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私はひとしきり泣いた後、あの時何があったのか、そしてそれから今何をしているのか包み隠さず話した。
隠したい過去であるけど、父様に隠し事はしたくなかったのだ。
父様は静かに話を聞いた後そっと私の頭を撫でる。
「すまなかった。ラーナがそんなことになっているというのに私は何もできず、本当にすまなかった」
「頭を上げて父様。もういいの、こうやって会うことも出来たし。それよりこれからのことについて話しておきたくて」
「これからのこと?」
「うん。私は…レレイを許してもいいのかなって思い始めているの。きっとあの時は何かあったに違いないわ!だから話し合って誤解を解けばきっと……父様?」
父様は私の言葉を遮る様に肩を掴んだ。
見るからに弱っている父様の力だとは思えないほど指は私の皮膚にめり込み、痛みすら感じる。
「ラーナ、それは本気で言っているのか!あの悪魔と話し合うだと!?そんなことは絶対に不可能だ!!ゴホゴホ!!ぜぇ…ぜぇ…」
「父様!?どうしてですか?母様は生きておられるのですよね?でしたらまだやり直しが出来るはずです」
「……確かに生きてはいる。だが生きているだけだ」
「どういうことですか?」
父様は口にするのも辛そうな表情をしながら話し始めた。
「あの雨の日、傷だらけのレレイが馬を走らせて戻ってきた。レレイは野盗に襲われたと…。急ぎ人を集め森の中を捜索させた。もちろん私も供に。すぐに横転した馬車を見つけ辺りを探し回った。そして見つけたのは…変わり果てた妻だった。目は潰され、耳は壊され、舌は切られ死なないように止血までされていた。手足の健を切られて動くことも出来ぬ妻は言葉にならぬ声でただ泣いていた。妻は確かに生きている。だが…もう何も出来ぬ!」
すすり泣く父様。
私は出す言葉が無かった。
考えてみれば酒場で会った女性、あの人は全て知っていたのだろう。
そして私の正体に気が付いて、嘘を交えず私に伝えたのだ。
母様の様態だけを取り除いて。
生きてはいる……母様……何で、何で何で!何でそんなひどいことが出来るの!!!???
肩を震わせながら激高に心を支配された。
父様も同じ感情を抱きながらその先を説明してくれる。
「妻を見つけ、ラーナも探したが見つからなかった。そしてあることに気が付いた。レレイのドレスがあまり濡れていなかったのだ。もしやと思い妻についた傷とレレイの傷の深さを比べると圧倒的にレレイの方が浅い。まるで自分でつけた傷のように。私はレレイに詰め寄った。するとあの悪魔は笑顔でこう言ったのだ」
“お父様がすべて悪いのですよ?“
隠したい過去であるけど、父様に隠し事はしたくなかったのだ。
父様は静かに話を聞いた後そっと私の頭を撫でる。
「すまなかった。ラーナがそんなことになっているというのに私は何もできず、本当にすまなかった」
「頭を上げて父様。もういいの、こうやって会うことも出来たし。それよりこれからのことについて話しておきたくて」
「これからのこと?」
「うん。私は…レレイを許してもいいのかなって思い始めているの。きっとあの時は何かあったに違いないわ!だから話し合って誤解を解けばきっと……父様?」
父様は私の言葉を遮る様に肩を掴んだ。
見るからに弱っている父様の力だとは思えないほど指は私の皮膚にめり込み、痛みすら感じる。
「ラーナ、それは本気で言っているのか!あの悪魔と話し合うだと!?そんなことは絶対に不可能だ!!ゴホゴホ!!ぜぇ…ぜぇ…」
「父様!?どうしてですか?母様は生きておられるのですよね?でしたらまだやり直しが出来るはずです」
「……確かに生きてはいる。だが生きているだけだ」
「どういうことですか?」
父様は口にするのも辛そうな表情をしながら話し始めた。
「あの雨の日、傷だらけのレレイが馬を走らせて戻ってきた。レレイは野盗に襲われたと…。急ぎ人を集め森の中を捜索させた。もちろん私も供に。すぐに横転した馬車を見つけ辺りを探し回った。そして見つけたのは…変わり果てた妻だった。目は潰され、耳は壊され、舌は切られ死なないように止血までされていた。手足の健を切られて動くことも出来ぬ妻は言葉にならぬ声でただ泣いていた。妻は確かに生きている。だが…もう何も出来ぬ!」
すすり泣く父様。
私は出す言葉が無かった。
考えてみれば酒場で会った女性、あの人は全て知っていたのだろう。
そして私の正体に気が付いて、嘘を交えず私に伝えたのだ。
母様の様態だけを取り除いて。
生きてはいる……母様……何で、何で何で!何でそんなひどいことが出来るの!!!???
肩を震わせながら激高に心を支配された。
父様も同じ感情を抱きながらその先を説明してくれる。
「妻を見つけ、ラーナも探したが見つからなかった。そしてあることに気が付いた。レレイのドレスがあまり濡れていなかったのだ。もしやと思い妻についた傷とレレイの傷の深さを比べると圧倒的にレレイの方が浅い。まるで自分でつけた傷のように。私はレレイに詰め寄った。するとあの悪魔は笑顔でこう言ったのだ」
“お父様がすべて悪いのですよ?“
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