【完結】魔法が使えると王子サマに溺愛されるそうです〜婚約編〜

ゆずは

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第7章 魔法が使える世界で王子サマに溺愛されてます。

25 クリスを襲うと俺は正気をなくすらしい

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 朝から二人でどろどろになって(それでもクリスは抱いてくれなかったけど)、風呂に入ってさっぱりしたあと、メリダさんが絶妙なタイミングで朝食を運んできてくれた。
 俺はいつも通りクリスの膝の上。
 いたたまれないのは、今の俺が空腹しか感じてない、ってとこか。
 
 昨日の衣装合わせでかなり疲れてたし、今朝はクリスのこと襲ったら返り討ちにあったし。
 だるさとか、筋肉痛とか、そういうのがあっても然るべきな状況なんだけど、俺、元気なんだよねぇ…。
 魔力が充実してると感じるのは、多分、クリスのおかげ。
 だるさがないのも、多分、クリスのおかげ。
 女神様が言っていた『相性がいい』っていうのを実感してしまうくらい。
 癒やしで良くなるのは怪我だ、って。病気とかには効かない、って。
 あの疲労感とかは別に怪我じゃなかったから、本来なら癒やしは効かないものだけど、俺にはクリスの力が馴染みやすいから、疲労とだるさに効いたらしい…。

 ……前にも思ったけど、俺、クリスに抱かれたら、疲れたとか体力もたないとかで意識飛ばすことなくなるやつだよね。
 ひたすら快感ばっかり受け取って、頭の中おかしくなる気がするんだけど。
 ちょっと怖い…気がする。
 クリスは嫌にならないのかな…?
 クリスがいいなら、いいのかな。

「アキ、考えるのはあと」
「あ」

 口にちぎったパンを放り込まれた。
 クリスは俺を見ながら笑ってるから、俺が何を考えてるのかわかってる気がする。
 …それにしたって、今朝の俺はどうかしてた…。
 お腹すいたからクリスを襲うとか意味わからん。
 別に魔力が少なくなってて、クリスから補充したかった、っていうわけではなかった。
 純粋に、お腹が空いてたから。
 …クリスを見てたら食べたくなった…、だけ。
 俺の中で『食欲=性欲』になってたらそれはかなりまずいのではなかろうか。お腹が空くたびにクリスを襲う気がするのだけど。
 いや、でも、前も寝起きでクリスを襲うことあったな……?
 襲われてることはもちろんよくあった(それもどうかと思いはする)けど、俺も結構やらかした…気がする。うん。お互い様なのか。

 きっと、クリスが悪い。
 クリスが魅力的すぎるんだよ。
 この綺麗な瞳が悪いんだよ。
 この人の全部が俺のだと思ったら、我慢する意味がわからなくなる。

 欲しい。
 甘えたい。
 触りたい。
 舐めたい。
 食べたい。

 ……あれ。
 本当におかしいな。
 お腹減ってるのに、熱い。
 奥の奥が、ぎゅってなる。
 何食べたっけ?
 ……そだ。パン、食べた。朝ごはん。果物とか、卵の料理とか。
 でも、違う。
 それも美味しいけど、俺がほしいのそれじゃない。
 とろりとして、甘くて、熱いのがほしい。

「……は」

 キス、好き。
 大好き。

 重ねて、舌が絡むと、あまくてとろりとしたものが流れてくる。
 んく…って飲み込んで、はふ…って唇を離す。

 すぐ近くに俺の好きな瞳がある。
 キラキラして、澄んだ碧色。
 なのに、髪には青い差し色。
 俺の大好きな人を表す色は難しい。
 碧色が多いけど。
 髪の青も好き。
 銀色もきれい。
 首、太くて。
 抱きつくと安心する。
 自分と全然違う。
 喉仏も色っぽいんだ。
 声、低い。
 いい声。
 力強い腕。
 すぐ俺のこと抱き上げてくれる。
 剣を扱う人のちょっと節だった指。
 きれいな指先とは違うけど、俺はこの指が好き。
 掴む力が強いのに、触れてくるときはこれでもかってくらい優しくて。

 全部好き。
 嫌いなところ…ないくらい。
 もっと近くにいたくて腰をずらせば、硬くなったところが触れた。
 ……ああ、どうしよう。ほんと、どうしよう。
 欲しい。
 欲しくてたまらない。

 服の上から触ったら、また硬くなる。
 舐めたら熱かった。
 自分も気持ちよくなった。
 お尻がひくひくする。
 身体は知らなくても、俺は知ってる。
 指だけでも気持ちがいいけど、これを挿れられたら、もっと気持ちが良くなるってこと、知ってる。
 その時のクリスの蕩けるような笑みも知ってる。

