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第11話 あまい、××× (おまけ) ※
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「俺にイタズラするんだろ? ほら、頑張れ」
クスクスとそんなことを言いながら泰弘が笑っていた。上機嫌そうな笑みは、どことなくイタズラめいた表情に見えている。
「余裕…ぶって、おま、え…ムカツ、ク……!」
「ムカツクってひどいな恋人に」
「こ、こ、恋人って、お前!!」
今までろくに誰かと付き合ったことがない俺とは違うのだろう。お互いの気持ちが分かったばかりなのに、もうそんな風に飄々と言ってしまえるような泰弘に俺はだいぶ振り回されていた。
「あれ? だって俺は俊が好きで、俊は俺が好きなんだから恋人だろ?」
そう言って俺の腰をガッシリと泰弘が掴んでくる。向けられた顔は笑顔のはずなのに、否定なんてしようがない圧を感じて俺は引き攣りながらコクコクと大きく頷いた。
「なら、良いだろ」
向かい合うように膝上に座らされた状態の俺の頭が引き寄せられる。そのまままた重ねられた唇に、何度目か分からないキスをされた。
舌先で掠めるように輪郭をなぞられ、口角をチロチロと弄われる。思わず開いた唇を唇で食みながら、思い出したように柔らかい唇の内の粘膜を舌先がまた弄っていく。
「ふ…ぁ…っぁ……」
何度もキスをされた唇がジンジンとした痺れを生んでいた。しかも最初に泰弘にお仕置きと称されて中途半端に与えられた愛撫や、さんざん繰り返されているキスのせいで、アイツらに使われた媚薬の効果も煽られっぱなしの状態なのだ。
「ふう……っ、……っう」
「ふふっ、気持ち良さそうだな。ほら、じゃあ次はお前の番な。今の俺と同じことをやってみな」
それなのにコイツからのキスに身体のうずきが強まったタイミングで、突然解放されるのだ。そんなことを繰り返されている俺の身体の疼きはもうひどい。
「おま、え…さい、あく……」
グズグズな俺がにらんだところで、泰弘はククッとまた余裕そうに笑い返すだけだった。
「うん? イタズラしないのか?」
俺はその言葉に熱くなった息を吐き出しながら、泰弘の唇をさっきの動きをマネして重ねて舌先でなぞってみる。
だけど俺の拙い動きでは、同じような快感をコイツへ与えることは出来ていない様子だった。一通りマネしてみた所で、結局ますます煽られているのは逆に俺のほうなのだ。
それだけ慣れていることが伝わってくる。さっきまで遊び相手の1人にでも成りたいと思っていたはずなのに、恋人に成ったとたんそんな今までの誰かの影が悔しかった。
俺はそのまま泰弘の首筋にポスッと顔を埋めた。
悔しくてそこをガジガジッと噛んでみる。だけど質の良さそうなシャツに邪魔をされて効果は全く感じない。
頭の上から笑った時のようなかすかな音が聞こえてくる。目を向ければ、じゃれてくる猫でも相手にしているかのような楽しそうな表情が俺の方へ向いていた。
イタズラをするはずだったのに、ずっとコイツの掌の上で遊ばれているだけなんだろう。俺とは違っていっこうに崩れないコイツの余裕に腹が立つ。何かコイツを慌てさせるようなことを、俺もどうにかやりたかった。
「おい、俊?」
ムクッと身体を起こして、泰弘のワイシャツに手を伸ばす。そんな俺に泰弘の怪訝そうな声が聞こえてくる。でもそれには応えずに黙ってボタンを外していけば、大きく開いた襟元から首筋がようやく露わになった。
「ちょっ、待てって」
そこに顔を埋めれば、さすがに止めようとする泰弘の声は慌てていた。その声も俺はまた無視をして、さっきと同じように首筋に唇を寄せてカジカジと歯を立てていく。
「俊、おい、ヤバイからちょっと待てって!」
泰弘の慌てたような声は、俺がまさかそんなことをするなんて、少しも思ってもいなかったことを教えてくる。ようやく反撃できた状態なのだ。そんな慌てた様子の泰弘に、楽しくなって俺は歯形が付いたその場所をペロッと舌先で舐めた。
「…ッ、おまえ……」
泰弘の息を飲む音も、少し裏返りがちな声も楽しくて仕方がない。だから、そのままチュッチュッとキスをして、耳殻の方へ上がっていく。
「なぁ、もう……いき、たい……」
耳殻にキスをしてそんなことを耳元で囁けば、その途端、今までの飄々とした表情が崩れて泰弘が顔を紅く染めていた。
俺だけがずっとみっともない状態なのだ。お前だって少しくらいは俺に翻弄されたらいい。だから。
「へへっ、顔が…真っ赤……」
