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第一章 家を追い出された
殲滅戦
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朝起きると早速村の人たちと作戦を立てた。集まった20人を2人ずつの10グループに分けて森の中を探索する。ゴブリンを見つけたら近くの木に目印をつけバレないように隠れる。決して戦ってはいけない。そしてゴブリン数を記録し集計する。合計数によってゴブリンの集落が存在するかを判断する。もちろん集落自体を見つけられればいいのだが、危険が伴うので深追いはしないのがルールだ。
俺はゼフと組んで森の中を調査している。ゼフは護身用に両手持ちの木こりの斧を持っている。俺は剣を腰の鞘にしまっている。この剣はゴブリンとの死闘を繰り広げていた時に使用していた剣だ。俺の剣は細分化のスキルを使用した時に刃がなくなってしまったのだが、それを今朝復元のスキルを使用してみたところ刃が復元していたのだ。このスキルは細分化ととても相性がいい。これで戦闘中に武器を失うデメリットが解消された。
俺たちが森を探索して1時間がたった時、2体のゴブリンに遭遇する。奴らはこっちの存在に気付いていない。俺たちは身を潜めやり過ごした。
太陽が傾き夕方になった。今日だけで24体のゴブリンが見つかった。それだけではないゴブリンの集落が見つかったのだ。高い柵に囲われ中は見えなかったらしいのだがかなりの数が存在しているだろう。村長を交えて今後について話し合う。
「これは村を捨てなければいけないかもしれない」
「仕方ねぇな、こればっかりは…」
村長とゼフは村を捨てる覚悟を決めたらしい。
「そんな何とかならないのか?」
「集落があったんじゃどうにもならない、村に住み続けても近いうちに犠牲者が出るだけだ」
確かにゼフの言う通りいつか犠牲者が出ることは避けられないだろう。逃げるのが一番安全で確実だ。
なのに何故だろう。納得していない自分がいる。
「エドさん、村に来たばかりなのにいろいろ迷惑かけてしまって済まない」
「いや、別にそんなことは…」
「私たちはこれから村を捨てる準備に入る、2日もあれば皆準備ができるだろう。エドさんは先に旅立ちなさい」
「ゴブリンはかなりの数が存在しています!2日だけでも危険だ、せめて皆さんの準備が終わるまで一緒に手伝います」
「これは村の問題だ、赤の他人のエドさんを巻き込むわけにはいかない。すまないが言う通りにしてくれ」
村長の突き放すような言葉の裏にある優しさに気付かないほど俺は鈍感ではない。ここで意地を張っても村長の心配事を増やすだ。俺は村長の意見に従うことにした。
夜になった。今夜はゼフの家に泊まり明日の朝出ていくことにした。この村に着いてからまだ二日間しかたっていない。とても濃い2日間だった。ゴブリンとの死闘が一番記憶に残っている。あれを思い出すとまだ鼓動が早くなる。
明日からまた何日か歩かなければいけないから早めに寝なくてはいけないのに寝付けない。
理由はわかっている。この村がこの世界に来て初めてできた自分の居場所だったからだ。元の家では居場所がなく頼られたこともなく、ここに来るまでも一人だった。どうしようもない孤独感。慣れたと思っていたが気にする暇がなかっただけだ。ここで過ごしたたった2日間だけでも沸いてしまう執着心、どうしてもこの場所を失いたくないという感情。
自分の人生を送る、この前決意したばかりの事がちょっとの拒絶で揺らいでしまった。少し恥ずかしい。
翌朝ゼフがエドの眠っている部屋をノックするが返事がない。中を覗いてみるとベットはきれいに整えられており手紙が1枚置いてあった。
「自分の後悔のない選択をします」
誰も起きてない早朝に俺は起き剣以外の物をアイテムボックスの中にしまい、一人で森の中に向かう。
これからゴブリンを討伐しに行く。相手は集落を作れるほどの数だ、50匹以上はいるだろう。だからといってかなわないと決めつけるべきではない。ゴブリンどもを全滅させてあの村を守る。剣を鞘から少し抜き出し気を引き締め直して行動を開始する。
俺は今木に登り下の状況を観察している。下にはゴブリンが四匹辺りを見回している。見張り役だろう。短剣持ちが3匹に棍棒持ちが1匹、こいつらをどうにかしないと集落に近づくこともできない。