「……ちょうだい」

 クリスの首にしがみついて、太ももでクリスの足を挟み込んで腰を浮かせる。
 胸と胸をくっつけて、隙間がないようにお腹もくっつけて。
 滾ったそこに、少し腰を下ろした。
 服越しに、クリスのそれと、俺の後孔が触れる。
 たったそれだけで身体がぞわぞわした。
 挿れたい。
 服……邪魔。

「アキ」
「ん…クリス…」

 ぎゅって背中を抱きしめられて、クリスが俺にキスをしてくれた。
 食べられるみたいに激しく。
 でも、沈みかけてた身体を引き上げられて、腰が浮いてしまう。

「くりすっ」
「まだ足りなかったか?」

 余裕そうに笑うクリスに、少しむっとする。

「……全然足りない」

 しがみついて、唇を貪る。
 舌を入れてかき混ぜても、まだ足りない。

「ん……っ、たりない、よ……っ、なんで、くりす、おれのこと、だかないの…っ」
「アキ」
「痩せて細くなったし、柔らかくないから?クリスのカタチ、覚えてないから?俺の…硬くて、入らないから…?」

 今度は涙が出てくる。
 わかんない。
 俺どうしたの。

「まあ、痩せて細くなったお前は、力を入れるとすぐに折れそうではあるな」

 クリスは俺を足の上に座らせて、よしよし…って、子供をなだめるみたいに頭を撫でる。
 頭を胸元にあてたら、少し早い鼓動が聞こえてきた。

「俺の形を覚え込ませるのは楽しいからいいんだ。…お前の蕾はもう十分柔らかいよ」
「じゃあ」
「俺の我儘だけどな」
「……うん」
「折角無垢な身体になったんだ。抱くのは婚姻式まで待とうと思っていた。それまで、じっくり解して何も知らない身体に快楽を植え付けようと思った」
「………」

 じ…っとクリスを見てみたけど、嘘を言ってる顔じゃない。

「……前の身体のときはすぐ抱いた」
「あれは自分の欲に負けたんだよ。抱いてでも繋ぎ止めたかった。お前が他人に目移りしないように、俺だけを見るように。…兄上を見るお前の目にも苛ついたくらいだ」

 お兄さんを見る俺の目……って、なんのことだ。

「匂いをつけたかった。痕を残したかった。焦っていたんだよ。そうして繋ぎ止めないと、お前はどこかに行ってしまいそうで」
「……行かないし。クリスだけ欲しいし……」
「ああ。今はそう確信している。…だから、お前が俺の伴侶として女神からも人々からも認められたその夜に、改めてお前を俺のものにすると決めたんだ。そのための準備もしている。だから……、待っててくれないか」

 ……へにょりと、さがった眉。
 抱きたくないわけじゃなくて、ただ、我慢してるだけの。
 それはなんだ。
 つまりあれか。
 …『初夜』をただ迎えるだけじゃなくて、なんか、色々と、考えてくれてる、ってことか。
 ……え。
 一緒の部屋で、一緒に風呂に入って、一緒に寝てるのに?
 準備まで、してるの?
 俺、クリスに何をされちゃうの?

 限界だった。
 ぷしゅりと火を吹きそうな顔をクリスの胸元に埋めて、ひたすら抱きついた。

 ……俺、色々ゲームはするけど、エロゲは守備範囲外なんだよ……。
 なに。
 なんなの。
 初夜に特別なにか準備するって、えちぃことしか思い浮かばないんだけど、でも、それは俺のキャパオーバーで。
 え。
 どうしよう。
 ぐるぐるする。

「アキ」
「な、に!?」
「…正気に戻ったか」

 くすくす笑うクリス。
 正気に、戻った、か?
 ……この既視感は一体何だ。前にも同じようなことがあった……なぁ……?

「………」

 なんでクリスと向かい合ってるんだ、俺。
 クリスの足の上で横向きでご飯食べさせられてたのに。
 …それに、なんで、俺のもクリスのも、軽く硬くなってる…の?

「え」

 そ、だ。
 クリス見てたら、なんか、どんどん、身体が、熱くなって―――――

「………っ」

 頭の中を走馬灯のように駆け巡った記憶。
 寝起きも襲ったのに。
 朝ごはん食べながら欲情して襲うって、俺なんなの……っ。

「ううう……」
「俺を誘惑してくるアキは可愛いだけだ」
「あんなの俺じゃないもん……」
「いつでも誘惑してくれていいが?」
「俺の精神が持ちませんっ」

 ……って返してから、は…!と周りを見回した。
 そしたら、誰もいない。
 いるはずのメリダさんがいない。

「お前の様子がおかしかったから。メリダには下がってもらったよ」
「………言葉もありません………。本当にご迷惑をおかけしました………」

 そんな反省の言葉はクリスの笑みの中に消えた。
 ……俺、クリスを襲うのやめよう。
 理性総動員して頑張ろう……。
 そうしよう……。


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