15 / 19
15
しおりを挟む
「ちっ、期待させてんじゃねーよ」
バイデルが転がりながら悔しがる。
「エドワード王子」
そんなバイデルをガイアスさんは無視して、エディに話しかける。
「なんでしょうか、師匠」
エディもバイデルを無視してガイアスに返事をする。
「もう師匠じゃない。ただの騎・・・剣士です。民衆の前に立つ際は私が一緒に立ちましょう。そうすれば、軍へのけん制になるでしょう」
「頼めるか」
「はいっ、このガイアス。王国騎士として最後の職務を全うしましょう」
そう言って、ガイアスさんは跪くが、すぐにエディがガイアスさんの肩を叩き、手を貸してガイアスさんを立ち上がらせて、今後の話を進め始めた。
(うん、良かった)
覚悟を持ってエディの話に乗ったつもりだけれど、民衆に人気があるガイアスさんということで気を抜いていてしまった。でも、ガイアスさんはガイアスさんで良かった。
「それより、おめでとうございます」
ガイアスがにこやかに急にエディに握手を求める。それをエディは不思議がる。すると、ガイアスは当たりを見渡して、私と目が合った。
「彼女と未来を創っていくんですよね? うん、芯がしっかりしたいいお嬢さんに見えますね。先ほどは驚かせてしまい本当に申し訳ございませんでした。あぁ、名乗っていなかったですね、私の名前はガイアスです」
私に近づいて来たガイアスさんは近くで見ると思った以上に大きかった。そのガイアスさんが大きな手を差し出してきたので、私は流されるまま私はその手を両手で握ると、とても逞しく荒れていた。きっと、剣を振っては豆を潰し、豆が潰れた状態でさらに潰して手の皮が固くなっていったのだろう。
「えっ? えっ? えっ?」
私は困惑して、エディを見ると、エディは目を背け頬が少し赤くなっていた。私はそこでイモムシのようになっている男のせいで、当分恋はいらないと思っていたのに、心臓が高鳴り、顔が暑くなるのを感じた。転がっていたバイデルは私とエディを交互に見て、
「なっ、そっその女は俺の婚約者だ。エドワード王子、その女をやるから罪を見逃してくれ」
呆れてしまった。
私との婚約を破棄して、妹のクリスティーヌと婚約をするつもりだったくせに、都合のいいことを言っている。バイデルの身辺捜査のために3日間婚約破棄を待ってくれ、と伝えたけれど、今この場で・・・
「バイデ・・・」
私が婚約破棄の了承を言おうとすると、私より先にエディが動いた。
「キミに彼女の人生を選択する権利は全くない」
「くっ、王子ともあろう方が、人妻を取るのかぁ!? あああっ、そうやって善良な国民の財産を奪っていく。俺たちの努力は王家に奪われるんだぁ」
今まであくどいやり方で様々な人の大切なものを奪ってきたくせに、なんて醜い言葉を使うのだろう。
「私は、あなたの妻になどなっていません。婚約は破棄させてもらいます」
バイデルが転がりながら悔しがる。
「エドワード王子」
そんなバイデルをガイアスさんは無視して、エディに話しかける。
「なんでしょうか、師匠」
エディもバイデルを無視してガイアスに返事をする。
「もう師匠じゃない。ただの騎・・・剣士です。民衆の前に立つ際は私が一緒に立ちましょう。そうすれば、軍へのけん制になるでしょう」
「頼めるか」
「はいっ、このガイアス。王国騎士として最後の職務を全うしましょう」
そう言って、ガイアスさんは跪くが、すぐにエディがガイアスさんの肩を叩き、手を貸してガイアスさんを立ち上がらせて、今後の話を進め始めた。
(うん、良かった)
覚悟を持ってエディの話に乗ったつもりだけれど、民衆に人気があるガイアスさんということで気を抜いていてしまった。でも、ガイアスさんはガイアスさんで良かった。
「それより、おめでとうございます」
ガイアスがにこやかに急にエディに握手を求める。それをエディは不思議がる。すると、ガイアスは当たりを見渡して、私と目が合った。
「彼女と未来を創っていくんですよね? うん、芯がしっかりしたいいお嬢さんに見えますね。先ほどは驚かせてしまい本当に申し訳ございませんでした。あぁ、名乗っていなかったですね、私の名前はガイアスです」
私に近づいて来たガイアスさんは近くで見ると思った以上に大きかった。そのガイアスさんが大きな手を差し出してきたので、私は流されるまま私はその手を両手で握ると、とても逞しく荒れていた。きっと、剣を振っては豆を潰し、豆が潰れた状態でさらに潰して手の皮が固くなっていったのだろう。
「えっ? えっ? えっ?」
私は困惑して、エディを見ると、エディは目を背け頬が少し赤くなっていた。私はそこでイモムシのようになっている男のせいで、当分恋はいらないと思っていたのに、心臓が高鳴り、顔が暑くなるのを感じた。転がっていたバイデルは私とエディを交互に見て、
「なっ、そっその女は俺の婚約者だ。エドワード王子、その女をやるから罪を見逃してくれ」
呆れてしまった。
私との婚約を破棄して、妹のクリスティーヌと婚約をするつもりだったくせに、都合のいいことを言っている。バイデルの身辺捜査のために3日間婚約破棄を待ってくれ、と伝えたけれど、今この場で・・・
「バイデ・・・」
