追放された聖獣育成士は隣国で最高の育成士となり聖獣に溺愛される

第四話

　久しぶりにベットで寝たからどこも体を傷めずに起きることが出来た。寝起きの目をこすり視界を明瞭にすると部屋の扉がノックされる。


「ファルナ殿、失礼します。おはようございます」


「おはようございます」


　入って来たのは強面の衛兵さんだった。


「ザガ様がこちらにお越しております。準備が出来次第客室に来て下さい」


　私は出来るだけ早く支度をして客室に入るとそこにはさっきの強面の衛兵さんのほかにあと二人知らない人がソファーに座っていた。一人はとても高齢なおじいさんだった。しかしその出で立ちは高貴な方をイメージさせるものがある。もう一人は小さな女の子だった。おじいさんのお孫さんかな。


「初めましてザガさん、ファルナと申します」


　私はおじいさんに向かってお辞儀をする。すると、隣の小さな女の子がくすくすと笑っていた。
　

「ザガ様、あまり人をからかうのはよろしくありませんよ」


「すまんな、だがどうもやめられん」


　小さな女の子はソファーから立ち上がり私の前に立って挨拶してくる。


「初めましてファルナ殿、私がボーネス共和国の聖獣育成協会会長のザガだ。これからよろしく！」


「儂はドボといいます。ザガ様の補佐役をしております。騙すような真似をして申し訳ありませんでした」


　なんとびっくり女の子の方がザガさんだった。ザガさんはソファーに座りなおすと私を向かあっているソファーに座わらせ、これからの事を話していく。


「早速だがファルナ殿、私たちボーネス共和国の聖獣育成協会はあなたを正式に聖獣育成士として迎え入れたいと思っている。どうだろうかファルナ殿家で働かないか？」


「まずは誘ってくださりありがとうございます。ですが何故私だったのでしょうか？…国外追放されたことは知っているのですよね…」


「もちろん知っている、それが濡れ衣であったこともな。ボーネス共和国の情報網は大陸屈指の広さと正確さを持つ。ファルナ殿のことも少し調べればすぐに分かった。安心してくれ私たちは聖獣第一を理念としている。くだらない私情を挟む奴なんていない。思う存分聖獣たちを可愛がり育て上げて欲しい」


　ザガさんは圧倒的な自信を持つ目をして私を見つめる。こんな目が出来る人なら信じてもいいかもしれない。


「分かりました。これからよろしくお願いします」


「良かった！歓迎するぞファルナ殿」


　私たちは立ち上がり握手を交わした。