裏切りの果てを進む少女

第四話

リリスはエリアスのもとに姿を現した。

彼女の突然の登場にエリアスは驚き、周囲の傭兵たちが武器を構えた。

しかし、リリスは動じることなく、エリアスに近づいた。


「リリス…なぜここに？」


エリアスは困惑した表情で彼女を見つめた。
彼女が暗殺者であることを知っている彼にとって、彼女の突然の訪問は不安を掻き立てるものであった。


「あなたが生きていることを確認したかった。それと…あなたに協力したい」


リリスは真剣な眼差しでエリアスに告げた。
彼女の心の中では、復讐心と再び生まれた信頼がせめぎ合っていた。

エリアスは一瞬戸惑ったが、リリスの言葉に嘘はないと判断し、彼女を信じることにした。
彼女が仲間になれば、反乱軍の力が大きくなることは間違いなかった。


「わかった。だが、リリス…君が何を背負っているのか、俺にはまだ理解できない。だが、君が俺を裏切らないと誓うなら、共に戦おう」


リリスは静かに頷き、エリアスと共に戦う決意を固めた。
これからの道は険しく、危険が伴うものであったが、彼女はその道を選んだ。

反乱軍は次の一手を打つために、王宮へと続く秘密の地下道に集結していた。
この地下道は、かつて王国の創設者が築いた古代の遺構であり、王宮の警備をかいくぐるための唯一の手段だった。

リリスとエリアスは、反乱軍の指導者たちと共に作戦を練っていた。
エリアスは、腐敗した王政を打ち破り、民衆のための新しい体制を築くために、王を討つことを決意していた。

しかし、リリスの心は揺れていた。彼女の真の敵は、王そのものではなく、自らを「黒の騎士団」に引き入れ、彼女の運命を狂わせた存在であった。


「リリス、お前は地下道を通って王宮内の魔法塔に侵入してくれ。そこには王の護衛として、黒の騎士団のエリート部隊が配備されているはずだ」


エリアスが指示を出すと、リリスは無言で頷いた。
彼女はそのエリート部隊の一員として訓練を受けていた過去を思い出し、複雑な感情が胸を締め付けた。


「わかった。任せて」


リリスは冷静さを保ちながらも、内心では緊張が高まっていた。
自分がかつて所属していた組織と、そして今の仲間との戦いが避けられないことを理解していた。