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昨日のパーティーで起きた事
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洗濯場で働いていると、同僚のリリアが追加の洗い物を持って隣へ腰掛けた。
「うわ、まだこんなにあるの?」
それを見た先輩メイドのマーサが、うんざりした顔をする。
「まだまだあるのよ! 昨日のパーティーで、凄く汚れたんだって!」
「ええっ! パーティーで? 何かあったの?」
「やだっ! 知らないのマーサ。パーティー会場に魔獣が出て大変だったらしいわよ」
そう言ってリリアが洗い物の中から、水色のテーブルクロスを取り出し広げて見せた。
そこには茶色い染みが点々と付いている。
「何それ、まさか血痕?」
「そう、正解よ! 昨日出た魔獣をパーティーに来ていたあの、オスカー・レイナルド様がこう、スパッとやっつけたらしいの! それは素敵だったって! 魔獣目掛けて飛び上がるオスカー様の銀色の髪が煌めいて、昼間なのに輝く流星の様だったって侍女達が噂していたのよ、私も見たかった~!」
手を剣に見立て、切るような真似をしながら話をするリリア。それを見聞きしながら、ゴシゴシと手を休める事なく私達は汚れを落としていく。
「ただね、その時怪我を負ったメイドがいたらしいの。治療室に運ばれて治療を受けたらしいけど、今朝その子が居なくなったって、治癒魔法士が騒いでいたそうよ」
「ぐっ」
変な声をあげてしまった。
リリアとマーサは驚いて私を見ている。
「どうしたの? 変な声だして」
「ううん、何で治癒魔法士が騒いでいたのかなぁって、思って」
「ああ、そのメイドを探しているらしいわよ。でも難しいわよねー、分かっているのは茶色い髪のメイドってだけらしいから」
「……探しているのって……何故かしら」
(やっぱり、治療費 払っていないから⁈)
既に汚れは落ちているシーツを何度も擦り、私は内心ビクビクしながらリリアに聞いた。
「それは分からないわ、ただね、そのメイドを助けたオスカー様とエスター様が今日も登城されているそうよ!」
その私達の会話を聞いていた周りのメイド達が一斉に騒ぎ出した。
「ええーっ! オスカー様見に行きたい!」
「何処にいらっしゃるのかしら」
「遠目でもいいからエスター様を見たいわー!」
「あら、オスカー様の方がカッコいいでしょう?」
「あら、私はクールなエスター様が好きだわ!」
レイナルド令息様達が来ていると聞いて、キャアキャアと騒ぎ出し洗い場は一気に騒がしくなった。
オスカー様とエスター様兄弟は公爵という身分もさながら、容姿端麗、輝く銀の髪や吸い込まれそうな青い瞳その上、竜獣人で騎士という世の中の女性が憧れてやまない、美しさと強さを兼ね備えていたお二人だった。
ここに働く者達では隣に立つ事など出来ないが、一度でいいからお近づきになりたいと夢見る者は多かった。
話に花が咲く洗い場にパンパンと手を叩く音がして、メイド長が顔を出した。
「皆さん、口ではなく手を動かして! それからレイナルド様方は王女様達がサロンへお連れになっていらっしゃいますから、物干場へ向かえば遠目から拝見できますよ!」
だから頑張って仕事してちょうだい、と言うとメイド長は洗い場を後にした。
皆はそれを聞いて歓喜の声を上げた。
……が、昨日の今日だ。
魔獣が出て人が襲われている道を通らねば行けない物干場など、誰も行きたがらなかった。
結局、リリアとマーサ、私の3人で物干場へ行くことになった。
リリアに『私も見たかった』と言っていたからどうぞ、と皆が勧めてきた。私とマーサは付き合う事になってしまった。
「もう、本当ごめんねー。怖いよね、魔獣出た所通るの」
(私は違う意味で行きたくないのだけど……)
「……血が残っているらしいよ」
リリアが申し訳なさそうに言う後ろで、マーサは怖々回りを見渡しながら歩いていた。
(ごめんなさい。その血はたぶん私のです)
私は苦笑いをしつつ、一番後ろを歩いていた。
昨日、魔獣に飛ばされた所まで来たが、そこには全く何もなかった。
(きっと魔法で元通りにされたに違いないわ)
マーサは、ホッとした顔をした。
「なーんだ、何も無いじゃない、怖がって損したー!」
「本当、それに……」
生垣の向こうをぴょんぴょん跳ねて見ていたリリアは「誰もいないわ」とため息混じりに言った。そこから遠目に見えるサロンには誰一人居ない様だった。
三人は物干場へ着くと、何枚ものシーツやテーブルクロスを干していく。真っ白に洗われたシーツが風に波打ち、見ていると気持ちが良い。
「シャーロット、残りの物、干して貰える?私達、残りを取りに行ってくるから」
「分かったわ、小物ばかりだし任せといて」
「じゃあ行ってくるわ、干し終わったら少し休憩しなさいよ。今日のシャーロット、何だか顔色が良くないわ」
面倒見のいいマーサはシャーロットの頭を撫でて心配そうに言った。
「そ、そう? 分かったわ、干し終わったら二人が戻るまで休憩しておくね」
「ええ、そうしてちょうだい」
二人は空のカゴを片手に戻って行った。
