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さらに美味しいご飯

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「さぁ、そういう訳で食事です。リクエストはございますか?」
「揚げ物!」
「揚げ物は胃腸への負担が大きいので駄目です」
「むぅ!」

 私がふくれていると、事態を見守っていた冒険者の皆さんが鼻血を出したり明後日の方向を向きだした。
 えっと……けが、治ってなかった?
 回復魔法を掛けてあげて、商人ギルドの食堂に移動する。必要なものは何でも使っていい、ってロンドさんは言ってくれたけど、幸いにも昼間のうちに食材も調理器具も買っておいたので、必要なのはかまどとまきだけ。
 空間魔法から必要なものを取り出してあげればチャチャっと並べて、ノノは腕まくりをした。
 私はカウンターの向かい側に座ってノノを眺める役目。

 ……なんだけど。

「えっと、もしかして皆お腹減ってる?」

 冒険者さん達がぞろぞろ付いてきた。思わず訊ねたら、皆でコクコク頷いた。

「腹ペコです!」
「生まれた時からずっと何も食べてないです!」
「メイドさんの手料理が食べたい!」
「美人のつくる美味しいご飯……!」
「ぜ、ぜひともお願いします!」

 ふふーん。
 ノノを美人とな。なかなか分かってるじゃん。
 思わずにっこりしたら、冒険者さんたちは顔を真っ赤にしていた。うんうん、ノノってすっごい美人だしスレンダーでスタイルも良いもんね。
 ぜーーーったい渡さないけど、褒めてくれたことだし何とかしてあげたい気持ちも湧いてきた。

「ノノ……?」
「私はお嬢様にお仕えしてるのですから、不安そうにせず命じてくだされば良いんですよ」
「できれば、冒険者さんの分も作ってあげてほしいの」
「かしこまりました……冒険者の皆様の分はお嬢様のついでです。お金も取りますので、それでも良ければ並んで待っていてください」

 大歓声があがったところでさっそく料理開始だ。
 私が三人くらい入れそうな大鍋にごま油を入れて、大樹林で倒したイオナズンボアの肉の薄切りとひょろ長い根菜の薄切りを炒め始める。
 フェミナさんを始めとした冒険者さんたちの何人かが手伝う、と言ってくれたのでノノは食材をがんがん切って指示を飛ばしていた。

「香ばしい匂いがしっかり立つまで炒めてください。イオナズンボアの脂を絡めるイメージです」

 香りが立ったところで水をざばっと入れて根菜を中心にどんどん野菜を追加していく。あらかた入れたらアクを取りながらことこと煮込む。

 その間に、と取り出したのは卵だ。
 陶器の深皿に四つほど割り入れて、調味料まで計り入れてからカカカッと混ぜる。透明なところと黄色いところがしっかり混ざったら四角いフライパンに流し込んだ。
 ひょいっと振って巻きながら固めていき、端まで行ったらまた卵液を追加。あっという間に大きくなった。金にも見える鮮やかな黄色がなんとも綺麗だ。

「厚焼き玉子、という料理です。量産しますので、焼けそうだと思った方は手伝ってください」
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