DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート

みーくん

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第四章

第十話

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蛮族たちを見送り、おっさん達も旅を再開した。

これといって何もない道を……何日走っただろうか?

景色が少しずつ変わってきて、左手のほうには山脈が聳え立ち、
右手のほうには海の見える平地が広がっている。

やがて、道は分かれた。

片方の道には、馬車の轍が幾重にも刻まれている。
もう片方は、草が茂り、まったく人の通った痕跡がない。

俺は、馬車を停めた。

そして、蛮族たちに使わせたあの鉄筋の余りを、地面に立てる。
そっと手を放すと──

ぱたん。

鉄筋は、左へ倒れた。

「左か」

俺はぼそりと呟くと、手綱を取り直した。

「おとーさん、またへんなの出るかもよ……」

不安そうにトゥエラがぼそっと言った。
テティスは、なぜか目を輝かせている。

「まぁ……どっちに行っても、ぼちぼち行くしかねぇさ」

馬車は、山脈の方へ向かい、ゆっくりと動き出した。

海から吹く潮風が、俺たちの旅路を撫でていった。

それからまた、数日進んだだろうか。

山脈はぐっと近くなり、もう手を伸ばせば届きそうなほどに見える。

周囲には、ぽつぽつと畑らしきものも現れはじめた。

そしてついに──

一軒の民家を見つけた。

「おとーさん、あれ、人の家かなぁ?」

トゥエラが、イグアナの背に乗ったまま指をさす。

「かもな……」

俺は、進みながらゆっくりと目を細める。

あばら家──というには、そこまでひどくはない。
だが、明らかに古びた、くたびれた家だった。

煙は……上がっていない。
生活の気配も、遠目ではよくわからない。

だが、人の痕跡が残っているだけで、ここ数日の荒地続きからすれば、奇跡のようだった。

「とりあえず、挨拶してみっけ?」

馬車をゆっくりと近づけた。

「こんにちわー!」

ドアを叩くと、中からくたびれた老人が出てきた。

じろっと俺たちを一瞥すると──

「あっちが村だ」

と、ぶっきらぼうに指を刺し、
そのまま家の中へ引っ込んでいってしまった。

「……不愛想かよ」

トゥエラとテティスも、ぽかんと口を開けていた。

「ま、道案内にはなったな」

気を取り直して、俺たちはまた馬車を進める。

しばらくすると、たくさんの民家が現れた。

ボロ屋…ではあるのだが、不思議と区画が整理されてるような…道も広いし、
アンバランスに思えた。

鍬を担いだ男が居たので聞いてみる。
「旅のものなんだけんども、ここらは宿とかあるんだっぺか?」

おっさんの訛りが酷い。

宿なんてないそうだ。
昔はあったらしいが──と、いろいろ語る村人の顔は寂しそうだった。

道が交わる広場に辿り着き、とりあえず休憩にする。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

龍車から降り、システムキッチンを召喚。
手慣れた手つきで圧力鍋を火にかけ、湯を沸かす。
そこに、巨人──いや、豚肩ロースの塊をドボン!

玉ねぎ、長ネギの青いところ、ニンニク、清酒、砂糖。
なんとなくの勘でブチ込んで、あとは2時間、ほっとくだけ。

……漂う異臭。
工場用のデカい扇風機を回して、空気をぶっ飛ばす。

おっさんは、のんびり昼酒タイム。
焼酎ミニ五郎をくいっとやりながら、のほほんと景色を眺める。

──プシューッ!

減圧音が鳴り、鍋の蓋を開ける。
ネギのカスを取り除き、棒でゴリゴリと骨と肉を潰す。

さらに、背脂と追加の肉をドーン!
もう一度圧をかけ、ぐつぐつと煮込み直す。

浮かんでくる灰汁は、丁寧にすくい取る。
このひと手間が、旨さを決めるんだ。

調味料を入れたら、アルコールを飛ばすまでしっかり煮詰め。
最後に、肉塊を引き上げ、スープをさらに白濁させる。

──仕上げだ。

麺を茹でて、湯切りしてどんぶりへ。
その上に、たっぷりの野菜、肉の山、山、山!

濾したコクまみれのスープをドバァッとかけまわし──

五郎アル中系マシマシコテコテ全部乗せラーメン、完成だッ!!」
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