっても、たいした書類ではないので、急ぐ必要もない。
一番急がなくてはならない仕事は浩が来る前に終わらせているので、心配ない。
「ねぇひろ、そこに置いてある書類をジュベールかトレイスに渡して日本に送ってもらうように言って」
机の上に置いてある大きな封筒を指差した。
伯父が日本に行かせている者たちへの重要書類。
僕が寝込んでいる間に大きな動きがあったらしく、トレイスは本社で日本支社のことで忙しくしているらしい。
トレイスの報告によると、支社は完成して、社員の面接も終わり、僕が行けばいつでも動かせられる状態になっているという。それに僕が知らない間にトレイスもジュベールも日本で働くための手続きが終わっているらしく、いつでも日本にいくことが出来るというが、伯父に驚かされた。
これが伯父の出した答えだというのが分かったけれど、こんなに早く答えをだし、既に日本に働くための手続きを終わらせているとは思ってもいなかった。
「ひろ、ずっといい忘れていたんだけど、ジュベールを学園の大学部に入れられないかな?」
日本に帰ったらすぐに言うつもりでいたけれど、今僕の目の前には浩がいる。
浩なら玲那さんの携帯番号を知っているとおもうので、電話をして頼んで貰えると思っている。もちろん僕も電話を変ってもって直接頼むつもりでいる。
「その事なら俺が玲那に言ってとっくにしているぜ!あの時お前が気を失ってから、急に様子がおかしくなってよ、俺・・・・・」
知りたかった事を教えてくれた。
今冷静になってあのときの事を考えると、僕たちはかなり恥ずかしい事をしたけれど、それはそれで僕はよかったと思う。
ずっと近くに感じる事が出来たし、親と子、兄弟としての繋がりが再び生まれたような気がした。
浩は僕に母に会ったときの事を話してくれた。僕が気を失った後浩がどうしたのかと言うこと全て話してくれた。
浩が僕の様子がおかしくなったことに気が付いたのは、僕が気を失って一時間ぐらい時間が経った時だったらしい。
僕が気を失ったのは快楽感から来るものだと浩は言うけれど、そんな事僕が知っているわけがない。
初めは気を失って、そのまま寝てしまったのだろうと思っていて、暫く僕の寝顔を見た後、寝ようとした時に、僕の様子がおかしいと気づいたと言う。
その時はいつもの事だろうと思って様子を見ていたらしいが、どんどん容態が悪化し、これはおかしいと思い、急いでこの事をトレイスに知らせるため部屋から出た浩は丁度仕事を終えて帰って来た母と運悪く出くわしたらしい。
お互い顔をあわせた時、浩は直ぐに母だということが分かったらしいが、母は直ぐに息子の浩だということが分からなく、僕の友達が泊まりで遊びに来ているのかと思ったらしいが、トレイスが自室に戻ろうとしている時に浩の姿を見つけて、母がその場にいる事を知らず名前を呼んでしまったことにより、母は目の前にいる人物が自分の息子である事に気が付いた。
最初は混乱している様子だったけれど、この事を説明するよりも僕のことが重大だったので、後回しになったという。
その事を知ったトレイスは急いで医者を呼び、過労が原因で肺炎を起しそうになっているが、入院はしなかったものの、絶対安静していれば、自宅療養で大丈夫だという診断を受け、安心した所で本題に移り、浩がどうしてここにいるという説明をしたという。
説明は僕がトレイス達に話した事を母にも同じ事を言ったと言う。
母はその事を聞いた時、嬉しくて泣いていたらしい。その後母は伯父と祖父母に浩を紹介して今に至るという。
ジュベールのこともその時に伯父が浩に言って、入れるようにしたらしい。
「そっか・・・・・そんなことがあったんだ・・・ありがとう、そしてごめんなさい」
「何で謝るんだよ・・・別に謝る事じゃねーだろ?」
自分の口から浩を皆に紹介したかったけれど、仕方がなかった。全て僕が悪いから、本当に仕方がない。
「じゃあ、これをジュベールに渡してくんから、大人しくしていろよ」
書類の入った封筒を持って部屋を出て行った。
大人しくしていろと言われたけれど、ベッドの上にずっといるのに大人しくしている以外に何をしていろというのだろう。
浩がここに来るまでの間も大人しくして、書類に目を通していただけなのに、取り上げられてこの場にはない。あるとすれば、まったく急がなくてもいい書類ばかり。
既に目を通して内容も頭の中に入っていて、後はサインするだけ。二・三分あれば終わる。
仕事をしなければならないのにさせて貰えない。させて貰っても、ほんの数分で終わるような簡単な仕事で、大きな仕事は伯父とトレイスがしている。
「つまんない・・・・・・」
早く日本に帰りたい。浩と一緒に日本に帰りたい。
帰って皆とおしゃべりしたい。仕事をしたい。こんなにしたいと思ったこと今までなかったのに、どうしてこんなに仕事をしたいのだろう。