私が婚約破棄の了承を言おうとすると、私より先にエディが動いた。
「キミに彼女の人生を選択する権利は全くない」
「くっ、王子ともあろう方が、人妻を取るのかぁ!? あああっ、そうやって善良な国民の財産を奪っていく。俺たちの努力は王家に奪われるんだぁ」
今まであくどいやり方で様々な人の大切なものを奪ってきたくせに、なんて醜い言葉を使うのだろう。
「私は、あなたの妻になどなっていません。婚約は破棄させてもらいます」
1
あなたにおすすめの小説
溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。
両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。
ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。
そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。
だが、レフーナはそれに激昂した。
彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。
その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。
姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。
しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。
戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。
こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。
【完結】妹のせいで貧乏くじを引いてますが、幸せになります
禅
恋愛
妹が関わるとロクなことがないアリーシャ。そのため、学校生活も後ろ指をさされる生活。
せめて普通に許嫁と結婚を……と思っていたら、父の失態で祖父より年上の男爵と結婚させられることに。そして、許嫁はふわカワな妹を選ぶ始末。
普通に幸せになりたかっただけなのに、どうしてこんなことに……
唯一の味方は学友のシーナのみ。
アリーシャは幸せをつかめるのか。
※小説家になろうにも投稿中
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
妹のように思っているからといって、それは彼女のことを優先する理由にはなりませんよね?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルリアは、婚約者の行動に辟易としていた。
彼は実の妹がいるにも関わらず、他家のある令嬢を心の妹として、その人物のことばかりを優先していたのだ。
その異常な行動に、アルリアは彼との婚約を破棄することを決めた。
いつでも心の妹を優先する彼と婚約しても、家の利益にならないと考えたのだ。
それを伝えると、婚約者は怒り始めた。あくまでも妹のように思っているだけで、男女の関係ではないというのだ。
「妹のように思っているからといって、それは彼女のことを優先する理由にはなりませんよね?」
アルリアはそう言って、婚約者と別れた。
そしてその後、婚約者はその歪な関係の報いを受けることになった。彼と心の妹との間には、様々な思惑が隠れていたのだ。
※登場人物の名前を途中から間違えていました。メレティアではなく、レメティアが正しい名前です。混乱させてしまい、誠に申し訳ありません。(2024/08/10)
※登場人物の名前を途中から間違えていました。モルダン子爵ではなく、ボルダン子爵が正しい名前です。混乱させてしまい、誠に申し訳ありません。(2024/08/14)
【完結】私の妹を皆溺愛するけど、え? そんなに可愛いかしら?
かのん
恋愛
わぁい!ホットランキング50位だぁ(●´∀`●)ありがとうごさいます!
私の妹は皆に溺愛される。そして私の物を全て奪っていく小悪魔だ。けれど私はいつもそんな妹を見つめながら思うのだ。
妹。そんなに可愛い?えぇ?本当に?
ゆるふわ設定です。それでもいいよ♪という優しい方は頭空っぽにしてお読みください。
全13話完結で、3月18日より毎日更新していきます。少しでも楽しんでもらえたら幸いです。
妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです
hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。
妹が公爵夫人になりたいようなので、譲ることにします。
夢草 蝶
恋愛
シスターナが帰宅すると、婚約者と妹のキスシーンに遭遇した。
どうやら、妹はシスターナが公爵夫人になることが気に入らないらしい。
すると、シスターナは快く妹に婚約者の座を譲ると言って──
本編とおまけの二話構成の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる