伯爵令息は心トキメク恋がしたい!〜指南書は恋愛小説。R18ってなんですか?〜

ゆずは

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なんで怒るのかわからない

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 昼過ぎのお茶の時間にハリーが戻ってきた。
 実りの多い視察だったのか、表情が生き生きとしてる。

「学院ができてまだ三年…四年?と聞いてたけど、あれはいいね。リーデンベルグの学院は十二歳からだろ?」
「だね」
「ここの学院も学院生としては十二歳からだけど、三歳から通えるんだ」
「…三歳、って」
「三歳頃に魔力暴走を起こすことが多いらしいから、その子達に遊びの中で魔力操作を教えているらしい。全て王弟妃殿下の発案らしい」

 納得した。
 さすがハルの元になった方だ。
 ハルも子供にとても心を砕いてた。
 うんうんって頷いていたら、ハリーの手が僕の頬に触れた。

「エリアスはなにしてたの?」
「えと…、お昼前はお茶会に誘われて」

 緊張したけど楽しかったこととか、ミアと二人で昼食を摂ったこととか話した。
 そしたらハリーの眉間にしわが寄ってく。

「ハリー?」
「イレミアスとずっと二人だけだったんだ?」
「え、いや、王妃様も、王弟妃様もいらっしゃったけど…」
「それ以外はイレミアスと二人きりだったんだよね?」

 ハリーがどんどん僕との距離を詰めていく。

「じ、じょの、ひとも」
「使用人は数に入れないでしょ」

 ハリーの綺麗な目が僕を見続ける。
 僕の護衛騎士であるミアと二人でいて何が悪いの…とか、僕が誰と一緒にいてもハリーには関係ないでしょ、とか。言いたいことは色々あるけど、それを口に出せるような雰囲気じゃなかった。

「ハリー」

 頬を撫でてた指が唇を撫でた。
 その途端、ゾクリと僕の背中が粟立つ。

「可愛がってもらった?」
「…え?」
「イレミアスに、たくさん」

 唇を撫でてた指が僕のシャツの上を這って、二人にいじられて敏感になった先端をつまみ上げてきた。

「ひ…んんっ」
「こうやって、いつものように」
「あ、や、やっ」
「大好きな台詞を囁いてもらいながら、イレミアスの手に触られて、感じて、奥の一番感じるところまで差し出した?」
「あ、いた……っ、はりい、いたぃ、い…、ぁ、んんっ」

 ハリーの豹変の理由がわからない。ただわかるのは、ハリーが怒ってるってこと。
 なんで突然……って、僕の頭の中はぐちゃぐちゃになった。

「殿下、お弄れはおやめください」

 ちぎれそうなくらい痛くて涙が流れたとき、ハリーの手をミアが止めた。

「……イレミアス、前々から思っていたけど、私は一切譲る気はないんだよ」
「それは、自分もです」
「護衛は護衛らしく口出ししないでほしいな。それに私は王族だよ?子爵家の次男の君が、何故私の行動を止めるのかな」
「殿下がだれであっても、自分はエリアス様の護衛です。…エリアス様が泣かれているのに、静観できるわけもありません」
「エリアスは少し痛みがあるほうが感じるんだよ。痛いと涙しながら、もう勃たせている。エリアスは痛みで快楽を得る好き者で、淫乱なんだ」
「殿下っ」

 ハリーの言葉に僕の顔がものすごく熱くなった。
 確かに、僕の股間部分は膨らんでる。服越しの痛みしか与えられてないはずなのに、涙が出るくらい痛いのに、僕の体は何故か快感を拾ってる。

「や……やだ…っ」

 ハリーの手から逃げて、椅子の上で足を抱えた。
 たしかに僕は気持ちのいいことが好き。でもそれは、書物通りに抱かれるのが大好きなだけ。ハルと同じことをされて満たされてるだけ。ミアやハリーの声でクリフトの台詞を囁かれれば、あっという間に達してしまう。
 でも、こんな、書物と全く関係ないことで、しかも痛みを与えられて感じてしまうのは、違う。
 こんな、こんなの、僕が、ただ、本当に、変態で、淫乱な、体になってしまったようで……。

「ちが……ちがうもん……っ、ちがう……っ」

 僕は二人の前で小さな子供のように泣きじゃくってしまった。
 足を抱えて、膝に顔を埋めてた。
 近くで荒く椅子を動かす音と、明らかな舌打ちの音がする。
 はっと顔を上げたら、ハリーは内扉から隣の部屋に戻っていくところだった。
 その背中に僕は拒絶されたような気がして、余計に涙が出てくる。でも、追いかけることはできなかった。

「エリアス様…」

 ミアは傍にいてくれた。
 その場に膝をついて、僕を少しだけ見上げるような姿勢で、背中に手が触れてくる。
 ミアがいつもと同じ優しい腕で僕を抱き寄せる。
 でも僕は、そんなミアを抱き返すことができなかった。
 もう自分がどうして泣いてるのかもわからない。
 痛みも熱も、もう感じない。
 ハリーが帰ってきて楽しかったのに。
 なんでこんなことになってるんだろう。




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感想 5

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みんなの感想(5件)

aaaa
2023.10.07 aaaa

「魔法が使えると〜」シリーズを履修して来たので、あの時の事か!こうなったんだ!と楽しめました😊
ゆずはさんは面白い物語を創る天才ですね‼️‼️‼️‼️

2023.10.07 ゆずは

◯年後の想定でこちらを書いてます。
止めちゃっててすみません(^_^;)
ちゃんとしっかり完結まで書きますのでお待ち下さいね。
ありがとうございました^^

解除
がねさん
2022.09.30 がねさん

ありゃりゃぁ〜❗️
令嬢じゃなく侍女さんだとぉ〜(棒読み)

おかしいなぁ〜❓(棒読み)

違うのかなぁ〜❓(すっとぼけぇ〜)

番外編の薄い本が出回るのかなぁ〜❤️
(にやにやしちゃう❤️)


こっそり観察(覗き?)してる貴女が好きです頑張れ👍楽しみにしてますよぉ〜侍女さん〜〜‼️

2022.09.30 ゆずは

盗み見は彼女の得意技(笑)

解除
がねさん
2022.09.16 がねさん

(おば)可愛いエリアス…

R18の謎が解けないやっぱり「おばかわいい」エリアス…



可愛いから許す❤️(何故か上から目線です)
(お馬鹿でも)可愛いは正義です❤️


お馬可愛いエリアスこの先何されちゃうのか

嗚呼〜楽…心配だわぁ

2022.09.16 ゆずは

許されたよ…エリアス。よかったね!(笑)

お馬鹿な子は書いてて楽しいです。
読んでても楽しいです(*´∀`*)

解除

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