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第5章 王子サマからの溺愛は甘くて甘くて大変です。
23 ふわふわして心地いい
しおりを挟む段々、身体の奥が熱く、焦れったくなる。指じゃ届かないそこに、熱く滾るものが欲しくなる。
「くりす……ほしいっ、はやく……っ」
「何がほしい?指か?」
意地悪な笑みを浮かべて、クリスは俺の中に埋め込んでる指を増やしてきた。
「や……っ、あぁっ、ちが……、ぅ、ぁんっ、あん……っ」
身体は疲れてるのに、クリスのが欲しくて悲鳴を上げてる。
……心臓が、潰れそうなほど早いんだけど。
「くりすの、いれて……っ、あつくて、ふといので、おれのなか、ごりごりして………………――――ああぁぁんんんっ!!!」
「っ」
ほんと、いきなり。
いつの間に、前を寛げてたんだろう。
俺が欲しくて仕方なかった、クリスの熱い楔が、一気に最奥まで挿し込まれた。
いれられた瞬間、俺の腰は浮いて、張り詰めたそこから、だらだらと白濁の体液が流れ出た。
「アキ」
「ひぅぅ」
腰の下にあったクリスの足が抜かれて、両手で脚を抑えられた。
クリスは上体を倒してきて、俺にキスをする。
俺は夢中でクリスの舌を吸った。
汗で額に張り付いた前髪をかきあげられる。…そんな些細なことまで気持ちがいい。
「あぅんんっ、ん、んんっ」
何度も唾液を飲み込むのに、すぐにまた喉の奥に貯まる。
キスの間もクリスは腰の動きを止めなかった。ガツガツ奥を擦られて、快感ばかりが押し寄せてくる。
「だめ……っ、イく、イぁ……っ、あああ――――………!!!」
「っ、っ」
頭が真っ白になるくらいの、強い快感。
俺がイって白濁を撒き散らした瞬間、クリスも短い呼吸とともに、奥に熱い飛沫を放った。
「あ………」
何度も経験した、比喩じゃなく、全身を巡るクリスの力。
「あ………ぁ………」
俺の全身は弛緩しきってた。
クリスの力が体の中を巡るときに、ふわふわした、なんとも言えない心地よさに襲われる。
それにひたりきっていたら、やおら、クリスはまた腰を動かし始めた。
「え……、あ、あ…!!」
「もっとだ、アキ」
奥を擦られて、吐き出したばかりの亀頭もぐりぐり擦られる。時々、わずかに開いた穴を、親指の腹で擦られて。
下腹部が、熱くてぐるぐるして。
「ぁ……やら、ゃらぁ……っ、くりす……、ゃ、くる、なん……か、くる……っ!!」
クリスが、笑った気がした。
奥の奥。
俺が最奥だと思ってた場所は最奥ではなくて。
クリスが何度か腰を揺らめかせ、あ、そういえば前にもっと奥に入った気がする……なんて思い出した頃、亀頭をこする手の動きが強くなって、体の中、奥の、その更に奥に、クリスのが入り込んだ。
「――――………っ!!!!!」
声にならない。
強烈な快感に、俺の陰茎はプシュ、プシュって何かを出した。さらさらしてるそれは、俺とクリスの手を濡らしていく。
精液じゃない。
もしかして漏らしたのかともおもったけど、独特な匂いもしない。
「あ……なにこれ……なに、これ………っ」
クリスが腰を強く打ち付けるたびに、それは勢いよく出る。そのたびに感じるのは、息が苦しくなるくらいの快感。
「あ、ぁ………」
精液出てないのに、俺、イってる。
体中ビクビクしっぱなしで、制御不能な、感じで。
「っ、ふ、ぅ……」
凄く奥で、熱い飛沫を感じた。
何度か軽く腰を打ち付けられて、そのたびにイって。
ようやくクリスの動きが止まって、俺に覆いかぶさってきたんだけど、……クリス、制服、着たままだ。
「くりす………ふく、やら……」
素肌でふれあいたい。
体温を直接感じたい。
クリスが笑った気配がした。
ずるりと、俺の中からクリスのが出ていく。
「んぅ……」
それだけでも感じてしまう俺の身体。
後孔からこぷりと溢れてくるものを感じたけど、構う気力はない。
その内、クリスが俺を抱きしめてくれた。……望んだとおり、素肌が触れるから、嬉しくて、心地よくて、しっとりした背中に両腕を回す。
体のだるいのとか、腰の痛いのとか、楽になってきて。
