異世界召喚されました……断る!

K1-M

文字の大きさ
177 / 225
アライズ連合国~ポークレア王国

龍は廻り橋を架ける①

しおりを挟む
  
 ポークレア王国
 初級ダンジョン『ウァーアンダーの神殿』前

 
 魔術師ギルドのギルドマスターにしてグランドマスターでもあるリディア・フォン・エルフリアの『土属性魔法:ロックウォールプリズン』に捕らえられた十九人の『暫定:誘拐犯一味』。

 そしてその『ロックウォールプリズン』に出来た扉の前で拳を鳴らしながら獰猛な笑みを浮かべる、ソウシ・ベルウッドと『魔王の系譜』ヴィーネ・ベルウッドの血を引くリュウジ・ベルウッドが立っていた。

「………………」

 これはまた俺の出番は無さそうだなぁ…とくだらないことを考えている俺ことトーイチ・ムラセは神殿の出口付近で『マップEX』を起動してけんぶ………ぼうか………待機中である。

 リディアは既に両手を地面から離し、自分の仕事は終わった!と言わんばかりに自前のアイテムバッグからシートを取り出し敷いて、靴を脱いで寛ぎ始めていた…。

 俺もソレを見て、負けるか!とタブレットを出し、素早くリクライニングチェアを購入。地面にビニールシートを敷いて、その上に購入したリクライニングチェアを置く。
 半ばダイブするように俺はリクライニングチェアに飛び座り、背もたれを『グイィ~』っと倒す。

 俺は「なん…だと…!?」みたいな顔をするリディアに、全開のドヤ顔をお見舞いしてやる。
 もちろん今迄に無いほどのジトりょくの篭ったジト目をリュウジから頂いたのは言うまでもない…。



~~~~~~~~~~~~~~~~



「はぁ~~~…」

 ホント何してんだ?あの人たちは…。
 おもいっきりジト目でリディアさんを見たあと、トーイチさんにはさらに力の篭ったジト目を向けてやった。
 その後に俺から出たのは言葉ではなく、大きなため息だったワケだが…。

 リディアさんの魔法『ロックウォールプリズン』内を見ると中にいる『暫定:誘拐犯一味』も全員が「えぇぇ~………」みたいな反応である。
 うん、まあ、俺もそんな反応だよ…。

 まあ…

 ソレはソレとして…

 俺は『ロックウォールプリズン』に出来た扉に手を掛け、中に足を踏み入れた…。

「てめえら………何者んだ?」
「俺達に手を出してただで済むと思ってんのか?」
「さっさとここから出してもらおうか…」

 途端に強気な発言をする盗賊のような格好の男達…。
 捕らえられているという現状を理解しているんですかね? 
 まあ俺が一人でこの中に入ってきたからだろうだけれど…。

 すると一人…

 男達の中では比較的まともな装備に身を包んでいる男が…

「痛い目に会う前に直ぐに魔法を解いてもらおうか…。今なら見逃してやらんでもないぞ?」

 偉そうに面白いことを宣う…。

「ふむ………偉そうに言葉を並べるなら、そんな後ろからではなく前に出てから言ってくれるか?ビビっているようにしか見えねえよ…」

「………なっ!?」

 表情を歪ませ怒りで顔を赤くした男が射殺さんばかりに睨み付けてくる。
 しかし俺は…

「ん?ほら?睨んでないで掛かって来い。せっかく一人でこの中に入ってやったんだ………それとも………恐いか?」

 右手の指を『クイクイ』と見せ付け、極上の笑みを浮かべてやる。

「っ!?てめえ………っ!!」

 恐らくこの一味のリーダー格であろう男が仲間を掻き分け前に出てくる。
 肩当ての無いプレートアーマーに幅広の片刃の曲刀を持つその男は俺よりも頭一つは大きい。
 上半身だけとはいえプレートアーマーを装備していて曲刀もかなり大型の物であることから、力は強いのだろう…。

 それなりに………だろうがな…。

「てめえ………死んだぞ。調子に乗って一人で入ってくるなんてバカな野郎だ」

 そう言い全員でゲラゲラと笑い声をあげる。捕らえられてるのお前らだってこと、忘れてない?
 
「はぁ~…」

「あんっ!?」

 俺のため息が気にいらなかったのだろうが…

「馬鹿だな本当に………馬鹿だな」

「っ!?てめっ!!」

 男の表情が一瞬で憤怒に染まる。
 ロックウォールプリズンの中の空気が、男の怒りに呼応するかのように変わっていく…。
 
 ………が

 空気はさらに変化する…。

 は…

 冷たい眼と口角の上がった俺の…

 雰囲気を感じとった影響…

「………来い」





~~~~~~~~~~~~~~~~



「ちょっと………リュウジに凄いジト目されたじゃない。早くソレしまってよ」

「お前が先に寛ぎ出したんだろっ!つかジト目は俺に向けた時の方が凄かったぞ?」

「確かに…」



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 
久しぶりのトーイチ以外の視点。
トーイチ以外だとシリアスさんが働く?
サブタイの謎は次回へ。
わかる人にはわかるかも?

次回もよろしくお願いします。
 
しおりを挟む
感想 1,256

あなたにおすすめの小説

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。