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第14話 領地の開拓を考えてみる。
Chapter-02
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アルヴィン・バックエショフ準男爵領の、農地の主な水源は、西側のローチ伯爵領から引き続き、領地を横断して東の海へと流れ込んでいく、トウイ川だ。
大陸の河川らしく、悠々と流れている……の・だ・が。
やはり地盤と言うか土壌の問題なのだろうか、川そのものが侵食されてV字に、軽い谷を作ってしまっており、農地に使える土地に対して、水面があんまり高くない。
「て……事は、水害の心配はあまりないと言うことか」
俺は、逆にそう考えた。
「トウイ川が氾濫を起こしたことは、少なくともラッセルズ・マークル卿が爵位を継がれてから、起きていなかったようだ」
視察に同行してもらっているセオ兄は、そう言った。
ちなみに、アイザックとキャロにも同道してもらっている。
「ただ、南の山地から流れ込んでくる中小規模の河川に関しては、その限りじゃない」
「なるほどね……南にイチゴ農園があるのは、そちらからの水の流れもあるからか」
まぁ、他にも理由はあるんだが。
「水車を使った灌漑は行われてきたが、それでも限界はあるようでな……」
「なるほど」
川の水面が低い理由が土壌そのものにあるのだとしたら、用水路を作っても、水が地下に吸い込まれてしまって、効率は良くないだろう。
ただ、農地として考えた場合、水はけがいいというのは、決して悪くないはずだ。
確か、川砂混じりの田んぼでつくられる米は、特に味が良くなると、前世の学生時代に、近所の農家のおばちゃんから聞いた覚えがある。
「川の南側は山からの川を導水事業で広げるとして、北側はもっと抜本的な対策が必要ですね」
そもそも、川が山裾を沿うようにやや南側を流れていて、大農作地帯と呼べる一帯は川の北側に存在している形になる。
「川の上流に溜池を作って、用水路を作って本格的な灌漑事業を始めるしかないな」
「それはいい考えだが、どうやって揚水する? 水車でやるにしてもかなり大規模なものになると思うが……それに、今までようにすぐに使い物にならなくなってしまうのではないか?」
俺の言葉に、セオ兄が訊いてくる。
「用水路自体には、コンクリートで水路を固めて、水が逃げたり土壌を流したりしないようにすればいいんだよ」
モルタルでも安くていいんだが、生憎俺はモルタルの製法まで知らない。
調べられたら使うんだがな。
「なるほどな、で、肝心の揚水は?」
セオ兄が訊いてくる。
「ううん、やっぱり大規模な水車を……」
作るしかないかなぁ、と、俺が腕組みをして、考え込んだ時。
ヒュウゥゥ……
風の流れを感じた。
「……北風が吹いているな」
「あら、そう言えば、そうね」
俺が言うと、キャロがそれに反応して、感覚を研ぎ澄ますような仕種をした。
「ああ、おそらく、谷風でしょう。南部山地へ向かって吹く風が、ほとんど通年、吹いているようです」
アイザックが、笑顔混じりに説明した。
「てー事は、それなりの風が1年中吹いてるってことか」
俺は、南側と北側を交互に見ながら、そう言った。
「そうですね、高台にでも登れば、それこそ1年中風を感じられるかと」
「ふむ……」
アイザックの言葉を聞いて、俺は少し考える。
「水車に固執することもないか……」
「何か、いいアイデアでも浮かんだの?」
俺が呟くように言うと、キャロがそれに訊ねてくる。
「まぁね、まだ、構想の段階だけど……」
そう、キャロには言ってから、
「アイザック、用水路を作るとして、工員は集められるか?」
と、視線をアイザックに移して、そう訊ねた。
「農家の三男坊以下でしたら、多少は集められないこともないのですが」
アイザックが答える。
「なんだよなぁ、休耕期にやれたら、良かったんだけど……でもま、頭数揃わない分は俺がなんとかするか」
