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兆候
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ダルダス王国王城・キッチン
この道50年のベテランシェフ・ガレムは未曽有の危機に焦っていた。
「ガレムシェフ!」
雑用係の一人が汗を流しながらキッチンに入ってくる。
「届いたか!?」
「それが…何度確認しても届いておりません」
その報告を聞きガレムはキッチンを本気で叩く。
そして全身全霊の咆哮を上げた。
「どうして、どうしてミルダのパンが来ないんだ-----!!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ダルダス王国・ポース大聖堂
ダルダス王国において信者5000万人を超えるポース教の聖地であるポース大聖堂。
この大聖堂では立場に関係なく働く者たち全員で神に感謝し供に朝食を食べるのが習慣であった。
「…これはどういうこと?」
白を基調とした礼服に身を包んだ一人の少女が目の前の朝食に首を傾げた。
プレートには卵や野菜が乗っているが主食になるパンが存在していない。
「申し訳ありません聖女様!!どういうわけかミルダさんがパンが届かず…」
「……」
聖女と呼ばれた少女は数刻にも及ぶ沈黙の後、一言。
「今日のお祈りはしない」
「「「ええええええええええええ!!!」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ミルダのパン屋の前
一人の強面の男が店の前で四つん這いになり泣いていた。
周りの取り巻きが泣く男に声をかける。
「兄貴、何も泣く事無いじゃないですか?」
「そうですよ!今日たまたま休みなだけですぜ、きっと」
「あ、でもこのパン屋のミルダって王子様に振られたんだろ?だからーー」
今まで泣いてた男が急に立ち上がると取り巻きの一人の顔面を片手で鷲掴みにし、持ち上げた。
大の大人がまるで子供の様に軽々と。
「その話、詳しく聞かせろ」
◇◇◇◇◇◇◇◇
とある貴族の屋敷
脱税や賄賂を働き不当な利益を得ていたと噂されたこの屋敷の主である貴族はベットでまるで眠る様にこの世を去っていた。
その枕元に立つ一人の人物。
黒一色の姿をした性別不明のその人物は死んでいる貴族の横にわざとらしく小瓶を転がした。
「これでこいつの死因は睡眠剤の過剰摂取と判断されるだろう。楽な仕事だな」
音もたてず歩き部屋の扉を開ける黒の人間。
「今日は時間があるから寄ろうかな、ミルダのパン屋」
◇◇◇◇◇◇◇◇
様々な所で変化があったダルダス王国。
かつてないほどの危機がこの国近づいていた。
しかし渦中のミルダはーー
「今日も元気だね~いっぱい美味しい乳だしてよ」
「もー」
牛の世話をしていた。
この道50年のベテランシェフ・ガレムは未曽有の危機に焦っていた。
「ガレムシェフ!」
雑用係の一人が汗を流しながらキッチンに入ってくる。
「届いたか!?」
「それが…何度確認しても届いておりません」
その報告を聞きガレムはキッチンを本気で叩く。
そして全身全霊の咆哮を上げた。
「どうして、どうしてミルダのパンが来ないんだ-----!!!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ダルダス王国・ポース大聖堂
ダルダス王国において信者5000万人を超えるポース教の聖地であるポース大聖堂。
この大聖堂では立場に関係なく働く者たち全員で神に感謝し供に朝食を食べるのが習慣であった。
「…これはどういうこと?」
白を基調とした礼服に身を包んだ一人の少女が目の前の朝食に首を傾げた。
プレートには卵や野菜が乗っているが主食になるパンが存在していない。
「申し訳ありません聖女様!!どういうわけかミルダさんがパンが届かず…」
「……」
聖女と呼ばれた少女は数刻にも及ぶ沈黙の後、一言。
「今日のお祈りはしない」
「「「ええええええええええええ!!!」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ミルダのパン屋の前
一人の強面の男が店の前で四つん這いになり泣いていた。
周りの取り巻きが泣く男に声をかける。
「兄貴、何も泣く事無いじゃないですか?」
「そうですよ!今日たまたま休みなだけですぜ、きっと」
「あ、でもこのパン屋のミルダって王子様に振られたんだろ?だからーー」
今まで泣いてた男が急に立ち上がると取り巻きの一人の顔面を片手で鷲掴みにし、持ち上げた。
大の大人がまるで子供の様に軽々と。
「その話、詳しく聞かせろ」
◇◇◇◇◇◇◇◇
とある貴族の屋敷
脱税や賄賂を働き不当な利益を得ていたと噂されたこの屋敷の主である貴族はベットでまるで眠る様にこの世を去っていた。
その枕元に立つ一人の人物。
黒一色の姿をした性別不明のその人物は死んでいる貴族の横にわざとらしく小瓶を転がした。
「これでこいつの死因は睡眠剤の過剰摂取と判断されるだろう。楽な仕事だな」
音もたてず歩き部屋の扉を開ける黒の人間。
「今日は時間があるから寄ろうかな、ミルダのパン屋」
◇◇◇◇◇◇◇◇
様々な所で変化があったダルダス王国。
かつてないほどの危機がこの国近づいていた。
しかし渦中のミルダはーー
「今日も元気だね~いっぱい美味しい乳だしてよ」
「もー」
牛の世話をしていた。
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