そんな取り乱した姿が嬉しくて、からかおうとした時だった。視点がグルッと回転して、気が付けば身体がソファーに押し倒されていた。
そのまま「えっ?」と開きかけた唇を、今までの穏やかさが嘘のように泰弘の唇が塞いでくる。
「お前ってホントにバカだな」
『なに?』
そう聞こうとする声さえも、塞ぐ泰弘の唇に邪魔をされて音にできないのだ。そんな状況に、俺が失敗したと気付いた頃には遅かった。
唇を割開いた泰弘の舌に口蓋の奥まで撫でられながら、無遠慮な手が俺の固い茎を揉みしだいていた。
『待って、待っててば!』
そう言いたかった言葉もくぐもった空気の漏れる音にしかならないのだ。
「ふぅうぅ、ぅう……」
そして声を塞がれたままドロドロに何度もイかされた。その度に身体が強ばり跳ねるのだ。泰弘だってイッていることを分かっているはずなのに、刺激を繰り返す手を止めてくれる様子がなかった。
もうそんな状況に服の中は吐き出された滑りでぐちゃぐちゃで、ほとんど身動きさえ取れなくなってしまったころ、ようやく唇が解放される。
「もっ、…ぁっ!だめっ…や、め…ゆ……るし、てぇ…」
流れ込んでくる酸素を取り込みながら、俺はきれぎれに懇願した。
「遠慮するな、イキたかったんだろ」
それなのに獲物を狙うような目で、舌なめずりをした泰弘は止めてくれる気はないようだった。
「下手に煽るとヤバイってことも覚えておけ」
その言葉と一緒にコイツの指がついには下着の中に入り込む。その指がもう吐き出しすぎて力なく震えている俺のモノを引っ掛けた。
「やだ、やだぁ…っ!これ、やだあぁ、あぁぁ…ッ!!」
そのままクニクニと敏感な先端を弄られる。吐き出し続けた先端は口が開いているのだろう。弄る泰弘の指先が中へめり込むようだった。
もうムリだと懇願したところで与えられた刺激に、俺の目の前が明滅する。
「あっ…やだっ、やあぁ…っ、ゆる、し……ぇ…」
だけどそんな懇願も「愛してるよ、俊」そんな言葉の後に落ちてきた泰弘の口腔内へと吸い込まれる。
泰弘の言葉に甘く疼いた身体が跳ねながら、今までとは違う何かを吐き出していく。でもそれが何なのか確認さえできないまま、俺の意識は消えていった。
クスクスとそんなことを言いながら泰弘が笑っていた。上機嫌そうな笑みは、どことなくイタズラめいた表情に見えている。
「余裕…ぶって、おま、え…ムカツ、ク……!」
「ムカツクってひどいな恋人に」
「こ、こ、恋人って、お前!!」
今までろくに誰かと付き合ったことがない俺とは違うのだろう。お互いの気持ちが分かったばかりなのに、もうそんな風に飄々と言ってしまえるような泰弘に俺はだいぶ振り回されていた。
「あれ? だって俺は俊が好きで、俊は俺が好きなんだから恋人だろ?」
そう言って俺の腰をガッシリと泰弘が掴んでくる。向けられた顔は笑顔のはずなのに、否定なんてしようがない圧を感じて俺は引き攣りながらコクコクと大きく頷いた。
「なら、良いだろ」
向かい合うように膝上に座らされた状態の俺の頭が引き寄せられる。そのまままた重ねられた唇に、何度目か分からないキスをされた。
舌先で掠めるように輪郭をなぞられ、口角をチロチロと弄われる。思わず開いた唇を唇で食みながら、思い出したように柔らかい唇の内の粘膜を舌先がまた弄っていく。
「ふ…ぁ…っぁ……」
何度もキスをされた唇がジンジンとした痺れを生んでいた。しかも最初に泰弘にお仕置きと称されて中途半端に与えられた愛撫や、さんざん繰り返されているキスのせいで、アイツらに使われた媚薬の効果も煽られっぱなしの状態なのだ。
「ふう……っ、……っう」
「ふふっ、気持ち良さそうだな。ほら、じゃあ次はお前の番な。今の俺と同じことをやってみな」
それなのにコイツからのキスに身体のうずきが強まったタイミングで、突然解放されるのだ。そんなことを繰り返されている俺の身体の疼きはもうひどい。
「おま、え…さい、あく……」
グズグズな俺がにらんだところで、泰弘はククッとまた余裕そうに笑い返すだけだった。
「うん? イタズラしないのか?」
俺はその言葉に熱くなった息を吐き出しながら、泰弘の唇をさっきの動きをマネして重ねて舌先でなぞってみる。
だけど俺の拙い動きでは、同じような快感をコイツへ与えることは出来ていない様子だった。一通りマネしてみた所で、結局ますます煽られているのは逆に俺のほうなのだ。
それだけ慣れていることが伝わってくる。さっきまで遊び相手の1人にでも成りたいと思っていたはずなのに、恋人に成ったとたんそんな今までの誰かの影が悔しかった。
俺はそのまま泰弘の首筋にポスッと顔を埋めた。