アイザックの言葉に、俺は少し脱力したようにしつつ、そう言った。
「そんなまだるっこしいことしなくても、全部アルヴィンが魔法でぱぱっとやっちゃえばいいんじゃない?」
キャロが、そんな事を言ってきた。
「それだと、もし俺がいなくなったりしたら、必要な工事する人間を編成することができなくなるだろ」
俺は、ため息交じりにそう言った。
「それに、これも一種の、経済活動……要は、お金を循環させる意味もあるんだ。工員に参加してもらった人が、報酬を得て、それで何かを対価に買う。そう言うことが増えれば、自然に商人や職人が集まってきて、商売の取引が発展、結果として領地全体が発展するわけ」
「なるほど……そこまで考えているってわけね」
俺の説明に、キャロは視線を上に上げるようにしながら、そう言った。
俺が全部やっちゃったら、俺1人のところにばっかり金が集まってきて、領地全体の通貨供給量の割に収入が上がらない、所謂悪性インフレになるからな。
「うーん……、しかし」
今はまだ暑いとまでは言えない時期だが、南方からの湿った熱い季節風で夏を迎えるアドラーシールム帝国南東部になって、この領地は山地で遮られ、冷やされるために、あまり暑くならないのだと言う。
ちなみに、ブリュサムズシティや、元実家のオズボーン・バックエショフ子爵領は、それなりにうだるような暑さになる。
なるほど、暑さに弱いイチゴの栽培には適してるってわけか。
それと、乾燥に強いジャガイモな。
ただ、それなら、鉄道やクルマがあれば、避暑地としても開発できるんだがなぁ
「観光地としてもやっていけそうなものだが、陸路の交通機関が貧弱なのが厳しいな」
空路はハッキリ言って、話にならんほど高価いしな。
「観光地、ですか」
「ええ、避暑地としていい……かなと」
アイザックの言葉に、俺は軽く笑いながらそう説明した。
「なるほど……このあたりはローチ伯やブリュサンメル上級伯、それにその寄騎の貴族が自領を持っています、それらの方々に別荘を持っていただくというのはどうでしょう」
「いいね、それ。やってみようか」
アイザックの提案に、俺はそう言った。
後は、温泉でも出れば完璧なんだが……
後で、ちょっと探してみるか。
「ぜんたーい、行進、右、左、右、左!!」
そんな掛け声を掛け合いながら、行進の訓練をしているのは、我がアルヴィン・バックエショフ準男爵の騎士兵団だ。
とは言っても、まだ現地の人間から組織するなんて余裕はない。
じゃあ、ここの人間はどういった人材なのかと言うと、俺がまだ、形式上、冒険者養成学校にいた頃、売り込んできた連中である。
学校の元同期生、それに、ブリュサンメル上級伯領にいた、在野の冒険者なんかも混ざっている。
俺に仕えれば、陪臣として取り立ててもらえる可能性もある、そう言う、目論見を持った人間だ。
もっとも、軍務を引き受けた以上、甘やかす気はなかった。
今、兵団を指導しているのは、俺の兵団奉行となったアーヴィング・イングリス・イッテンバッチュ副兵団長。
壮年の男性で、元々はローチ家の兵団の指揮官だったが、既に半隠居状態にあったのを、紹介してもらったかたちだ。
ちなみに、建前上の兵団長は、エミにやってもらっている。
兵団の統率はまだ無理だが、元々、剣術で冒険者予備校の武術教練を免除されるほどの剣の使い手だ。入学前は、ローチ伯家の剣術道場で、師範代にまで上がったことがあると言う。
そんな事もあって、アーヴィングとも知己があり、実際、アーヴィングはエミに会えて、いたく感動していた。
「全体、止まれ」
先頭を、鎧をつけて、なお年齢を感じさせない動きをしていたアーヴィングが、号令をかける。
「右方、アルヴィン・バックエショフ準男爵閣下。右向けぇー右!」
そう声を張り上げて、こっちを向いたかと思うと、
「総員、最敬礼!」
と、いい、槍を持った状態で、それを捧げるようなポーズで、俺に敬礼をした。
「一応、形にはなってきてるか」
「武術、もっと鍛えなきゃならない人、いっぱいいるけどね」