暇だ。じっとしている事がこんなに暇だなんて思わなかった。
浩早く戻ってこないかな。
「あっ・・・・・忘れてた、これがあったんだ」
ごそごそと枕の下から、隠していたファイルを出した。
これだけは見つからないようにとここに置いた事をすっかり忘れていた。
早くしなければならないのに、まだ目を通しただけでちゃんと読んでいない。後でもう一度読み直しておかなければならないと思っていた。
机からペンと真っ白な紙を取って、書類を見ながら、僕は考えていた。
日本支社に行く事になった幹部職員のほとんどは役職や部署が決まっているのだけど、数人だけ決まっていない。
本部と同じ部署・役職でもいいと皆は言ってくれるけれど、どうしたものか考えていた。
いっそうトレイスが考えてくれればいいと思ったけれど、僕が考えなければならないので、頼むわけにもいかない。
僕の体が治るまでにどうにかして決めなければならないのだけど、決まっていない者の本人たちも希望がないというので、困ったものだった。
「おら!またお前は・・・・・・」
見つからないようにしていたつもりだったけれど、見つかってしまい、取り上げられた。
なるべく急いでしなければならないのに、取り上げられてしまっては意味がない。
どうにか返してもらおうと言葉を考えていたら、どういうことか、暫く書類を見てから僕から取り上げた書類を返してくれた。
「俺にはお前の仕事なんてこれぽっちもわかんねーが、急いでしなければ何ねーもんだろ?シャーねーから返してやるが、俺の見ていない時にしろよ」
助かった。これを取り上げられたら、社員に申し訳がなかった。
早く決めてあげなければ、いつまでも役職がないままになってしまう。
体の状態を考えながら、浩の見ていないところで早く決めないと、また取り上げられてします。
でも、常に浩がここにいるのでどうしようかと思う。せめて一時間でもいいから見逃してくれないかなっと思いながら手に持っていた書類を一時机の上に置いた。
熱は下がったけれど、直ったわけでもないので、ベッドにいるけれど、ベッドから起き上がれるまでは回復した。
医者からまだまだ全快するまで時間が掛かると言われているけれど、無理をしない程度ならベッドの上で大人しく仕事をしても言いという許可をもらった。
「おら!無理すんじゃねーってあれほど言っただろうが」
書類を見ているだけだというのに、取り上げられた。
見ているだけなら仕事をしている事にもならないし、無理をしているというわけでもないのに、浩には無理をしているように見えるのだろう。
取り上げられたといっても、たいした書類ではないので、急ぐ必要もない。
一番急がなくてはならない仕事は浩が来る前に終わらせているので、心配ない。
「ねぇひろ、そこに置いてある書類をジュベールかトレイスに渡して日本に送ってもらうように言って」
机の上に置いてある大きな封筒を指差した。
伯父が日本に行かせている者たちへの重要書類。
僕が寝込んでいる間に大きな動きがあったらしく、トレイスは本社で日本支社のことで忙しくしているらしい。
トレイスの報告によると、支社は完成して、社員の面接も終わり、僕が行けばいつでも動かせられる状態になっているという。それに僕が知らない間にトレイスもジュベールも日本で働くための手続きが終わっているらしく、いつでも日本にいくことが出来るというが、伯父に驚かされた。
これが伯父の出した答えだというのが分かったけれど、こんなに早く答えをだし、既に日本に働くための手続きを終わらせているとは思ってもいなかった。
「ひろ、ずっといい忘れていたんだけど、ジュベールを学園の大学部に入れられないかな?」
日本に帰ったらすぐに言うつもりでいたけれど、今僕の目の前には浩がいる。
浩なら玲那さんの携帯番号を知っているとおもうので、電話をして頼んで貰えると思っている。もちろん僕も電話を変ってもって直接頼むつもりでいる。
「その事なら俺が玲那に言ってとっくにしているぜ!あの時お前が気を失ってから、急に様子がおかしくなってよ、俺・・・・・」
知りたかった事を教えてくれた。
今冷静になってあのときの事を考えると、僕たちはかなり恥ずかしい事をしたけれど、それはそれで僕はよかったと思う。
ずっと近くに感じる事が出来たし、親と子、兄弟としての繋がりが再び生まれたような気がした。
浩は僕に母に会ったときの事を話してくれた。僕が気を失った後浩がどうしたのかと言うこと全て話してくれた。
浩が僕の様子がおかしくなったことに気が付いたのは、僕が気を失って一時間ぐらい時間が経った時だったらしい。
僕が気を失ったのは快楽感から来るものだと浩は言うけれど、そんな事僕が知っているわけがない。