背中は痛むが働くことが出来る程だ、さすが城の治癒魔法士様ね、私はそう思いながら残りの物を干していった。
「うわ、まだこんなにあるの?」
それを見た先輩メイドのマーサが、うんざりした顔をする。
「まだまだあるのよ! 昨日のパーティーで、凄く汚れたんだって!」
「ええっ! パーティーで? 何かあったの?」
「やだっ! 知らないのマーサ。パーティー会場に魔獣が出て大変だったらしいわよ」
そう言ってリリアが洗い物の中から、水色のテーブルクロスを取り出し広げて見せた。
そこには茶色い染みが点々と付いている。
「何それ、まさか血痕?」
「そう、正解よ! 昨日出た魔獣をパーティーに来ていたあの、オスカー・レイナルド様がこう、スパッとやっつけたらしいの! それは素敵だったって! 魔獣目掛けて飛び上がるオスカー様の銀色の髪が煌めいて、昼間なのに輝く流星の様だったって侍女達が噂していたのよ、私も見たかった~!」
手を剣に見立て、切るような真似をしながら話をするリリア。それを見聞きしながら、ゴシゴシと手を休める事なく私達は汚れを落としていく。
「ただね、その時怪我を負ったメイドがいたらしいの。治療室に運ばれて治療を受けたらしいけど、今朝その子が居なくなったって、治癒魔法士が騒いでいたそうよ」
「ぐっ」
変な声をあげてしまった。
リリアとマーサは驚いて私を見ている。
「どうしたの? 変な声だして」
「ううん、何で治癒魔法士が騒いでいたのかなぁって、思って」
「ああ、そのメイドを探しているらしいわよ。でも難しいわよねー、分かっているのは茶色い髪のメイドってだけらしいから」
「……探しているのって……何故かしら」
(やっぱり、治療費 払っていないから⁈)
既に汚れは落ちているシーツを何度も擦り、私は内心ビクビクしながらリリアに聞いた。
「それは分からないわ、ただね、そのメイドを助けたオスカー様とエスター様が今日も登城されているそうよ!」
その私達の会話を聞いていた周りのメイド達が一斉に騒ぎ出した。
「ええーっ! オスカー様見に行きたい!」
「何処にいらっしゃるのかしら」
「遠目でもいいからエスター様を見たいわー!」
「あら、オスカー様の方がカッコいいでしょう?」
「あら、私はクールなエスター様が好きだわ!」
レイナルド令息様達が来ていると聞いて、キャアキャアと騒ぎ出し洗い場は一気に騒がしくなった。
オスカー様とエスター様兄弟は公爵という身分もさながら、容姿端麗、輝く銀の髪や吸い込まれそうな青い瞳その上、竜獣人で騎士という世の中の女性が憧れてやまない、美しさと強さを兼ね備えていたお二人だった。
ここに働く者達では隣に立つ事など出来ないが、一度でいいからお近づきになりたいと夢見る者は多かった。
話に花が咲く洗い場にパンパンと手を叩く音がして、メイド長が顔を出した。
「皆さん、口ではなく手を動かして! それからレイナルド様方は王女様達がサロンへお連れになっていらっしゃいますから、物干場へ向かえば遠目から拝見できますよ!」
だから頑張って仕事してちょうだい、と言うとメイド長は洗い場を後にした。
皆はそれを聞いて歓喜の声を上げた。
……が、昨日の今日だ。
魔獣が出て人が襲われている道を通らねば行けない物干場など、誰も行きたがらなかった。
結局、リリアとマーサ、私の3人で物干場へ行くことになった。
リリアに『私も見たかった』と言っていたからどうぞ、と皆が勧めてきた。私とマーサは付き合う事になってしまった。
「もう、本当ごめんねー。怖いよね、魔獣出た所通るの」
(私は違う意味で行きたくないのだけど……)
「……血が残っているらしいよ」
リリアが申し訳なさそうに言う後ろで、マーサは怖々回りを見渡しながら歩いていた。
(ごめんなさい。その血はたぶん私のです)
私は苦笑いをしつつ、一番後ろを歩いていた。
昨日、魔獣に飛ばされた所まで来たが、そこには全く何もなかった。
(きっと魔法で元通りにされたに違いないわ)
マーサは、ホッとした顔をした。
「なーんだ、何も無いじゃない、怖がって損したー!」
「本当、それに……」
生垣の向こうをぴょんぴょん跳ねて見ていたリリアは「誰もいないわ」とため息混じりに言った。そこから遠目に見えるサロンには誰一人居ない様だった。
三人は物干場へ着くと、何枚ものシーツやテーブルクロスを干していく。真っ白に洗われたシーツが風に波打ち、見ていると気持ちが良い。
「シャーロット、残りの物、干して貰える?私達、残りを取りに行ってくるから」
「分かったわ、小物ばかりだし任せといて」
「じゃあ行ってくるわ、干し終わったら少し休憩しなさいよ。今日のシャーロット、何だか顔色が良くないわ」
面倒見のいいマーサはシャーロットの頭を撫でて心配そうに言った。
「そ、そう? 分かったわ、干し終わったら二人が戻るまで休憩しておくね」
「ええ、そうしてちょうだい」
二人は空のカゴを片手に戻って行った。
背中は痛むが働くことが出来る程だ、さすが城の治癒魔法士様ね、私はそう思いながら残りの物を干していった。
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