俺は剣を細分化して細かい無数の刃にするとゴブリンの首の周りを高速で回転させる。ゴブリンの首は無数の刃により削られ呼吸器官がズタズタになりまともに声を出すこともできず死んでいく。これを4匹同時に行う。なかなグロテスクな殺し方だがこれが俺が出来ることで一番確実な殺し方だから仕方がない。
ゴブリンの死体とゴブリンの武器をアイテムボックスの中にしまうとほかの見張り役も倒しに行く。見逃すと集落のゴブリン挟み撃ちにされてしまうかもしれない、生き残るためには手を抜くことはできない。
見張り役のゴブリンを全て倒すと集落に向かう。集落のゴブリンの数は不明だが俺も無策で臨むわけではない。
数がこちら側より多い敵と戦うとき一番効率のが良い戦い方は…殲滅戦だ
情報通り集落は高い柵で囲まれており、一つの門が出入り口になっている。俺は門の中にアイテムボックスを発現させる。アイテムボックスは俺の一定の距離離れたところにも発現させることが出来るのだ。
発現させたアイテムボックスからゴブリンの死体を全て取り出す。すると中のゴブリンたちは突然の事に驚きある程度の数が周りに集まった。
その瞬間細分化を発動し無数の刃でゴブリンたちをでたらめに攻撃する。でたらめに攻撃しているので全体に傷を負わせられるが致命傷にはならない。だがそれも作戦のうちなのだ。今ゴブリンたちを攻撃している刃は剣一本分より明らかに数が多い。当たり前だろう、刃の中にはゴブリンたちの武器も混ざっている。これはただ手数を増やすためだけではなく、ゴブリンの武器に塗られている麻痺毒を利用するためである。この刃たちに傷つけられたゴブリンたちは次々に麻痺により倒れていき、俺は倒れたゴブリンの心臓を奴らの持っている短剣で刺していく。血で塗れた短剣は切れ味が悪くなるので細分化して攻撃の手数を増やす。これによりゴブリンを倒しながらこちらの攻撃力を上げることが出来る。戦いは長引けばどうなるかわからない。短期決戦で終わらせる。
反撃をしてこようとするゴブリンもいたが、刃のせいで俺に近づけないでいた。俺は黙々とゴブリンたちを倒していき全体の8割くらいを倒したところで突然耳が壊れそうになるほどの叫び声が聞こえた。
「Uhooooooooooooo!!!!」
集落の中で門から一番遠くにあり一番大きな建物から叫び声がする。叫び声がやむと何かが天井を突き破り上から俺の目の前に落ちてくる。
それは一際でかい棍棒を持ち、目を血走らせ、興奮により鼻息を荒くしている巨大な…ゴブリンだった。
俺はゼフと組んで森の中を調査している。ゼフは護身用に両手持ちの木こりの斧を持っている。俺は剣を腰の鞘にしまっている。この剣はゴブリンとの死闘を繰り広げていた時に使用していた剣だ。俺の剣は細分化のスキルを使用した時に刃がなくなってしまったのだが、それを今朝復元のスキルを使用してみたところ刃が復元していたのだ。このスキルは細分化ととても相性がいい。これで戦闘中に武器を失うデメリットが解消された。
俺たちが森を探索して1時間がたった時、2体のゴブリンに遭遇する。奴らはこっちの存在に気付いていない。俺たちは身を潜めやり過ごした。
太陽が傾き夕方になった。今日だけで24体のゴブリンが見つかった。それだけではないゴブリンの集落が見つかったのだ。高い柵に囲われ中は見えなかったらしいのだがかなりの数が存在しているだろう。村長を交えて今後について話し合う。
「これは村を捨てなければいけないかもしれない」
「仕方ねぇな、こればっかりは…」
村長とゼフは村を捨てる覚悟を決めたらしい。
「そんな何とかならないのか?」
「集落があったんじゃどうにもならない、村に住み続けても近いうちに犠牲者が出るだけだ」
確かにゼフの言う通りいつか犠牲者が出ることは避けられないだろう。逃げるのが一番安全で確実だ。
なのに何故だろう。納得していない自分がいる。
「エドさん、村に来たばかりなのにいろいろ迷惑かけてしまって済まない」
「いや、別にそんなことは…」
「私たちはこれから村を捨てる準備に入る、2日もあれば皆準備ができるだろう。エドさんは先に旅立ちなさい」
「ゴブリンはかなりの数が存在しています!2日だけでも危険だ、せめて皆さんの準備が終わるまで一緒に手伝います」
「これは村の問題だ、赤の他人のエドさんを巻き込むわけにはいかない。すまないが言う通りにしてくれ」
