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序章〜不夜城のキマイラたち⑴
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ーー僕らの住むその町は、夜に支配されていた。
街の空は常に深い紫がかったような色で、時おり塔のように聳え立つ高層ビルの屋上から月が顔を出す。
不夜城。
前にどこかで聞いたそんな言葉がぴったりだと思う。夜が明けない街は実に非現実的で、幻のようだ。
窓の外に淡く輝く月が見える日には5歳違いの妹の華と一緒に暮らしているアパートの部屋のベランダに出て二人で眺める
夜空に浮かぶ月は儚げで、手で触れれば崩れ落ちてしまいそうに見えた。
「ねえねえお兄ちゃん。こんやのお月さま、キレイだねえ」
ベランダで僕の隣から夜空を見上げていた華がうっとりとした声でそう言う。
「…ピンク色しててすごくキレイ。わたしの好きなイチゴみたい」
華の素直な感想はもっともだと思う。今日の空に浮かぶ月は鮮やかなほどにピンク色をしていた。ストロベリームーンというのだったか。まん丸に膨らんだ月のかたちが満月であることを示している。
「うん、ほんとだ。綺麗なピンク色だね華」「町中に桜の花が咲いたみたいに見えるよ」
僕は華の言葉に合わせてそう言ってみた。霧ヶ峰市中の建物に月の光が反射して淡くピンクがかって見えるのだ。こんな日は滅多にない。せっかくだからと僕は部屋に携帯電話を取りに戻る。写真を撮っておこうと思ったのだ
街の空は常に深い紫がかったような色で、時おり塔のように聳え立つ高層ビルの屋上から月が顔を出す。
不夜城。
前にどこかで聞いたそんな言葉がぴったりだと思う。夜が明けない街は実に非現実的で、幻のようだ。
窓の外に淡く輝く月が見える日には5歳違いの妹の華と一緒に暮らしているアパートの部屋のベランダに出て二人で眺める
夜空に浮かぶ月は儚げで、手で触れれば崩れ落ちてしまいそうに見えた。
「ねえねえお兄ちゃん。こんやのお月さま、キレイだねえ」
ベランダで僕の隣から夜空を見上げていた華がうっとりとした声でそう言う。
「…ピンク色しててすごくキレイ。わたしの好きなイチゴみたい」
華の素直な感想はもっともだと思う。今日の空に浮かぶ月は鮮やかなほどにピンク色をしていた。ストロベリームーンというのだったか。まん丸に膨らんだ月のかたちが満月であることを示している。
「うん、ほんとだ。綺麗なピンク色だね華」「町中に桜の花が咲いたみたいに見えるよ」
僕は華の言葉に合わせてそう言ってみた。霧ヶ峰市中の建物に月の光が反射して淡くピンクがかって見えるのだ。こんな日は滅多にない。せっかくだからと僕は部屋に携帯電話を取りに戻る。写真を撮っておこうと思ったのだ
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