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17 Who am I?
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私は誰だろう?
「うっ」
私はお腹を締め付けられる。
「もう少しいきますよっ、と」
「んーーーーー」
笑顔が素敵なメイドさんがこれでもかってくらいお腹のコルセットを締め付けていく。
私は必死にそれに耐えた。
「お待たせ・・・ユリウス」
ドレスとメイクを済ませた私は案内されたところに向かうと、後ろ姿のユリウスを見つけたので声を掛ける。
「やぁ・・・」
振り返ったユリウスはいつもと同じような余裕を持った笑みで私を迎えようとしたみたいだけれど、私を見て固まってしまう。
「どう・・・かしら?」
私は王国に着くなり、大浴場に連れていかれて、メイドさん達に身体や髪を洗われた。初めて入る大浴場に身体を伸ばして、満喫したかったけれどそんな暇はなかった。その後もメイドさんたちのなすがままに水色のドレスを身にまとった。いつも、白と黒と茶色、ときどき紺色の服しか着ない私にとって、こんな明るい服を着るのは初めてでドキドキしてしまう。なのに、ユリウスは私を見て何も言ってくれない、う~~~。
「すごい・・・きれいだ・・・」
キュンッ
私は嬉しくなって、ちょこちょこちょこっと、ユリウスの隣まで転ばないように駆け寄った。
「ありがとっ」
聞こえなくてもいいかと思いつつ、お礼を言う。
ユリウスも少し照れて困っているようだ。
私も照れているけれど、ユリウスも同じだと思うと少し安心した。
「この扉の向こうに国王がいる」
ユリウスがそう言った。あくまでも、父と呼ばないようだ。
メイドさんはノリノリで私のお世話をしてくれていたけれど、この国には砂をかけて出ていった身。
私は不安でいっぱいだ。
「僕の手を握っていてくれるかい?それが僕から君へのお願いだ」
私以上に不安が大きいのだろう。
ユリウスの守ってあげたくなるような不安そうな顔。
いつもの凛々しい顔も好きだけれど、私はこのかわいいユリウスの顔も好きだ。
「ええ、もちろん私が付いているわ」
私はユリウスの手と恋人つなぎをして少し上にあげる。ユリウスの手はひどく冷たくなっていた。
「ふぅーーーっ。じゃあ、国王に謁見する前に何か言っておくことはあるかい?」
ユリウスが私の顔を見る。
「えーーっと・・・」
「ないなら・・・」
「あっ」
「なにかあったかい?」
「ねぇ、私仮にもアドルド王子の婚約者だったのに、こんな対応されたの初めてなんだけど・・・」
「あーーー」
ごまかそうとするユリウスは天を仰ぐ。
「あっ、もしかして、アドルド王子がアテネシア王女とくっつこうとしているの知ってたでしょっ!?」
よく考えれば、物知りのユリウスがそのことを知らないはずがない。
笑い話と言えばそれまでだけれど、裏切り行為だ。
「じゃあ、なんで今はこんな風にされて・・・」
「さっ、行こう」
ユリウスは表情が明るくなって、扉をノックした。
「うっ」
私はお腹を締め付けられる。
「もう少しいきますよっ、と」
「んーーーーー」
笑顔が素敵なメイドさんがこれでもかってくらいお腹のコルセットを締め付けていく。
私は必死にそれに耐えた。
「お待たせ・・・ユリウス」
ドレスとメイクを済ませた私は案内されたところに向かうと、後ろ姿のユリウスを見つけたので声を掛ける。
「やぁ・・・」
振り返ったユリウスはいつもと同じような余裕を持った笑みで私を迎えようとしたみたいだけれど、私を見て固まってしまう。
「どう・・・かしら?」
私は王国に着くなり、大浴場に連れていかれて、メイドさん達に身体や髪を洗われた。初めて入る大浴場に身体を伸ばして、満喫したかったけれどそんな暇はなかった。その後もメイドさんたちのなすがままに水色のドレスを身にまとった。いつも、白と黒と茶色、ときどき紺色の服しか着ない私にとって、こんな明るい服を着るのは初めてでドキドキしてしまう。なのに、ユリウスは私を見て何も言ってくれない、う~~~。
「すごい・・・きれいだ・・・」
キュンッ
私は嬉しくなって、ちょこちょこちょこっと、ユリウスの隣まで転ばないように駆け寄った。
「ありがとっ」
聞こえなくてもいいかと思いつつ、お礼を言う。
ユリウスも少し照れて困っているようだ。
私も照れているけれど、ユリウスも同じだと思うと少し安心した。
「この扉の向こうに国王がいる」
ユリウスがそう言った。あくまでも、父と呼ばないようだ。
メイドさんはノリノリで私のお世話をしてくれていたけれど、この国には砂をかけて出ていった身。
私は不安でいっぱいだ。
「僕の手を握っていてくれるかい?それが僕から君へのお願いだ」
私以上に不安が大きいのだろう。
ユリウスの守ってあげたくなるような不安そうな顔。
いつもの凛々しい顔も好きだけれど、私はこのかわいいユリウスの顔も好きだ。
「ええ、もちろん私が付いているわ」
私はユリウスの手と恋人つなぎをして少し上にあげる。ユリウスの手はひどく冷たくなっていた。
「ふぅーーーっ。じゃあ、国王に謁見する前に何か言っておくことはあるかい?」
ユリウスが私の顔を見る。
「えーーっと・・・」
「ないなら・・・」
「あっ」
「なにかあったかい?」
「ねぇ、私仮にもアドルド王子の婚約者だったのに、こんな対応されたの初めてなんだけど・・・」
「あーーー」
ごまかそうとするユリウスは天を仰ぐ。
「あっ、もしかして、アドルド王子がアテネシア王女とくっつこうとしているの知ってたでしょっ!?」
よく考えれば、物知りのユリウスがそのことを知らないはずがない。
笑い話と言えばそれまでだけれど、裏切り行為だ。
「じゃあ、なんで今はこんな風にされて・・・」
「さっ、行こう」
ユリウスは表情が明るくなって、扉をノックした。
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