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本編
8話 自由な妹
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「すっすごい」
勉強をしていると、家庭教師のカミュが驚く。
「えへへへっ」
「すごいですよ、リリィ様、5歳も年上のアンヌ様と同じ内容をこんなにも短時間で覚えるなんて」
「えへへへっ」
そう、褒められたのは私ではなく、妹のリリィ。
◇◇
「ワン、ツー、トライ・・・エクセレント・・・」
ダンスの先生であるマリーナがうっとりした目で見ている。
それを私は体操座りをして隣で一緒に彼女の目線の先、リリィを見ていた。
そつなくこなし、指先や目の動き、傾ける首筋が色っぽかった。
5歳上の私には頑張っても出せない魅力を、10歳になるかならないかのリリィができている。
私が15歳の頃には立場が逆転していた。
「ねぇ、お姉ちゃんどーだった?」
「・・・うん、素敵だったよ」
「そっかぁ。えへへへっ」
私が撫でると嬉しそうに笑うリリィ。
愛しのリリィ・・・。
◇◇
ある日、私が庭を散歩していると、リリィがいつものように私のところへ駆け足でやってきた。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。この本読んだ?」
「ううん、読んだことはないけど、どんな話?」
「王子様と結婚する話!とっても、素敵なの、王子様も王宮の暮らしも」
「王宮の暮らしって・・・私たちも王宮に住んでるじゃないの?」
「ううん、世の中にはね、もっと素敵な世界が広がっているのっ!昔お姉ちゃんが言っていた通りに!!」
本を胸に抱えながら、空の彼方を見つめるリリィ。
「わたし、決めた。こんな片田舎じゃなくて、もっと大きな王国の王子と結婚するわ!!」
「そう・・・、リリィならきっと大丈夫よ」
「うん!!」
独り立ちし出したリリィを私は嬉しく思う反面、少し寂しくなっていた。
そして、ラシュタット王国より盛大なパーティーが催されることになり、周辺諸国はもちろん、僻地にあるアムール王国にもそのお誘いがあった。
「ねぇ、私が行っていい?」
「ふぉっふぉっふぉっ。あぁ、もちろんだとも、愛しのリリィ」
「ありがとう、お父様!!」
お父様に抱き着くリリィ。
招待されたのは年頃の王族の女性1名。
私かリリィのどちらかしか行けない。
「リリィ、頑張ってね」
「うん、ありがとう。お姉様」
別にみんな甘やかしてきたわけではないけれど、みんなが褒めるものだからリリィは言いたいことをはっきり言える女性へとなっていった。
(まっ、私なんかが行くよりも、リリィの方がいいに決まっている)
◇◇
「決まったわ、結婚!!」
「え・・・っ?」
「あの、ラシュタット王国の王子、シュナイデル様との結婚よ!!」
私はリリィを抱きしめた。
「おめでとう・・・リリィ」
「やだ、お姉ちゃんったら、泣いてるの?」
私は大泣きして、リリィは嬉しそうに私の背中をさすってくれた。
本当に愛しい、私のリリィ。
勉強をしていると、家庭教師のカミュが驚く。
「えへへへっ」
「すごいですよ、リリィ様、5歳も年上のアンヌ様と同じ内容をこんなにも短時間で覚えるなんて」
「えへへへっ」
そう、褒められたのは私ではなく、妹のリリィ。
◇◇
「ワン、ツー、トライ・・・エクセレント・・・」
ダンスの先生であるマリーナがうっとりした目で見ている。
それを私は体操座りをして隣で一緒に彼女の目線の先、リリィを見ていた。
そつなくこなし、指先や目の動き、傾ける首筋が色っぽかった。
5歳上の私には頑張っても出せない魅力を、10歳になるかならないかのリリィができている。
私が15歳の頃には立場が逆転していた。
「ねぇ、お姉ちゃんどーだった?」
「・・・うん、素敵だったよ」
「そっかぁ。えへへへっ」
私が撫でると嬉しそうに笑うリリィ。
愛しのリリィ・・・。
◇◇
ある日、私が庭を散歩していると、リリィがいつものように私のところへ駆け足でやってきた。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。この本読んだ?」
「ううん、読んだことはないけど、どんな話?」
「王子様と結婚する話!とっても、素敵なの、王子様も王宮の暮らしも」
「王宮の暮らしって・・・私たちも王宮に住んでるじゃないの?」
「ううん、世の中にはね、もっと素敵な世界が広がっているのっ!昔お姉ちゃんが言っていた通りに!!」
本を胸に抱えながら、空の彼方を見つめるリリィ。
「わたし、決めた。こんな片田舎じゃなくて、もっと大きな王国の王子と結婚するわ!!」
「そう・・・、リリィならきっと大丈夫よ」
「うん!!」
独り立ちし出したリリィを私は嬉しく思う反面、少し寂しくなっていた。
そして、ラシュタット王国より盛大なパーティーが催されることになり、周辺諸国はもちろん、僻地にあるアムール王国にもそのお誘いがあった。
「ねぇ、私が行っていい?」
「ふぉっふぉっふぉっ。あぁ、もちろんだとも、愛しのリリィ」
「ありがとう、お父様!!」
お父様に抱き着くリリィ。
招待されたのは年頃の王族の女性1名。
私かリリィのどちらかしか行けない。
「リリィ、頑張ってね」
「うん、ありがとう。お姉様」
別にみんな甘やかしてきたわけではないけれど、みんなが褒めるものだからリリィは言いたいことをはっきり言える女性へとなっていった。
(まっ、私なんかが行くよりも、リリィの方がいいに決まっている)
◇◇
「決まったわ、結婚!!」
「え・・・っ?」
「あの、ラシュタット王国の王子、シュナイデル様との結婚よ!!」
私はリリィを抱きしめた。
「おめでとう・・・リリィ」
「やだ、お姉ちゃんったら、泣いてるの?」
私は大泣きして、リリィは嬉しそうに私の背中をさすってくれた。
本当に愛しい、私のリリィ。
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