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幼馴染み二人と西の森の事件に巻き込まれる
13 念話魔導具、僕もう使わない!
しおりを挟む「あ、そうだ。フィー、ちょっと使ってみる?」
「え、いいの?」
「うん。今だけね」
トレイの上に香りのいい紅茶と、一口サイズのお菓子をのせて持ってきたエルが、テーブルの上に並び終えてから僕にそう提案をしてくれた。
僕だけ仲間外れ……って拗ねたから?
「でも」
「ただし、フィーは私からのものを受け取るだけ。魔力を流したりとかしなくていいから、受け取るだけ。いい?」
「うん、いい!」
受け取るだけならきっとできる。
エルはなんだか楽しそうにディーの耳から魔導具を外した。それでも起きないディーは、やっぱり相当疲れているみたい。
「フィー、左耳」
「うん」
エルに左耳を向けた。
そしたら長い指が僕の耳に触れて、カチリと耳にはめてきた。
それは冷たいかと思ったけど、ディーの体温で温まっていて、なんかほっとできる。
「フィーは何もしないで」
「うん」
どきどきした。
どんな感じだろう。
「せっかくだから、少し離れてみようかな」
エルは僕から数歩分離れた。
それから、指を魔導具にあてて、口角があがって――――
「フィー、愛してるよ」
「ひあ!?」
数歩先からのエルの声と、耳元で囁かれたエルの声。
ぞく、ぞく、って体が震える。
「聞こえる?」
「き、こ、える」
耳、くすぐったい。
それより、エルの声が、近くて、遠くて、ぞわぞわ、とまらない。
「フィー、どうしたの?顔赤いよ?」
「んんぅ」
「気持ちよさそうな顔してる。どうしたの?」
「んぅ、んっ」
「もしかして、寝てると思ってたディーがフィーに悪戯してるの?」
「ひゃん……っ、みみ、や、ぁぁ」
「やだって言っても、これこういう魔導具だから。使ってみたかったんだよね?」
「や、や、あ」
ベッドの上とかで、ディーとエルに耳を舐められながら声を紡がれるときと似てる。
気持ちよくて、気持ちよくて、体がぞくぞくして止まらなくて。
「フィー、体舐めてあげる」
「ん、んっ」
「耳、いじられるのも好きだもんね?」
「んぅ、す、き、すきっ」
「ああ、ほら。ディーがフィーに悪戯してるよ」
「ひぁ…!!」
寝てると思ってたディーが、僕の腰を揉んでて、いつの間にか顔が下をむいていた。
「あ、あ、だめ、だめ」
ぞくぞくが止まらない。
ディーは、はむ、はむ、って、僕のおちんちんを服の上から噛んでくるし。
「フィー、上の服ぬいで」
「んぁ…」
近くまで来たエルが、やっぱり魔導具越しに声を出してくるし。
……紅茶も、お菓子も、まだ、食べてないのに。
僕はエルの言葉に逆らえなくて、自分から服のボタンに手をかけた。
……念話魔導具、これ、とっても大変……。
僕は、もう、使わなくていい……かな……。
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