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2章
7話 本気
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藤沢が押し込んでいる時間帯が続いたが、プロンタールがボールを保持した瞬間
「攻撃こそ最大の防御」
それを体現するかのようにプロンタールが低い位置でテンポよくリズミカルにパスを回し始めた。
垣谷が低い位置に下がって中継地点になっている。
途中から元日本代表の長村健吾がパスワークの中心になる。
どこかぎこちないサッカーをしていた強豪の本気の攻撃。
ワンタッチやツータッチでテンポよく動くボールに、ウチのプレスにズレが出てくる。
ふと伊藤が俺の裏に抜け出した。
中央付近の元日本代表長村健吾からダイレクトでスルーパスが出る。
以前触ることも出来なかった伊藤とのスプリント勝負。
今度は伊藤がダイレクトでクロスを上げようとする瞬間に追いついた。
走り方の改善の成果が早速出た。
体をぶつけると、伊藤がよろめいた。
取れるーそう思った瞬間、伊藤が切り返し逆足でクロスを入れる。
俺はなんとか体を投げ出した。足先にボールが触れた。
少しだけコースを変えることには成功した。
そのクロスに走り込んだのは10番垣谷陽一。
垣谷はボールを跨ぐようにその場で軽くジャンプした。
世界がスローモーションになる。
踵に当たったボールは美しい弧を描いてゴールへ吸い込まれて行った。
ディフェンダーもキーパーも見送るしか出来なかった。
スタジアムが静まり返る。
一瞬の後で爆発的な歓声。
垣谷が俺に向かってガッツポーズをする。
敵ながらカッコよすぎる。
プロの日本トップレベルのプレーヤー達が子供のように垣谷に駆け寄っていく。
その横でロニーニョが座り込んで手を回している。
足がつってしまったようだ。
交代してくれと言っている。
マガポ監督が用意させた交代選手は身長の高いFWの選手。
残り5分。
格上チーム相手に1点負けている状態でのチーム得点王の離脱。
「諦めるな!まだ、終わってねぇ!点取りに行くぞ!」
絶望的な状況の中、キャプテン宮元の声が響く。
そうだ。まだ何度かはチャンスを作れるはず。
「ボール寄越せ!やるぞ!」
仲川選手が怒鳴る。
ゲーム再開。
相手は俺対策もあって自陣に引きこもる。
引いてしまえば、俺の超ロングシュートもロングパスも意味をなさない。
交代で入った高身長の選手にボールを集めるが簡単に跳ね返されてしまう。
アディショナルタイムは4分。
その表示を見て焦ったのか仲川さんが無理やりドリブルを始める。
当然あっという間に囲まれ、倒され、ボールを奪われた。
「ピッ」
主審が笛を吹いた。
ファールだ。
ウチのチームのフリーキック。
右サイドで角度があるがゴールまで35m.
左利きのキッカー仲川さんなら狙えないことはない位置だ。
時間的にも最後の攻撃。
キーパージジマールがヘディング要員として上がってくる。
俺も身長が高いので上がろうとした瞬間
「佐古!」
仲川さんに手招きされる。
近くに行くと
「お前が居るだけで相手は警戒する。笛がなったらコートの中央に走れ」
俺は無言でうなずく。
壁は3枚。
審判の笛と同時に俺はコート中央に向かって走る。
垣谷が壁の中から抜けて俺をマークにくる。
仲川さんは左足を振り抜く。
美しいカーブを描きボールがゴールに向かっていく。
プロンタールの韓国代表のキーパーが飛びつくが、届かない。
ゴン!