悔しくてそこをガジガジッと噛んでみる。だけど質の良さそうなシャツに邪魔をされて効果は全く感じない。
頭の上から笑った時のようなかすかな音が聞こえてくる。目を向ければ、じゃれてくる猫でも相手にしているかのような楽しそうな表情が俺の方へ向いていた。
イタズラをするはずだったのに、ずっとコイツの掌の上で遊ばれているだけなんだろう。俺とは違っていっこうに崩れないコイツの余裕に腹が立つ。何かコイツを慌てさせるようなことを、俺もどうにかやりたかった。
「おい、俊?」
ムクッと身体を起こして、泰弘のワイシャツに手を伸ばす。そんな俺に泰弘の怪訝そうな声が聞こえてくる。でもそれには応えずに黙ってボタンを外していけば、大きく開いた襟元から首筋がようやく露わになった。
「ちょっ、待てって」
そこに顔を埋めれば、さすがに止めようとする泰弘の声は慌てていた。その声も俺はまた無視をして、さっきと同じように首筋に唇を寄せてカジカジと歯を立てていく。
「俊、おい、ヤバイからちょっと待てって!」
泰弘の慌てたような声は、俺がまさかそんなことをするなんて、少しも思ってもいなかったことを教えてくる。ようやく反撃できた状態なのだ。そんな慌てた様子の泰弘に、楽しくなって俺は歯形が付いたその場所をペロッと舌先で舐めた。
「…ッ、おまえ……」
泰弘の息を飲む音も、少し裏返りがちな声も楽しくて仕方がない。だから、そのままチュッチュッとキスをして、耳殻の方へ上がっていく。
「なぁ、もう……いき、たい……」
耳殻にキスをしてそんなことを耳元で囁けば、その途端、今までの飄々とした表情が崩れて泰弘が顔を紅く染めていた。
俺だけがずっとみっともない状態なのだ。お前だって少しくらいは俺に翻弄されたらいい。だから。
「へへっ、顔が…真っ赤……」
そんな取り乱した姿が嬉しくて、からかおうとした時だった。視点がグルッと回転して、気が付けば身体がソファーに押し倒されていた。
そのまま「えっ?」と開きかけた唇を、今までの穏やかさが嘘のように泰弘の唇が塞いでくる。
「お前ってホントにバカだな」
『なに?』
そう聞こうとする声さえも、塞ぐ泰弘の唇に邪魔をされて音にできないのだ。そんな状況に、俺が失敗したと気付いた頃には遅かった。
唇を割開いた泰弘の舌に口蓋の奥まで撫でられながら、無遠慮な手が俺の固い茎を揉みしだいていた。
『待って、待っててば!』
そう言いたかった言葉もくぐもった空気の漏れる音にしかならないのだ。
「ふぅうぅ、ぅう……」
そして声を塞がれたままドロドロに何度もイかされた。その度に身体が強ばり跳ねるのだ。泰弘だってイッていることを分かっているはずなのに、刺激を繰り返す手を止めてくれる様子がなかった。
もうそんな状況に服の中は吐き出された滑りでぐちゃぐちゃで、ほとんど身動きさえ取れなくなってしまったころ、ようやく唇が解放される。
「もっ、…ぁっ!だめっ…や、め…ゆ……るし、てぇ…」
流れ込んでくる酸素を取り込みながら、俺はきれぎれに懇願した。
「遠慮するな、イキたかったんだろ」
それなのに獲物を狙うような目で、舌なめずりをした泰弘は止めてくれる気はないようだった。
「下手に煽るとヤバイってことも覚えておけ」
その言葉と一緒にコイツの指がついには下着の中に入り込む。その指がもう吐き出しすぎて力なく震えている俺のモノを引っ掛けた。
「やだ、やだぁ…っ!これ、やだあぁ、あぁぁ…ッ!!」
そのままクニクニと敏感な先端を弄られる。吐き出し続けた先端は口が開いているのだろう。弄る泰弘の指先が中へめり込むようだった。
もうムリだと懇願したところで与えられた刺激に、俺の目の前が明滅する。
「あっ…やだっ、やあぁ…っ、ゆる、し……ぇ…」
だけどそんな懇願も「愛してるよ、俊」そんな言葉の後に落ちてきた泰弘の口腔内へと吸い込まれる。
泰弘の言葉に甘く疼いた身体が跳ねながら、今までとは違う何かを吐き出していく。でもそれが何なのか確認さえできないまま、俺の意識は消えていった。
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後れ馳せながら読ませていただきまして、とても良かったです!いじらしい受けにとても、ときめきました(^-^)
なれ初めといいますか、小さい頃のエピソードがとても気になります!(>_<)
コメントありがとうございます!
通知に気が付かず、すみません!!💦
少しでも楽しんで頂けたなら、良かったです(*´艸`)
書きかけの作品が多いため、なかなか着手が難しいですが、2人の昔のエピソードに興味を持ってもらえて嬉しいです。ありがとうございました🙇♀️💕