初めは気を失って、そのまま寝てしまったのだろうと思っていて、暫く僕の寝顔を見た後、寝ようとした時に、僕の様子がおかしいと気づいたと言う。
その時はいつもの事だろうと思って様子を見ていたらしいが、どんどん容態が悪化し、これはおかしいと思い、急いでこの事をトレイスに知らせるため部屋から出た浩は丁度仕事を終えて帰って来た母と運悪く出くわしたらしい。
お互い顔をあわせた時、浩は直ぐに母だということが分かったらしいが、母は直ぐに息子の浩だということが分からなく、僕の友達が泊まりで遊びに来ているのかと思ったらしいが、トレイスが自室に戻ろうとしている時に浩の姿を見つけて、母がその場にいる事を知らず名前を呼んでしまったことにより、母は目の前にいる人物が自分の息子である事に気が付いた。
最初は混乱している様子だったけれど、この事を説明するよりも僕のことが重大だったので、後回しになったという。
その事を知ったトレイスは急いで医者を呼び、過労が原因で肺炎を起しそうになっているが、入院はしなかったものの、絶対安静していれば、自宅療養で大丈夫だという診断を受け、安心した所で本題に移り、浩がどうしてここにいるという説明をしたという。
説明は僕がトレイス達に話した事を母にも同じ事を言ったと言う。
母はその事を聞いた時、嬉しくて泣いていたらしい。その後母は伯父と祖父母に浩を紹介して今に至るという。
ジュベールのこともその時に伯父が浩に言って、入れるようにしたらしい。
「そっか・・・・・そんなことがあったんだ・・・ありがとう、そしてごめんなさい」
「何で謝るんだよ・・・別に謝る事じゃねーだろ?」
自分の口から浩を皆に紹介したかったけれど、仕方がなかった。全て僕が悪いから、本当に仕方がない。
「じゃあ、これをジュベールに渡してくんから、大人しくしていろよ」
書類の入った封筒を持って部屋を出て行った。
大人しくしていろと言われたけれど、ベッドの上にずっといるのに大人しくしている以外に何をしていろというのだろう。
浩がここに来るまでの間も大人しくして、書類に目を通していただけなのに、取り上げられてこの場にはない。あるとすれば、まったく急がなくてもいい書類ばかり。
既に目を通して内容も頭の中に入っていて、後はサインするだけ。二・三分あれば終わる。
仕事をしなければならないのにさせて貰えない。させて貰っても、ほんの数分で終わるような簡単な仕事で、大きな仕事は伯父とトレイスがしている。
「つまんない・・・・・・」
早く日本に帰りたい。浩と一緒に日本に帰りたい。
帰って皆とおしゃべりしたい。仕事をしたい。こんなにしたいと思ったこと今までなかったのに、どうしてこんなに仕事をしたいのだろう。
暇だ。じっとしている事がこんなに暇だなんて思わなかった。
浩早く戻ってこないかな。
「あっ・・・・・忘れてた、これがあったんだ」
ごそごそと枕の下から、隠していたファイルを出した。
これだけは見つからないようにとここに置いた事をすっかり忘れていた。
早くしなければならないのに、まだ目を通しただけでちゃんと読んでいない。後でもう一度読み直しておかなければならないと思っていた。
机からペンと真っ白な紙を取って、書類を見ながら、僕は考えていた。
日本支社に行く事になった幹部職員のほとんどは役職や部署が決まっているのだけど、数人だけ決まっていない。
本部と同じ部署・役職でもいいと皆は言ってくれるけれど、どうしたものか考えていた。
いっそうトレイスが考えてくれればいいと思ったけれど、僕が考えなければならないので、頼むわけにもいかない。
僕の体が治るまでにどうにかして決めなければならないのだけど、決まっていない者の本人たちも希望がないというので、困ったものだった。
「おら!またお前は・・・・・・」
見つからないようにしていたつもりだったけれど、見つかってしまい、取り上げられた。
なるべく急いでしなければならないのに、取り上げられてしまっては意味がない。
どうにか返してもらおうと言葉を考えていたら、どういうことか、暫く書類を見てから僕から取り上げた書類を返してくれた。
「俺にはお前の仕事なんてこれぽっちもわかんねーが、急いでしなければ何ねーもんだろ?シャーねーから返してやるが、俺の見ていない時にしろよ」
助かった。これを取り上げられたら、社員に申し訳がなかった。
早く決めてあげなければ、いつまでも役職がないままになってしまう。
体の状態を考えながら、浩の見ていないところで早く決めないと、また取り上げられてします。
でも、常に浩がここにいるのでどうしようかと思う。せめて一時間でもいいから見逃してくれないかなっと思いながら手に持っていた書類を一時机の上に置いた。
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