幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人と冒険者になりました!

18 冒険者は美味しいものを求めるのかな?

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 毛皮が依頼対象なので、できるだけ首を一撃で落す。落としたあとは足を縛って逆さに木に吊るして血抜きをする。血抜きが終わったら皮をはぐ。はいだ皮は下洗いはしておく。肉の方は内蔵を抜いて塩を揉み込んで綺麗に洗えば、処理は終わり。
 頭部からは角を取って、これはこれで別の袋に入れておく。討伐数の確認にもなるし、店主さんが素材として買い取ってくれるんだって。

 一連の流れを僕はずっと感心しながら見てた。
 料理はいつもエルがしてるけど、皮を剥いだり肉をさばいたり、ディーも器用。
 エルの魔法で黒焦げになった三匹は、今日の夕飯の材料にしちゃうんだって。

「水魔法は得意じゃないんだよ」

 って言いながら、鍋の中にはどんどん水が溜まっていくし、エルの魔法があるから川まで水を汲みに行ったり、洗いに行ったりしなくていいんだって。エル、すごい!

「とりあえず何匹分になった?」
「毛皮は納品できるのは十八匹分だな」
「まあそんなもんか。順調だね」
「そうだな」

 って二人の会話に、僕はちょっと不思議に思った。
 黒焦げなのは無理だとわかるけど、毛皮はまだあると思ったんだ。

「こっちの毛皮は数に入れないの?」

 毛皮の数を数えてたディーの近くに行くと、ディーがひょいと僕を抱き上げて膝の上に座らせてくれた。

「状態が悪いんだ」
「そうなの?」

 全然そうは見えない。白い艶々の毛だし、乾いてきたらふわふわなのに。

「切りどころが悪くて完全とは言えないんだ。買い取り価格的に落ちるからな」
「へぇ…」
「特に服職人からの依頼だから、毛皮の面積は広いほうが使いがってもいいしね。納品しない分は店主が買い取ってくれるけど、折角だからまたフィーの服でも作ろうかな」
「僕の…」
「肉は干し肉に加工しておけば冬の間の備蓄にもなる」
「ラビットの肉は美味しいからね」
「煮込みが特に美味いから冬の間のいい稼ぎにもなるし」
「いいこと尽くめだけど、家畜化できないからね。戦うことができない人にとってはかなりの脅威だし」

 淡々と話す二人。
 僕は相槌しかできない。

「……冒険者になると魔物のことに詳しくなるの?」
「まあ、スノーラビットは依頼も多かったからよく狩ってたしな」
「魔物の種類もそう多くはないしね」
「解体も自然とできるようになるの?」
「それも慣れだな」
「慣れだねぇ。魔物のどの部位が素材として買い取ってもらえるかわからないから、最初は手当り次第って感じだったし」
「滅茶苦茶苦労して剥ぎ取った毛皮になんの価値もなかったりな」
「なんでも食べれると思って食べた魔物肉が硬いし味ないし、なんなら毒があって食用じゃなかったり」
「ああ。そんなこともあったな。腹を下して大変だった」
「フィーにはそんな大変な思いさせないからね」
「しっかり旨いもん食わせてやるからな」
「う、うん?」

 詳しくなるってことは、美味しいものがわかるってことなのかな…?



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