13 / 71
1章 幼少期
8話 3歳になりました
しおりを挟む
━━━カイトの部屋━━━
月日は流れ、カイトは3歳の誕生日を迎える。
「おはようございます。カイト様」
「あ、あぁおはよう」
いつもは絶対に起こしに来ない貴族出身のメイド、そのうちの1人がにこやかにカイトを起こす。
その笑顔は晴れ晴れとした感じで、いつもカイトに向ける仕方なくといった感情が一切感じられなかった。
ゾクッ
しかしカイトは、その笑顔を見て何故か背筋が凍るような感覚を覚える。
(なんだ?……何かがおかしい…いつもの態度も、メイドとしてはおかしいがここまでの違和感はなかった…)
カイトがメイドの態度に違和感を覚えていると、当のメイドはにこやかな表情を崩さずそのままカイトの部屋を退室していった。
カイトはそれを横目で確認すると、気分転換も兼ねた朝の修行をするために練習着に着替える。
体力は毎日の修行のおかげでだいぶ付いて来た。
ギン先生にも次の段階に進んでも良いと言われ、今日からやることになっている。
カイトは鏡でおかしな所が無いかを確認すると、庭にある訓練場所へ歩き始めた。
━━━庭━━━
カイトがつく頃には既に兄と先生は庭に立っていた。
「おはようございます。お兄様、ギン先生」
「おう!おはよう。さてこれで揃ったな!では今日の修行を始める!」
「「はい!」」
「まずカイトだが走りながらコイツの邪魔をしろ」
「そして次にエルラーイ。分かっているとは思うが邪魔するカイトを攻撃し続けろ」
「カイトはそれを走りながらよければいい。どうだ?効率良い修行だろ?」
「「………」」
ギンの無茶ぶりに言葉を無くす2人。
「先生。攻撃はどれくらいの力でやれば?」
「勿論本気だ!スピードも力も全力でな!」
再度言葉を無くす2人。
「ん?ああ、怪我しても大丈夫だ。なんせ回復魔法を使える奴を呼んだからな」
(いや、どっちしろ無茶ぶりなんですが……)
「さあ始めろ!」
「いくぞ、カイト」
全力で打ちかかってくるエルラーイとそれを走りながら必死によけるカイト。
(ヤバいこの人。本当に文官志望かよ!!太刀筋が鋭すぎる!)
そんな事を考えながらもよけ続けるカイトも異常である。
しかし完全によける事が出来るはずもなく、5分でカイトに限界がくる。
「そこまで!いやぁ思っていたより持ったなー」
カイトの頭の寸前で止まる木剣。
気が抜けて意識を失い倒れる満身創痍のカイト。
それを受け止めるエルラーイ。
見方によってはいじめにも見える。
しかし
「先生。早くカイトに回復魔法を」
「おっとそうだった。ちょっと待ってろ」
カイトを地面に寝かせて介抱するエルラーイの姿は弟を心配する兄そのものだった。
その後、ギンのつれてきた魔術師のおかげで傷が癒え気がつくカイトにエルラーイは安堵の表情を浮かべる。
「あたしとしちゃあ、てっきり手を抜くもんだと思っていたんだがね?」
「それはカイトに失礼です。何より僕達の為にならない」
「ほう、なかなか良い目をするようになったじゃないか」
「ありがとうございます。では」
そういうとエルラーイはカイトをおぶって屋敷の中に消えていくのだった。
月日は流れ、カイトは3歳の誕生日を迎える。
「おはようございます。カイト様」
「あ、あぁおはよう」
いつもは絶対に起こしに来ない貴族出身のメイド、そのうちの1人がにこやかにカイトを起こす。
その笑顔は晴れ晴れとした感じで、いつもカイトに向ける仕方なくといった感情が一切感じられなかった。
ゾクッ
しかしカイトは、その笑顔を見て何故か背筋が凍るような感覚を覚える。
(なんだ?……何かがおかしい…いつもの態度も、メイドとしてはおかしいがここまでの違和感はなかった…)
カイトがメイドの態度に違和感を覚えていると、当のメイドはにこやかな表情を崩さずそのままカイトの部屋を退室していった。
カイトはそれを横目で確認すると、気分転換も兼ねた朝の修行をするために練習着に着替える。
体力は毎日の修行のおかげでだいぶ付いて来た。
ギン先生にも次の段階に進んでも良いと言われ、今日からやることになっている。
カイトは鏡でおかしな所が無いかを確認すると、庭にある訓練場所へ歩き始めた。
━━━庭━━━
カイトがつく頃には既に兄と先生は庭に立っていた。
「おはようございます。お兄様、ギン先生」
「おう!おはよう。さてこれで揃ったな!では今日の修行を始める!」
「「はい!」」
「まずカイトだが走りながらコイツの邪魔をしろ」
「そして次にエルラーイ。分かっているとは思うが邪魔するカイトを攻撃し続けろ」
「カイトはそれを走りながらよければいい。どうだ?効率良い修行だろ?」
「「………」」
ギンの無茶ぶりに言葉を無くす2人。
「先生。攻撃はどれくらいの力でやれば?」
「勿論本気だ!スピードも力も全力でな!」
再度言葉を無くす2人。
「ん?ああ、怪我しても大丈夫だ。なんせ回復魔法を使える奴を呼んだからな」
(いや、どっちしろ無茶ぶりなんですが……)
「さあ始めろ!」
「いくぞ、カイト」
全力で打ちかかってくるエルラーイとそれを走りながら必死によけるカイト。
(ヤバいこの人。本当に文官志望かよ!!太刀筋が鋭すぎる!)
そんな事を考えながらもよけ続けるカイトも異常である。
しかし完全によける事が出来るはずもなく、5分でカイトに限界がくる。
「そこまで!いやぁ思っていたより持ったなー」
カイトの頭の寸前で止まる木剣。
気が抜けて意識を失い倒れる満身創痍のカイト。
それを受け止めるエルラーイ。
見方によってはいじめにも見える。
しかし
「先生。早くカイトに回復魔法を」
「おっとそうだった。ちょっと待ってろ」
カイトを地面に寝かせて介抱するエルラーイの姿は弟を心配する兄そのものだった。
その後、ギンのつれてきた魔術師のおかげで傷が癒え気がつくカイトにエルラーイは安堵の表情を浮かべる。
「あたしとしちゃあ、てっきり手を抜くもんだと思っていたんだがね?」
「それはカイトに失礼です。何より僕達の為にならない」
「ほう、なかなか良い目をするようになったじゃないか」
「ありがとうございます。では」
そういうとエルラーイはカイトをおぶって屋敷の中に消えていくのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
102
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる