突発性変異症候群

荒井 恭介

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変異学園
それは、変異した人間ならざるもの達が通う学校だ。ここは少し変わっていて、小学校、中学校、高等学校の合成学校になっている。
そして、変異ランキングというのが存在する。変異に目覚めた生徒の能力順にランキングされている。
そして、そのランキングに応じてクラスが決まっている。学年、性別は関係ない。
つまり超実力主義なのだ。
そして、俺もこの学校に通っている。
俺はまぁ、最強クラスに変異できる。
そして、俺は後天性の変異能力者だ。
普通、変異能力者は先天性なので、普通後天性は、あり得ないのだ。つまり俺は凄く希少なのだ。
しかしランキングは真ん中。理由は簡単。
目立ちたくない。目立つと面倒臭いし
しかしそんなことを認めてくれないやつもいる。それはランキング一位の名声を欲しいがままにしている。荒井観月。我が可愛い妹だ
本人には言わないが。何故か?簡単だそんなこと言ったら‥……無言で蹴られる。
あれ地味に痛いんだよ
そんな妹はいつも昼時になると毎回俺のとこにくる。弁当を届けに
ガラッガラガラッ
『お兄ちゃん~持ってきたよ~』
ほらきた
『おうっ、ありがとうな』
『私偉い?』
『おぉ偉いぞ』
『じゃあ頭撫でてー?』
『分かったぞ』ナデナデ
すると周りが
(またやってる。妹の七光りのくせに、あいつになら勝てるかも。それなほんとソレ)
やめてそんなことやると
『好き勝手なこと言わないでよっ』
ほらこうなる。すると周りのやつらは押し黙った。観月はこっちを見て
『お兄ちゃんももっとちゃんとしてよ』
と泣きそうな顔をした。
そうか妹を悲しませていたのか俺は‥……
『すまなかった観月』ナデナデ
『観月の願いだもんな叶えるのがお兄ちゃんってもんだ。一週間の間に観月と同じクラスになるよ』
『ほんと?』
涙声できいてきた
『おうっ』
また周りが 
(一週間の間にだと?つうことは、あれだよな。あいつを潰す大義名分ができた。)
『俺、荒井恭介は明日、早朝よりクラス戦争に挑戦することを宣言する。』
クラス戦争
それは、挑戦者がCクラス全員と闘い勝つことにより好きなクラスになることができる制度だ。Cクラスは多いので200人ぐらい
開催時より五時間の間にクラス全員戦闘不能にした場合。また、逃げきった場合。
この二つが勝利条件だ。

クラス戦争開催のブザーがなった。
するとクラスのやつらは一気に勝負をつけにきたのか変異し攻撃してきた。
やれ殺すだの、死ねだの言っている。
(いやいや殺しちゃダメだろこいつら馬鹿なの?)
と、心の中で悪態を吐きながら、俺も変異するために手に噛みつき血を吸った。
察しのいい人なら分かるだろ。そう俺は‥……吸血鬼に変異した。俺はいくつかの変異ができる。吸血鬼は、その中でも中の上。
この上には、三種類ある。
吸血鬼の、変異能力は血を吸うことでの体力回復、傷の修復、身体能力上昇とまぁ、色々ある。それも吸血鬼の、マイナススキルは全くない。いいよな
するとクラスの連中は
(ま、マジかよ、吸血鬼だと?勝てない。
なに弱気になってんだ殺るしかないんだよ。)
『俺も勝ちたくないんだが、観月の頼みは、絶対厳守だから負けねぇよ』
そういうと俺は化け猫に変異したやつの首を持つと地面に向け投げつけた。‥……気絶したか。あと200人ぐらいかまぁ簡単だろ。
予想通りにいったのは100人までだった。
何故か?クラスのやつらも馬鹿じゃない。
連携しつつやることにより、俺に攻撃の隙を与えなくしていった。ちょっとキツいな
次の奴に変異すればいいんだが、あれはちょっと苦手だからな‥……
『腕貰い~』
そういうと気色悪い笑みを浮かべたハルクみたいなやつが斧で俺の腕を切断した。
‥……‥……油断した。
つうかやべー超痛い。泣きそう
あっ、回復するか。そして周りを見ると指揮をとっている少女がいた。
‥……厄介だし吸っておくか。
俺がジャンプして、少女のもとにいくと少女は、泣きそうになりながらこっちを見てきた。なので、俺は
『安心してくれ、殺しはしないから』
そう言って少女の背後に回り込むと首に歯をたて血を吸った。
『んっ』
彼女は、少し色気のある声をあげ、力が入らなくなったのかその場に座り込んだ。
俺の腕も再生している。ていうかヤバイ
やっぱり女の子の血は男のより旨い。
‥……‥……今度観月に飲ませて貰えないかな。
等と阿呆なことを考えながら、指揮系統を失ったクラスの連中を蹂躙していった。
コイツらホントに弱いな。
あっ、こいつ俺の腕を切断したやつだ。
痛かったのでその恨みもこめて他のやつらより、力をいれながら殴った。
すると、クラス戦争終了のブザーが鳴り響いた。あっ、最後アイツだったんだ。
まぁ、これで観月を喜ばせられるな。
と、一人感慨に耽っていると
『おめでとう』
こいつは、俺にことあるごとに厄介ごとを押し付けてきたダメ教師だ。嫉妬なのかなんなのかは知らないが、ホントにやめてほしい。
『これで観月ちゃんのところに行けるね』
はぁ?観月ちゃんだ?
『いやぁ、簡単だったよ。あの子を監禁するのは』
監禁ねぇ?観月なら、直ぐに逃げられそうな物だかな
『薬を使って変異出来ないようにしてからだと捕まえるのは簡単だね。あっ、そうだ。
あの子結構可愛いから僕の嫁にでもしようかな。それと僕を殺したら、観月ちゃんの場所が分からなくなるからね』
プツン
俺の中で何が切れた。そして殴りかかった。
アイツは気持ち悪い笑みを浮かべると
注射器を俺に刺してきた。
情けないなと思いつつ俺は意識を手放した。