遠征中に何してんの、って感はあるんだけど。城にいる時より、なんだか激しかった。
けど、流石にこれで終わりだよね…って、ちょっと油断はしてた。素肌があまりにも気持ちよくて。抱きついてるだけでかなり幸せで。
「アキ」
呼ばれて、背中を支えられて軽く抱き起こされて、もっとぎゅってしてくれるのかと思ったら、クリスはそのまま後ろに倒れ込んだ。
「え」
クリスが意地悪そうな顔をして仰向けになった。
俺は、抱きしめられていたから、クリスの上に跨るように座らされてて。
「クリスっ」
「お仕置きだろ?」
口角を上げて笑うクリスの顔が、何故か妙に色っぽく見える。
「……おしおき、やだ」
「でも、アキはすぐに誰にでも『好き』と言うだろ?」
「………も、言わない……」
「約束?」
「……やくそく、する」
「じゃあ、お仕置きは終わり。その代わり、傷ついた俺を慰めて?」
どっちに転んでも変わらなかった気がする。
クリスは俺の後孔に指を入れてきた。
「ふ、ぅ……っ」
俺のそこはまだ敏感で、クリスの指でこすられるたびに締め付けてしまう。
……しかも、指を伝って中に出されたものが流れ出るのもわかってしまって……、恥ずかしくてどうにかなりそう。
「アキ、自分でできる?」
何を問われてるのか、考えなくてもわかってしまって、ゴクリとつばを飲み込んだ。
初めてなわけじゃないけど、ここ最近はしてなくて。
「ん……ぅん……でき……る」
クリスに望まれてることはやりたい。
傷ついたから慰めてー…なんて、詭弁だってことはわかってるけど、クリスが、望むなら。
クリスはテーブルの上に置いた小瓶を手に取ると、中の液体を固く張り詰めたままのクリス自身にかけた。
ぬらぬらしてて、また、喉が鳴る。
クリスの指が抜けていった。
恐る恐る自分のそこに指を這わすと、妙に柔らかくて熱くなっていた。
少し震える膝に力を入れて膝たちになって、つぷりと自分の中に少し指を含ませる。
「んんぅ」
自分の痴態が、クリスの目に全部映ってると思うだけで興奮してしまう。
右手ですぼまりを開いたら、また、中からクリスの放ったものが流れ出る。
それを感じながら、クリスが上向きに固定してくれた男根に、ゆっくりと腰を下ろした。
左手にうまく力が入らなくてバランスが崩れそうになると、クリスの片手が支えてくれる。
「あ、あ、あ」
くぷりと音を立てて、亀頭部を飲み込んだ。くびれのところまで飲み込んだら、あとは、支えていなくても腰を下ろしていくだけで飲み込める。
あともう少し…ってところで、クリスが体を起こして俺を抱きしめる。姿勢が変わったことで、中の角度も変わって、俺の喉は引きつった音を出した。
「あ……ん、んんぅ」
吐息と声は、キスで塞がれた。
それから、薄手の肌掛けを背中からすっぽりとかけられる。
「ん………な、に……?」
「汗で体が冷えるから」
「ん……ぅん…」
クリスはその姿勢のまま、俺をギュッと抱きしめたまま、腰を突き上げてきた。
「あ……っ!!ひぃっ、あっ、あっっ!!」
所謂ところの騎乗位だったはずなのに。……対面座位?っていうんだっけ??
も、いい。
ゆさゆさ揺れて、気持ちよくて、あたたかくて、ふわふわして。
クリスの飛沫を体内で感じて、何度めかの絶頂を味わって、俺はそのまま意識を落とすように眠った。
流石に、限界だったよ…。
翌朝。
結構無理した気がするのに身体はすっきりしていて、なんなら、昨日の朝よりも調子は良かった。
洗面して、キスして、着替えて、キスして、抱き上げられて、キスして、ようやっと天幕を出たとき、丁度、もう一つの天幕から出てくるエアハルトさんに会った。
「あ、おはようございます」
「ア……アキラ様……っ!!!お、おはようござ……っっっ」
なんか妙な狼狽え方をしたと思ったら、いきなり顔を押さえて下を向いた。
「なに??」
「いつもどおりだろ」
「あ、うん。確かに」
いつも通り、か。
最初にギルマスから紹介された日を含めて、今日でまだ三日目なんだけどね。
ま、いつも通り、だな。うん。
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