【完結】最強ロリ聖女のゆるゆりグルメ紀行

吉武 止少

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不穏な動き

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 グレアランド帝国から戦争を仕掛けることはしない、とアーヴァインは断言してくれた。

「マリィが望んだからな。俺に望みを告げ、叶うのはなかないことだぞ? マリィだから叶えてやる」
「……? ありがとうございます……?」
「……絶対伝わってないだろコレ」

 なぜかアーヴァインはやる気を無くした顔してたけど、戦争しないならそれで良いかな。
 と言っても国同士のことだから、ブレナバン王国から仕掛けてきたら話は別と言われてしまったけど。確かに攻められても無抵抗、ってのはできない話だし、仕方ないだろう。

「そのブレナバン王国だが、何やら慌ただしい動きを見せている」
「まさか戦争の準備?」
「いや。第四王子のマーカスが結婚式を挙げる、と招待状を送ってきたんだが、その二日後に結婚式は延期、と国王から手紙が届いた」
「王族内で意見がまとまっていないってこと?」
「その通り」

 エクゾディス大樹林の開拓作戦が失敗したペナルティだろうな、と告げたアーヴァインはちょっと悪人っぽい笑みを浮かべて視線を走らせた。
 その先にいるのはロンドさんだ。

王子マーカスの命令より国王から命令のほうが優先されるので結婚式は延期なはずですが、モノの流れは止まっていません」

 普段使いには向かない豪華な宝飾品や、ウェディングドレスに使われるような特別な生地。さらには国を挙げた特別な慶事でもあるのかってくらい大量の食料品。

 それらの入手依頼が商人ギルド連盟に依頼され、らしい。

「うっかり、とか?」
「ないな」
「ないですね」
「さすがお嬢様です。あのバカ王子ですから、うっかりの可能性もあるかもしれません」


 ロンドさんとアーヴァインがそろって否定する。私に優しくしてくれるのはノノだけだよ!

「いかに王族といえども個人では賄えないほどの金額だ」
「食料品は追加発注まで受けて、主要な都市部にいきわたる量が注文されています」

 どういうことなんだろう。
 話が見えてこないので首を傾げる。

「各都市に食料を寄付して無料で馬鹿騒ぎをさせるのは、王位を交代した時、求心力を高めるためによくやる手法だ」
「新しい王様は国民思いで太っ腹、というイメージをつけるわけですね」
「もうすぐ王位交代ってこと……?」
「さてな。本来ならば戴冠式も他国の人間を招いて大々的にやるのが普通だが、そんな話は出ていない」

 きな臭い。
 すっごく考えたくないけれど、一つの可能性が頭をよぎる。

「帝国首脳部は第四王子による王権奪取……政変クーデターの可能性もあるとみている」

 うわぁ……考えたくない可能性だよ……。
 政変なんて起こったら貴族はたくさん死ぬし、その地で暮らしているだけの人々も戦火に巻き込まれる可能性がある。
 本当は止めたい。
 止めたいけれど、私にできることなんてたかが知れてるし、そもそも何の権利があってクチバシを突っ込むんだろうか。

「ノノ、何かデザートを作れるか?」
「命令しないでください。今作るところでした」
「えっ?」
「曇った顔よりも、美味いものを頬張って笑っているマリィの方が魅力的だ」
「えっ!? そんなに食いしん坊に見える!?」
「……そうじゃなくてだな」

 頭を抱えたアーヴァインをよそに、ちゃちゃっとデザート作りを始めたノノが柔らかな笑みを向けてくれた。

「いやな想像が膨らんでしまうのは栄養が足りていないからです」
「そうなの?」
「はい。糖分を摂取することで脳の働きも活性化しますし明るい想像も膨らみやすくなります」

 お腹減ってる気はしないんだけど、ノノがそういうならそうなんだろう。

「召し上がりませんか?」
「食べるっ!」

 ノノのおやつ!
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