五大魔法で最強なのは雷魔法ではないだろうか?

荒井 恭介

文字の大きさ
4 / 13

自己紹介と食事会

しおりを挟む
執事とメイドと思われる二人組に襲撃された俺は先程から気になっていたことを聞いた。
『なぁあんたら名前何て言うんだ?』
『そう言えば自己紹介がまだでしたか。私の名は、ヘスティア。アニエル様のメイドをしています。』
『僕の名はヘファイス。アニエル様の執事をしています。』
『俺の名はラミエル・バルキエル。アニエルのパーティーメンバーだ。』
『バルキエル様は……』
『ラミエルでいいぞ』
『それでは、ラミエル様は貴族なのですか?』
 あぁやっぱりそこかぁ‥そうなのだ。この世界では、名字があるのは、貴族等の上流階級の者が多い。アニエルは貴族なのだろう。メイドとかいるし、それにそれならば、バフォメット刈ろうとしてたのも頷ける。この世界での貴族は偉ぶるだけではなく、国からの要請または、民からの要請で魔物を刈ったりしたりしなければならない。
『いや、違うぞ。俺はただの冒険者だからな』
『そうなの……ですか』
納得は出来ていないのだろう。ヘスティアは、曖昧な返事をした。
『まぁ、そんなことよりお前らの契約したのは名前通りの神か?』
『ご明察その通りです。』
『ここってビックネーム多いな。』
と一人感心していると
『ラミエル様は、雷を司る神様ですか?』
『あぁその通りだ。』
『どの神様と契約を?雷を司る神様は厳しいことで有名ですが……やはりトール様ですか?』
 やはりそっちの方が出てきやすいよな。
『残念ながら外れだ……知らない方が身のためだぞ?』
 忠告を入れ、この話題に触れるなとさりげなく促した。しかし
『えっ?教えてくれないのですか?』
 この馬鹿貴族は気付かなかった。
『いや、別にいいんだけどよ……あんまりうちの神様人気ないんだよな。』
『えぇー知りたいです。』
 はぁ……この女には何を言っても無駄だと判断した俺は
『じゃあ他言無用で頼む』
『はい勿論です』
 三人はそう言って頷いた。
『まず俺は神様と契約していない。神の配下の怪物と契約している。』
『……え?』
 まぁ、普通はあり得ないことだからな。俺はそのまま話を続ける。
『俺が契約しているのは、悪神アンラ・マンユの配下である怪物アジ・ダハーカだ。』
『悪神の……配下ですか』
 やはり受け入れ難いのだろう。
『な?聞かなかった方が良かっただろ?』
『いえ、そんなことはありません。凄いです。ラミエルは、他のかたが成し遂げられ無かったことをなさったのですよ。凄いと思う以外あり得ません。』
 何でこいつこんなポジティブなの?
『そう‥ですねアニエル様の言う通りです。ラミエル様は凄いです。』
 何この、凄いコールこんなに凄いって言われたことないから止めて欲しい。なので無理矢理話題を変えた。 
『ところでアニエルって料理できるのか?』
『急な話題変換ですね』
 ヘファイスがボソッと呟いた。
それを敢えて無視し話を続けた。
『で?どうなんだ?』
『出来ますよ。これでも大抵のことはできるんですよ?今日だって私が作りましたし』
 当然のことのようにそう言った。
『おぉ本当か?じゃあ食べたいんだが……』
『はい勿論です。さぁ食事室に行きましょう。』
 アニエルは、先陣をきって食事室に案内してくれた。そこには手間隙が掛かりそうな料理があった。料理を食べる前に各々の神に感謝を伝え、食事を始めた。
 スープを飲めばしっかりとした味わいでありながらくどくない後味で。
 肉を食えば肉汁が溢れ口の中を満たしてくれた。他の料理も皆絶品揃い。
『アニエル……旨い超旨い』
感想を言うとアニエルは満面の笑みを浮かべ
『それは良かったです。誉めてくれてありがとうございます。』
『いやこちらこそ、ここまで旨いとは思いも寄らなかった。ご馳走さま』
『ラミエル様』
『ん?なんだ?ヘスティア』
『お風呂の準備がしてありますが入浴なさいますか?』
 風呂か……今日は結構走ったからありがたい。
『あぁお願いしても大丈夫か?』
『わかりました。では、後程ヘファイスが案内しますので、それまでは寛いでてください。』
『あぁ分かった。色々すまないな。』
『いえ、気にしないでください。では』
そう言って、ヘスティアは何処かに行ってしまった。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

さようなら、たったひとつの

あんど もあ
ファンタジー
メアリは、10年間婚約したディーゴから婚約解消される。 大人しく身を引いたメアリだが、ディーゴは翌日から寝込んでしまい…。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...