目が覚めるとそこは薄暗い部屋だった。
そして涙目の観月がいた。怖い思いをしたんだな。もう迷ってる場合じゃないか‥……
『観月、ごめんな』
『なんでお兄ちゃんが謝るの?お兄ちゃんは何も悪くないよ。悪いのはアイツだよ』
『そうか。観月あいつを倒すために‥……‥……言いにくいんだが血を吸わせてくれないか?』
『うん、いいよ。だけどあれって同じ人を複数回吸うと吸った人の眷属になるんじゃなかった?』
そうなのだ。一定の確率ではあるんだが2回以上吸うと眷属になる、可能性があるのだ。
それも過去に俺は観月の血を吸っている。
だから、今回なってもおかしくない。
『やっぱりダメだな』
『私お兄ちゃんの眷属ならなってもいいよ。もし、なったときは沢山甘やかしてね』
と、頬を染めながら言ってきた。
『あぁ、勿論だよ』
そう言って観月の首にかぶり付いた。
鼻孔を女の子特有の甘い匂いが擽る。
血を吸いながら思ったのは、やっぱり観月の血は最高だな。ヤバいなんか変態っぽいな。
一方観月は
『んっ‥……ぁっ‥……はぁ』
と、色っぽい声をあげていた。
足音が聞こえてくる。あいつだな。
血がさっきよりあるからあれも使えるな。

ガチャッ
ドアが開くと同時に服で相手の視覚を塞ぎ、
腹に殴りをいれ、膝まずいたところに顔面に蹴りをいれた。完全に倒れたところで肩に力をいれ関節を外し痛がっているにも関わらずもう片方の肩の関節を外した後思いっきり蹴り飛ばした。あれ?弱すぎ‥……吸わなくて良かったんじゃないか?
まぁいいか。あれ使うと理性が危なくなるし。
『弱っ!!』
観月が余りの弱さに声が大きくなっているし、ほんとどんだけ弱いんだよ、コイツ‥……
悪役ぶるならもうちょっと強くなってからしろよ‥……
『よし、帰るか観月』
『うん』
『そういえば観月。クラス戦争な‥……』
『もしかして負けたの?』
『いや勝ったんだが、腕が切断されてな血を吸ったんだよ』
すると、あからさまに観月が不機嫌になった。
『ふーん?』
『えと‥……その‥……だな』
『どっちが‥……どっちが美味しかった?』
『そりゃ観月に決まってるだろ』
『そうかー私の方が美味しかったかー』
なんか上機嫌になった。
よかった‥……ん?いいのか?これ
知らない人が聞いてたら観月が血が美味しいって言われて喜んでる変態に見えないこともないよな‥……まぁいいか、観月は可愛いから。
『それにしても観月あまり心配かけるなよ』
『ごめんなさい』
見るからに反省している。という感じを出してきた。
『次からは気を付けろよ。観月は可愛いんだから何されるか分からんだろ?』
『い、今可愛いって言った?』
『へっ?もしかして怒った?』
『いやいや違うよ。嬉しかったの』
手を振りながら必死になって否定してきた。
『そうかよかった。観月は優しいな~』
そう言って、観月の頭を撫でた。
『ふにゃー私は優しいからねー』
そうこうしている内に家についた。
今日は疲れたし学校への報告は、明日でいいか。
そして俺は家に帰ると自分のベッドに身を投げ出し意識を手放した。

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