4 / 9
1-3 余暇、余分と余韻のひととき
しおりを挟む
「ん~ちょっと、休憩しよっと」
昼間の自宅で一人。
掃除に着かれた私は、ヤカンに水を入れて、コンロの火をつけて、テレビをつける。
「んーーーっ」
お茶請けとお腹周りを交互に見る。
「我慢・・・我慢っ」
自分を言い聞かせるようにお茶請けを目に見えないところに仕舞う。さすがにこの頃食べ過ぎで、ちょっと肉付きが良くなりすぎている。
「あ~ぁ、いつもはみんなで注意し合っていたのになぁ」
会社勤めの時は同じ女性社員同士で一緒に我慢して、そして、やっぱり食べてしまう日々が懐かしくなってしまった。
「おっと、いかん、いかん」
ピーーーーーーーッ
私はヤカンの日を止めて、コーヒーをカップに注ぐ。
そして、カップを手に取り、香りを味わう。
「んーーーーんっ」
やはり、コーヒーはまず香り。それも、淹れ立てを楽しむもの。
その香りは気持ちをホッとさせてくれる。
「ふぅーふぅー」
とりあえず、キッチンで一口飲む。
飲むと言っても、熱いのはわかっているから舐める程度。
味なんて楽しめず、とりあえず熱さを確認したコーヒーを持って、ソファーに座り、テレビを見る。
昼の番組はあんまりおもしろくないけれど、今日は夜に録画した作品を見る気分じゃない。
何気ない一日。
そして、退屈な―――。
「って、私が仕事辞めたいって言ったんじゃん。明久にこんなんじゃ怒られちゃう」
私は軽く自分へゲンコツをする。
明久への感謝だけは忘れないでいよう、そう決めたはずなのにちょっとしたことで心が揺らいでしまう。
時間というのは残酷だ。
強く心に決めたことも薄れるし、会社からの仕事で聞きたいことがあるって、頼られた電話もほとんどなくなり、会社のみんなも私を忘れて仕事をしているのだろう。
なんだろう。
仕事を辞めてしまったら、私を必要としてくれるのは澪と明久だけになってしまった。
そうやって、家族では必要とされても、社会から切り離されて行くような気がした。
「なーんか、寂し・・・っ」
ピロンッ
私が画面を閉じているスマホを見ていると、スマホが鳴って、画面が光る。
私は何も考えずに、無意識にスマホのロックを解除してなんのメッセージか確認する。
この一連の動作は条件反射のように身体が勝手に動いてしまう。
いつもと同じ動作。
だけれど、もしかしたらそのメッセージだけは私を吸い寄せていたのかもしれない。
運命のメール。
そんな風に言ったら、大げさだけれど、この時の私は、このメッセージが私の人生を左右するメッセージになるとは予想をしていなかった。
昼間の自宅で一人。
掃除に着かれた私は、ヤカンに水を入れて、コンロの火をつけて、テレビをつける。
「んーーーっ」
お茶請けとお腹周りを交互に見る。
「我慢・・・我慢っ」
自分を言い聞かせるようにお茶請けを目に見えないところに仕舞う。さすがにこの頃食べ過ぎで、ちょっと肉付きが良くなりすぎている。
「あ~ぁ、いつもはみんなで注意し合っていたのになぁ」
会社勤めの時は同じ女性社員同士で一緒に我慢して、そして、やっぱり食べてしまう日々が懐かしくなってしまった。
「おっと、いかん、いかん」
ピーーーーーーーッ
私はヤカンの日を止めて、コーヒーをカップに注ぐ。
そして、カップを手に取り、香りを味わう。
「んーーーーんっ」
やはり、コーヒーはまず香り。それも、淹れ立てを楽しむもの。
その香りは気持ちをホッとさせてくれる。
「ふぅーふぅー」
とりあえず、キッチンで一口飲む。
飲むと言っても、熱いのはわかっているから舐める程度。
味なんて楽しめず、とりあえず熱さを確認したコーヒーを持って、ソファーに座り、テレビを見る。
昼の番組はあんまりおもしろくないけれど、今日は夜に録画した作品を見る気分じゃない。
何気ない一日。
そして、退屈な―――。
「って、私が仕事辞めたいって言ったんじゃん。明久にこんなんじゃ怒られちゃう」
私は軽く自分へゲンコツをする。
明久への感謝だけは忘れないでいよう、そう決めたはずなのにちょっとしたことで心が揺らいでしまう。
時間というのは残酷だ。
強く心に決めたことも薄れるし、会社からの仕事で聞きたいことがあるって、頼られた電話もほとんどなくなり、会社のみんなも私を忘れて仕事をしているのだろう。
なんだろう。
仕事を辞めてしまったら、私を必要としてくれるのは澪と明久だけになってしまった。
そうやって、家族では必要とされても、社会から切り離されて行くような気がした。
「なーんか、寂し・・・っ」
ピロンッ
私が画面を閉じているスマホを見ていると、スマホが鳴って、画面が光る。
私は何も考えずに、無意識にスマホのロックを解除してなんのメッセージか確認する。
この一連の動作は条件反射のように身体が勝手に動いてしまう。
いつもと同じ動作。
だけれど、もしかしたらそのメッセージだけは私を吸い寄せていたのかもしれない。
運命のメール。
そんな風に言ったら、大げさだけれど、この時の私は、このメッセージが私の人生を左右するメッセージになるとは予想をしていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる