50 / 65
作戦決行(対逆魔法)
しおりを挟む
「それではそろそろ始めましょうか」
注文した飲み物がやってきて、店員さんが表側の方に消えていったのを見計らってセルディオさんがそう言った。
それからセルディオさんは、中司さんを抱いている谷山先輩の前にさっと両手を差し出して、彼を抱こうとした。案の定、中司さんは谷山先輩の胸にくしゃっと顔を歪めてしがみつく。
そして、中司さんが再度その『唯一安心できる場所から引き離す者』をのぞき込んだその時、セルディオさんがパチンと指を鳴らした。そのとたん、中司さんは泣く寸前の顔のままコトンと首を谷山先輩の胸に戻した。それを見て、その場のセルディオさんを除く三人から安堵のため息がもれる。セルディオさんは、
「まったく、冷や冷やさせんじゃねぇよ」
と文句を言う先輩に、
「対人魔法は相手がこっちを見てくれないとかかりにくいんですよ」
と笑顔で言いながら、紙袋から取り出した中司さんのドレスシャツとボトムをまるで人が倒れているかのように床に順番に並べた。ご丁寧にボトムには下着もセットしてベルトまで通した。そして、谷山先輩に、
「薫様、ご足労ですがこの方のお召し物を全部とってくださいませんか。私がやるとその小さな方のどこかを痛めてしまいそうです」
と言ったので、谷山先輩が中司さんを素っ裸にしてセルディオさんに渡す。セルディオさんは、中司さんをそのドレスシャツの部分に寝かせ、上からきっちりボタンをしていく。
そして、ドレスシャツの裾をボトムの中に入れ込むと、僕に向かって、
「さぁ、準備はできました。ちゃんと、対逆呪文は頭に入ってますね」
と言った。僕は黙って頷いた。何でかは分からないけど、オラトリオの魔法の呪文は一度聞いたら忘れない。下手な外国語より確実に身に染み込む気がする。
僕は、ふっと大きく息を吐ききると、両手を開いて前に出し、
<汝その若返りし身体を元の齢に戻せ Grow!!>
と、高らかに対逆魔法を唱えた。
すると、少しずつぺちゃんこだったドレスシャツの下の部分に膨らみ始めた同時に、少しずつ袖のところも膨らんで行く。Growだから高速成長の魔法なのだろう。
真っ裸だったらものすごい勢いで成長している中司さんを見られたんだろうなと残念に思いつつ、それだと谷山先輩にはものすごく刺激的な絵面になってしまうからダメだなと納得する。それに、元に戻った中司さんに服を着せるのも一苦労だし、ビニル製の人形に空気を入れているみたいで、これはこれで面白いかも。
だけど、『かわいい彰教ちゃん』がおっさんになっていくのはショックだったみたいで、谷山先輩はただでさえ悪い顔色をなお悪くして席に倒れ込む。まぁ、僕もその前に大魔法のショックで席にへたり込んであわてて乾燥ガザの実を口に入れて見てたんだけどね。
ものの3分ほどで元のの29歳に戻った中司さんを、セルディオさんが魔法で身体を浮かせて、僕らと通路を挟んで反対側の座席に座らせて、セッティングが完了した。
それから、中司さんを座らせた席に先輩が頼んだ『満福珈琲』を置き、先輩が表の方に追加注文に行く。
さぁ、これから第2場のスタートだ。
注文した飲み物がやってきて、店員さんが表側の方に消えていったのを見計らってセルディオさんがそう言った。
それからセルディオさんは、中司さんを抱いている谷山先輩の前にさっと両手を差し出して、彼を抱こうとした。案の定、中司さんは谷山先輩の胸にくしゃっと顔を歪めてしがみつく。
そして、中司さんが再度その『唯一安心できる場所から引き離す者』をのぞき込んだその時、セルディオさんがパチンと指を鳴らした。そのとたん、中司さんは泣く寸前の顔のままコトンと首を谷山先輩の胸に戻した。それを見て、その場のセルディオさんを除く三人から安堵のため息がもれる。セルディオさんは、
「まったく、冷や冷やさせんじゃねぇよ」
と文句を言う先輩に、
「対人魔法は相手がこっちを見てくれないとかかりにくいんですよ」
と笑顔で言いながら、紙袋から取り出した中司さんのドレスシャツとボトムをまるで人が倒れているかのように床に順番に並べた。ご丁寧にボトムには下着もセットしてベルトまで通した。そして、谷山先輩に、
「薫様、ご足労ですがこの方のお召し物を全部とってくださいませんか。私がやるとその小さな方のどこかを痛めてしまいそうです」
と言ったので、谷山先輩が中司さんを素っ裸にしてセルディオさんに渡す。セルディオさんは、中司さんをそのドレスシャツの部分に寝かせ、上からきっちりボタンをしていく。
そして、ドレスシャツの裾をボトムの中に入れ込むと、僕に向かって、
「さぁ、準備はできました。ちゃんと、対逆呪文は頭に入ってますね」
と言った。僕は黙って頷いた。何でかは分からないけど、オラトリオの魔法の呪文は一度聞いたら忘れない。下手な外国語より確実に身に染み込む気がする。
僕は、ふっと大きく息を吐ききると、両手を開いて前に出し、
<汝その若返りし身体を元の齢に戻せ Grow!!>
と、高らかに対逆魔法を唱えた。
すると、少しずつぺちゃんこだったドレスシャツの下の部分に膨らみ始めた同時に、少しずつ袖のところも膨らんで行く。Growだから高速成長の魔法なのだろう。
真っ裸だったらものすごい勢いで成長している中司さんを見られたんだろうなと残念に思いつつ、それだと谷山先輩にはものすごく刺激的な絵面になってしまうからダメだなと納得する。それに、元に戻った中司さんに服を着せるのも一苦労だし、ビニル製の人形に空気を入れているみたいで、これはこれで面白いかも。
だけど、『かわいい彰教ちゃん』がおっさんになっていくのはショックだったみたいで、谷山先輩はただでさえ悪い顔色をなお悪くして席に倒れ込む。まぁ、僕もその前に大魔法のショックで席にへたり込んであわてて乾燥ガザの実を口に入れて見てたんだけどね。
ものの3分ほどで元のの29歳に戻った中司さんを、セルディオさんが魔法で身体を浮かせて、僕らと通路を挟んで反対側の座席に座らせて、セッティングが完了した。
それから、中司さんを座らせた席に先輩が頼んだ『満福珈琲』を置き、先輩が表の方に追加注文に行く。
さぁ、これから第2場のスタートだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーレムです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる