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番外-親と子
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克也のクリニックを辞した後、一人になった健史は安堵と心配の入り交じった気持ちでため息をついた。
安堵は秀一郎たちが自分が捏造した話をすんなりと信じてくれたことだ。話のすべてが嘘なのではもちろんないが、健史が愛していたのは龍太郎で、夏海ではなかった。健史は子種を提供する代わりに、龍太郎と交わることを要求したのだ。
後は、自分が夏海を思い続けて独身を貫いていたところか。戸籍的には確かに独身ではあるが、かつての恋人(男性)とは、10年近くも同棲していたし、結婚したのも義妹と結婚するのを逃れるためというのが第一義だ。
だが、それを余すところなく正直に伝えても、父親がゲイであることも含めて、息子がショックを受けるだけで何もいいことはない。ただ、自分が父親であることは気づいているようなので、夏海が二股をかけているという誤解だけは解いておいてやりたい、そう思っただけだ。
自分にはもうかなわないが、夏海はまだ生きているのだ。後悔しないうちに、親孝行してやってほしい。
逆に心配なのはその素直さだ。大企業の長としてそれはマイナスファクターではないのかと思う。まぁ、腹違いの叔父の爽太君や広波君など、周りには恵まれているようなので、何とかなるとは思うが……
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「えっ、なんで増えてんの?」
私ー未来ーは息子の龍也が書き終わった原稿を見てそう言った。
「だって、あのままだと梁原さんの都合の良いように話をまとめちゃってるじゃん」
「それはそうなんだけど……」
実は私は、結城のお義父様とお義母様が結婚しなかった世界と夢の中でつながっている。それが物書き志望の龍也にバレて、洗いざらい吐かされてネタにされたまでは良かったのだが、龍也は調子に乗って、梁原さんが主人公の話をオリジナルで書いてしまったのだ。
私が仕方なく読破して向こうに送ったとき、あまりにも過激なその内容に、
「アレはヤナのおじさんのDNAよね、私にはムリ!」
とかぶつぶつぼやいていたのに、あっちの私はさらに過激な「第三の私」の話を書いてしまったのだ。その話を龍也に伝えたら出てきたのがこの文章だ。
そして、
「どうでもいいけど、私と秀一郎さんって再従兄妹だったのね」
というと、龍也が吹き出した。
「今頃それ言う? 僕は最初に話を聞いたときからわかってたけど」
法律的にも結婚できるから、別に良いんじゃないと言う龍也。
……うん、幸せだし良いんだけどね。良いんだけど、これ以上ネタにするのは止めてほしいの。龍也のは読むだけで夢であっちに伝わるからそうでもないけど、あっちのは書いたものを逐一覚えて龍也に伝えなきゃなんない。これって地味-に大変なんですけど。
でもそう言ったら、
「じゃぁ、母様が書けば」
だって……
それこそ、ホントにムリ!!(きっぱり)
安堵は秀一郎たちが自分が捏造した話をすんなりと信じてくれたことだ。話のすべてが嘘なのではもちろんないが、健史が愛していたのは龍太郎で、夏海ではなかった。健史は子種を提供する代わりに、龍太郎と交わることを要求したのだ。
後は、自分が夏海を思い続けて独身を貫いていたところか。戸籍的には確かに独身ではあるが、かつての恋人(男性)とは、10年近くも同棲していたし、結婚したのも義妹と結婚するのを逃れるためというのが第一義だ。
だが、それを余すところなく正直に伝えても、父親がゲイであることも含めて、息子がショックを受けるだけで何もいいことはない。ただ、自分が父親であることは気づいているようなので、夏海が二股をかけているという誤解だけは解いておいてやりたい、そう思っただけだ。
自分にはもうかなわないが、夏海はまだ生きているのだ。後悔しないうちに、親孝行してやってほしい。
逆に心配なのはその素直さだ。大企業の長としてそれはマイナスファクターではないのかと思う。まぁ、腹違いの叔父の爽太君や広波君など、周りには恵まれているようなので、何とかなるとは思うが……
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「えっ、なんで増えてんの?」
私ー未来ーは息子の龍也が書き終わった原稿を見てそう言った。
「だって、あのままだと梁原さんの都合の良いように話をまとめちゃってるじゃん」
「それはそうなんだけど……」
実は私は、結城のお義父様とお義母様が結婚しなかった世界と夢の中でつながっている。それが物書き志望の龍也にバレて、洗いざらい吐かされてネタにされたまでは良かったのだが、龍也は調子に乗って、梁原さんが主人公の話をオリジナルで書いてしまったのだ。
私が仕方なく読破して向こうに送ったとき、あまりにも過激なその内容に、
「アレはヤナのおじさんのDNAよね、私にはムリ!」
とかぶつぶつぼやいていたのに、あっちの私はさらに過激な「第三の私」の話を書いてしまったのだ。その話を龍也に伝えたら出てきたのがこの文章だ。
そして、
「どうでもいいけど、私と秀一郎さんって再従兄妹だったのね」
というと、龍也が吹き出した。
「今頃それ言う? 僕は最初に話を聞いたときからわかってたけど」
法律的にも結婚できるから、別に良いんじゃないと言う龍也。
……うん、幸せだし良いんだけどね。良いんだけど、これ以上ネタにするのは止めてほしいの。龍也のは読むだけで夢であっちに伝わるからそうでもないけど、あっちのは書いたものを逐一覚えて龍也に伝えなきゃなんない。これって地味-に大変なんですけど。
でもそう言ったら、
「じゃぁ、母様が書けば」
だって……
それこそ、ホントにムリ!!(きっぱり)
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