呪いのネックレスの効力は絶大でしたけれど、結婚前夜に妬んだ妹が奪ってくれたので婚約破棄します。

西東友一

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「それは・・・養子になりたいってことかな?」

 シャルル王子は少し困った顔で、ジャーネットに尋ねる。

「ふふっ、違うわ。私を王子妃にして欲しいってこと」

 余裕の笑みをしていたジャーネットはシャルル王子の顔を下から覗き込み、ふふっと笑って彼の頬を擦る。

「全てを持っていらっしゃいますよね。そんな男性には・・・私のような者がぴったりかと思いますよ?」

 王家であれば人に対して不遜にすべきであり、王家に嫁いだ後のことを考えている、なら情状酌量の余地もあるかもしれないが、今はただの貴族の娘。

「いや~、まぁ、あはは・・・」

 シャルル王子は困って私の顔をチラチラ見てきた。

(それはどっちの意味・・・・・・いやいや、私もバカね。やっぱり姉妹だわ)

 止めて欲しいという意味だろう。
 でも、一応不粋かつ失礼でありながらも妹の求婚みたいな物。身内贔屓で失礼かつ教養のない姉妹、躾ができていない家だと思われてしまうかもしれないが、乙女のアプローチに口を挟むのは、不粋に感じ、シャルル王子ご自身で解決頂きたいと思い、私は表情を変えず二人を見守った。

 私が何も言わないし、何もしないことを理解したシャルル王子は困った顔をしながら、

「結婚についてはボクだけで決められないんだ」

 とハッキリ言った。

「では、調整してください。ただ、私も花も恥じらう女性でいられるのも長くはありません。いつ頃になりそうですか?」

 その質問にシャルル王子は目を見開き、真面目な顔で、

「すまない。こういうことには慣れていなくて」

 と謝った。

「いいえ、結構ですよ。結婚に慣れていらっしゃっても嫌ですし」

「いや、そうじゃない」

「はい?」

「やはり、ダメだな。親などを言い訳にしては・・・・・・。ハッキリ言おう。それは無理だ」

「はい?」

 ジャーネットの返事はさっきとは正反対で怒りが含まれており、口調が強く有無を言わせたくない感じだった。
 けれど、シャルル王子は動じず、

「ボクの意志がそれを拒むんだ」

 ジャーネットの目が大きくなり、怒りで沸騰したかのようにプルプル震えながら膨れ上がっていき、物凄く熱そうな鼻息を出した。

「キミは素敵な女性かもしれない。でも、ボクはキミと結婚できない」

「な・ぜっ?」

 ありえないというか顔をしているジャーネットは口が開いたドラゴンかオーガのような怖い顔をしていた。

「気になっている女性がいるんだ。ボクは彼女を振り向かせることに人生を掛けたい」

 ちょっとビックリした。
 そして、ちょっと見直した。

 優しいけど、目で私に助けを求めてくるような頼りなくて流されやすそうなお坊ちゃん王子だと思ったけれど、大事なところは強い意志がある男性だと、ちょっとだけ見直した。
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