無情にもゴールポストに当たりボールが跳ね返る。
ペナルティエリアの中は混戦になる。プロンタールの選手が蹴り出したボールが藤沢の選手に当たり大きくボールが跳ねる。
ゴール正面。落ちてくるボールの軌道。
それはまるで、俺だけに与えられた答えのように、ゆっくりと俺の足元へと吸い込まれてくる。
心臓が止まり、血が逆流するように体が熱くなる。
「佐古ぉぉ!」
叫びながら垣谷が体を投げ出してくるのが視界の端に写った。
「攻撃こそ最大の防御」
それを体現するかのようにプロンタールが低い位置でテンポよくリズミカルにパスを回し始めた。
垣谷が低い位置に下がって中継地点になっている。
途中から元日本代表の長村健吾がパスワークの中心になる。
どこかぎこちないサッカーをしていた強豪の本気の攻撃。
ワンタッチやツータッチでテンポよく動くボールに、ウチのプレスにズレが出てくる。
ふと伊藤が俺の裏に抜け出した。
中央付近の元日本代表長村健吾からダイレクトでスルーパスが出る。
以前触ることも出来なかった伊藤とのスプリント勝負。
今度は伊藤がダイレクトでクロスを上げようとする瞬間に追いついた。
走り方の改善の成果が早速出た。
体をぶつけると、伊藤がよろめいた。
取れるーそう思った瞬間、伊藤が切り返し逆足でクロスを入れる。
俺はなんとか体を投げ出した。足先にボールが触れた。
少しだけコースを変えることには成功した。
そのクロスに走り込んだのは10番垣谷陽一。
垣谷はボールを跨ぐようにその場で軽くジャンプした。
世界がスローモーションになる。
踵に当たったボールは美しい弧を描いてゴールへ吸い込まれて行った。
ディフェンダーもキーパーも見送るしか出来なかった。
スタジアムが静まり返る。
一瞬の後で爆発的な歓声。
垣谷が俺に向かってガッツポーズをする。
敵ながらカッコよすぎる。
プロの日本トップレベルのプレーヤー達が子供のように垣谷に駆け寄っていく。
その横でロニーニョが座り込んで手を回している。
足がつってしまったようだ。
交代してくれと言っている。
マガポ監督が用意させた交代選手は身長の高いFWの選手。
残り5分。
格上チーム相手に1点負けている状態でのチーム得点王の離脱。
「諦めるな!まだ、終わってねぇ!点取りに行くぞ!」
絶望的な状況の中、キャプテン宮元の声が響く。
そうだ。まだ何度かはチャンスを作れるはず。
「ボール寄越せ!やるぞ!」
仲川選手が怒鳴る。
ゲーム再開。
相手は俺対策もあって自陣に引きこもる。
引いてしまえば、俺の超ロングシュートもロングパスも意味をなさない。
交代で入った高身長の選手にボールを集めるが簡単に跳ね返されてしまう。
アディショナルタイムは4分。
その表示を見て焦ったのか仲川さんが無理やりドリブルを始める。
当然あっという間に囲まれ、倒され、ボールを奪われた。
「ピッ」
主審が笛を吹いた。
ファールだ。
ウチのチームのフリーキック。
右サイドで角度があるがゴールまで35m.
左利きのキッカー仲川さんなら狙えないことはない位置だ。
時間的にも最後の攻撃。
キーパージジマールがヘディング要員として上がってくる。
俺も身長が高いので上がろうとした瞬間
「佐古!」
仲川さんに手招きされる。
近くに行くと
「お前が居るだけで相手は警戒する。笛がなったらコートの中央に走れ」
俺は無言でうなずく。
壁は3枚。
審判の笛と同時に俺はコート中央に向かって走る。
垣谷が壁の中から抜けて俺をマークにくる。
仲川さんは左足を振り抜く。
美しいカーブを描きボールがゴールに向かっていく。
プロンタールの韓国代表のキーパーが飛びつくが、届かない。
ゴン!
無情にもゴールポストに当たりボールが跳ね返る。
ペナルティエリアの中は混戦になる。プロンタールの選手が蹴り出したボールが藤沢の選手に当たり大きくボールが跳ねる。
ゴール正面。落ちてくるボールの軌道。
それはまるで、俺だけに与えられた答えのように、ゆっくりと俺の足元へと吸い込まれてくる。
心臓が止まり、血が逆流するように体が熱くなる。
「佐古ぉぉ!」
叫びながら垣谷が体を投げ出してくるのが視界の端に写った。
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