村長の突き放すような言葉の裏にある優しさに気付かないほど俺は鈍感ではない。ここで意地を張っても村長の心配事を増やすだ。俺は村長の意見に従うことにした。
夜になった。今夜はゼフの家に泊まり明日の朝出ていくことにした。この村に着いてからまだ二日間しかたっていない。とても濃い2日間だった。ゴブリンとの死闘が一番記憶に残っている。あれを思い出すとまだ鼓動が早くなる。
明日からまた何日か歩かなければいけないから早めに寝なくてはいけないのに寝付けない。
理由はわかっている。この村がこの世界に来て初めてできた自分の居場所だったからだ。元の家では居場所がなく頼られたこともなく、ここに来るまでも一人だった。どうしようもない孤独感。慣れたと思っていたが気にする暇がなかっただけだ。ここで過ごしたたった2日間だけでも沸いてしまう執着心、どうしてもこの場所を失いたくないという感情。
自分の人生を送る、この前決意したばかりの事がちょっとの拒絶で揺らいでしまった。少し恥ずかしい。
翌朝ゼフがエドの眠っている部屋をノックするが返事がない。中を覗いてみるとベットはきれいに整えられており手紙が1枚置いてあった。
「自分の後悔のない選択をします」
誰も起きてない早朝に俺は起き剣以外の物をアイテムボックスの中にしまい、一人で森の中に向かう。
これからゴブリンを討伐しに行く。相手は集落を作れるほどの数だ、50匹以上はいるだろう。だからといってかなわないと決めつけるべきではない。ゴブリンどもを全滅させてあの村を守る。剣を鞘から少し抜き出し気を引き締め直して行動を開始する。
俺は今木に登り下の状況を観察している。下にはゴブリンが四匹辺りを見回している。見張り役だろう。短剣持ちが3匹に棍棒持ちが1匹、こいつらをどうにかしないと集落に近づくこともできない。
俺は剣を細分化して細かい無数の刃にするとゴブリンの首の周りを高速で回転させる。ゴブリンの首は無数の刃により削られ呼吸器官がズタズタになりまともに声を出すこともできず死んでいく。これを4匹同時に行う。なかなグロテスクな殺し方だがこれが俺が出来ることで一番確実な殺し方だから仕方がない。
ゴブリンの死体とゴブリンの武器をアイテムボックスの中にしまうとほかの見張り役も倒しに行く。見逃すと集落のゴブリン挟み撃ちにされてしまうかもしれない、生き残るためには手を抜くことはできない。
見張り役のゴブリンを全て倒すと集落に向かう。集落のゴブリンの数は不明だが俺も無策で臨むわけではない。
数がこちら側より多い敵と戦うとき一番効率のが良い戦い方は…殲滅戦だ
情報通り集落は高い柵で囲まれており、一つの門が出入り口になっている。俺は門の中にアイテムボックスを発現させる。アイテムボックスは俺の一定の距離離れたところにも発現させることが出来るのだ。
発現させたアイテムボックスからゴブリンの死体を全て取り出す。すると中のゴブリンたちは突然の事に驚きある程度の数が周りに集まった。
その瞬間細分化を発動し無数の刃でゴブリンたちをでたらめに攻撃する。でたらめに攻撃しているので全体に傷を負わせられるが致命傷にはならない。だがそれも作戦のうちなのだ。今ゴブリンたちを攻撃している刃は剣一本分より明らかに数が多い。当たり前だろう、刃の中にはゴブリンたちの武器も混ざっている。これはただ手数を増やすためだけではなく、ゴブリンの武器に塗られている麻痺毒を利用するためである。この刃たちに傷つけられたゴブリンたちは次々に麻痺により倒れていき、俺は倒れたゴブリンの心臓を奴らの持っている短剣で刺していく。血で塗れた短剣は切れ味が悪くなるので細分化して攻撃の手数を増やす。これによりゴブリンを倒しながらこちらの攻撃力を上げることが出来る。戦いは長引けばどうなるかわからない。短期決戦で終わらせる。
反撃をしてこようとするゴブリンもいたが、刃のせいで俺に近づけないでいた。俺は黙々とゴブリンたちを倒していき全体の8割くらいを倒したところで突然耳が壊れそうになるほどの叫び声が聞こえた。
「Uhooooooooooooo!!!!」
集落の中で門から一番遠くにあり一番大きな建物から叫び声がする。叫び声がやむと何かが天井を突き破り上から俺の目の前に落ちてくる。
それは一際でかい棍棒を持ち、目を血走らせ、興奮により鼻息を荒くしている巨大な…ゴブリンだった。
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