俺が苦笑しながら言うと、エミが、ニュートラルな表情でそう言った。
「お手柔らかに。それと、灌漑工事を行うことになった。兵団からも工員を出してもらいたいから、それも頼む」
「了解」
俺の言葉に、エミはそう答えてから、口元で微笑んだ。
大陸の河川らしく、悠々と流れている……の・だ・が。
やはり地盤と言うか土壌の問題なのだろうか、川そのものが侵食されてV字に、軽い谷を作ってしまっており、農地に使える土地に対して、水面があんまり高くない。
「て……事は、水害の心配はあまりないと言うことか」
俺は、逆にそう考えた。
「トウイ川が氾濫を起こしたことは、少なくともラッセルズ・マークル卿が爵位を継がれてから、起きていなかったようだ」
視察に同行してもらっているセオ兄は、そう言った。
ちなみに、アイザックとキャロにも同道してもらっている。
「ただ、南の山地から流れ込んでくる中小規模の河川に関しては、その限りじゃない」
「なるほどね……南にイチゴ農園があるのは、そちらからの水の流れもあるからか」
まぁ、他にも理由はあるんだが。
「水車を使った灌漑は行われてきたが、それでも限界はあるようでな……」
「なるほど」
川の水面が低い理由が土壌そのものにあるのだとしたら、用水路を作っても、水が地下に吸い込まれてしまって、効率は良くないだろう。
ただ、農地として考えた場合、水はけがいいというのは、決して悪くないはずだ。
確か、川砂混じりの田んぼでつくられる米は、特に味が良くなると、前世の学生時代に、近所の農家のおばちゃんから聞いた覚えがある。
「川の南側は山からの川を導水事業で広げるとして、北側はもっと抜本的な対策が必要ですね」
そもそも、川が山裾を沿うようにやや南側を流れていて、大農作地帯と呼べる一帯は川の北側に存在している形になる。
「川の上流に溜池を作って、用水路を作って本格的な灌漑事業を始めるしかないな」
「それはいい考えだが、どうやって揚水する? 水車でやるにしてもかなり大規模なものになると思うが……それに、今までようにすぐに使い物にならなくなってしまうのではないか?」
俺の言葉に、セオ兄が訊いてくる。
「用水路自体には、コンクリートで水路を固めて、水が逃げたり土壌を流したりしないようにすればいいんだよ」
モルタルでも安くていいんだが、生憎俺はモルタルの製法まで知らない。
調べられたら使うんだがな。
「なるほどな、で、肝心の揚水は?」
セオ兄が訊いてくる。
「ううん、やっぱり大規模な水車を……」
作るしかないかなぁ、と、俺が腕組みをして、考え込んだ時。
ヒュウゥゥ……
風の流れを感じた。
「……北風が吹いているな」
「あら、そう言えば、そうね」
俺が言うと、キャロがそれに反応して、感覚を研ぎ澄ますような仕種をした。
「ああ、おそらく、谷風でしょう。南部山地へ向かって吹く風が、ほとんど通年、吹いているようです」
アイザックが、笑顔混じりに説明した。
「てー事は、それなりの風が1年中吹いてるってことか」
俺は、南側と北側を交互に見ながら、そう言った。
「そうですね、高台にでも登れば、それこそ1年中風を感じられるかと」
「ふむ……」
アイザックの言葉を聞いて、俺は少し考える。
「水車に固執することもないか……」
「何か、いいアイデアでも浮かんだの?」
俺が呟くように言うと、キャロがそれに訊ねてくる。
「まぁね、まだ、構想の段階だけど……」
そう、キャロには言ってから、
「アイザック、用水路を作るとして、工員は集められるか?」
と、視線をアイザックに移して、そう訊ねた。
「農家の三男坊以下でしたら、多少は集められないこともないのですが」
アイザックが答える。
「なんだよなぁ、休耕期にやれたら、良かったんだけど……でもま、頭数揃わない分は俺がなんとかするか」
アイザックの言葉に、俺は少し脱力したようにしつつ、そう言った。
「そんなまだるっこしいことしなくても、全部アルヴィンが魔法でぱぱっとやっちゃえばいいんじゃない?」
キャロが、そんな事を言ってきた。
「それだと、もし俺がいなくなったりしたら、必要な工事する人間を編成することができなくなるだろ」
俺は、ため息交じりにそう言った。
「それに、これも一種の、経済活動……要は、お金を循環させる意味もあるんだ。工員に参加してもらった人が、報酬を得て、それで何かを対価に買う。そう言うことが増えれば、自然に商人や職人が集まってきて、商売の取引が発展、結果として領地全体が発展するわけ」
「なるほど……そこまで考えているってわけね」
俺の説明に、キャロは視線を上に上げるようにしながら、そう言った。
俺が全部やっちゃったら、俺1人のところにばっかり金が集まってきて、領地全体の通貨供給量の割に収入が上がらない、所謂悪性インフレになるからな。
「うーん……、しかし」
今はまだ暑いとまでは言えない時期だが、南方からの湿った熱い季節風で夏を迎えるアドラーシールム帝国南東部になって、この領地は山地で遮られ、冷やされるために、あまり暑くならないのだと言う。
ちなみに、ブリュサムズシティや、元実家のオズボーン・バックエショフ子爵領は、それなりにうだるような暑さになる。
なるほど、暑さに弱いイチゴの栽培には適してるってわけか。
それと、乾燥に強いジャガイモな。
ただ、それなら、鉄道やクルマがあれば、避暑地としても開発できるんだがなぁ
「観光地としてもやっていけそうなものだが、陸路の交通機関が貧弱なのが厳しいな」
空路はハッキリ言って、話にならんほど高価いしな。
「観光地、ですか」
「ええ、避暑地としていい……かなと」
アイザックの言葉に、俺は軽く笑いながらそう説明した。
「なるほど……このあたりはローチ伯やブリュサンメル上級伯、それにその寄騎の貴族が自領を持っています、それらの方々に別荘を持っていただくというのはどうでしょう」
「いいね、それ。やってみようか」
アイザックの提案に、俺はそう言った。
後は、温泉でも出れば完璧なんだが……
後で、ちょっと探してみるか。
「ぜんたーい、行進、右、左、右、左!!」
そんな掛け声を掛け合いながら、行進の訓練をしているのは、我がアルヴィン・バックエショフ準男爵の騎士兵団だ。
とは言っても、まだ現地の人間から組織するなんて余裕はない。
じゃあ、ここの人間はどういった人材なのかと言うと、俺がまだ、形式上、冒険者養成学校にいた頃、売り込んできた連中である。
学校の元同期生、それに、ブリュサンメル上級伯領にいた、在野の冒険者なんかも混ざっている。
俺に仕えれば、陪臣として取り立ててもらえる可能性もある、そう言う、目論見を持った人間だ。
もっとも、軍務を引き受けた以上、甘やかす気はなかった。
今、兵団を指導しているのは、俺の兵団奉行となったアーヴィング・イングリス・イッテンバッチュ副兵団長。
壮年の男性で、元々はローチ家の兵団の指揮官だったが、既に半隠居状態にあったのを、紹介してもらったかたちだ。
ちなみに、建前上の兵団長は、エミにやってもらっている。
兵団の統率はまだ無理だが、元々、剣術で冒険者予備校の武術教練を免除されるほどの剣の使い手だ。入学前は、ローチ伯家の剣術道場で、師範代にまで上がったことがあると言う。
そんな事もあって、アーヴィングとも知己があり、実際、アーヴィングはエミに会えて、いたく感動していた。
「全体、止まれ」
先頭を、鎧をつけて、なお年齢を感じさせない動きをしていたアーヴィングが、号令をかける。
「右方、アルヴィン・バックエショフ準男爵閣下。右向けぇー右!」
そう声を張り上げて、こっちを向いたかと思うと、
「総員、最敬礼!」
と、いい、槍を持った状態で、それを捧げるようなポーズで、俺に敬礼をした。
「一応、形にはなってきてるか」
「武術、もっと鍛えなきゃならない人、いっぱいいるけどね」
俺が苦笑しながら言うと、エミが、ニュートラルな表情でそう言った。
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