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第1章
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ヤナはカイゼルに近づくアロマに気が付くと深いため息を吐く。
「なぁルーネ、好きな男に婚約者がいることに何とも思わないのか?」
「カイゼル様が幸せなら私も幸せです」
これは本心です。
私は例え外野の人間だったとしてもカイゼル様を愛していることに嘘は無いのですから。
それを聞いたヤナは諦めた表情を浮かべ、シイは水色の長髪サラリとかきあげる。
「その考え方も分かります。ですが婚約者であるという理由で訓練場に足を踏み入れることが出来るのはいかがなものかと。というか正直に申し上げて羨ましすぎます!」
「だよな!ずるいよな!!」
珍しく声を上げるシイとそれに賛同するヤナ。
確かにずるいです!もしは訓練場に入ることが出来たらカイゼル様とお話しする機会も。
本当にそうなったらどうしましょう!!何を話したらいいのでしょうか?今日はいい天気ですね?いやいや普通すぎますね。大好きです!ってそれも考えようによっては失礼に当たります。…貴方は私の神様です、これです!これでいきましょう!!
「お~い大丈夫かルーネ?」
「完全に自分の世界に入ってます」
「はぁ!!すみません!!」
またやってしまいました。この癖は何とかしなければ…。
ですが所詮妄想、あそこに入れるのは関係者だけ。
私達は所詮ファンに過ぎないのです。
「あ~あ、治療魔法が使えれば訓練場に出入りし放題だったのによ」
「何を馬鹿なことを言っているのですか?治療魔法は習得までに50年はかかると言われている超高難度な魔法ですよ。使える人間なんて片手でも足ります」
「分かってるよ!だから覚えれたら騎士団の訓練に参加し放題って言ってるんだろ」
魔法、ファンタジーの世界の定番ですがこの世界にも魔法は存在しています。
騎士もほとんどが魔法を使えるそうです。
ここは本当に異世界なんですよね。
私達はそのあと騎士団の訓練風景を存分に楽しみ、解散した。
今日は存分に楽しみました。
やっぱりカイゼル様は私の神様です!
◇◇◇◇
2ヶ月後
メイドが私の部屋をノックする。
「どうしたのですか?」
「……カイゼル騎士団長のことです」
カイゼル様?確か今は辺境に救う凶暴な魔獣の討伐に出ているはずですが…どうしたのでしょうか?
何だか、いやな予感がします。
「これを」
メイドが手渡してきたのは今日の騎士団情報印刷紙、つまるところ新聞です。
新聞には一面でこう書かれていた。
『騎士団長カイゼル大怪我!!意識不明の重体!!!』
か、神は死んだ!!
「なぁルーネ、好きな男に婚約者がいることに何とも思わないのか?」
「カイゼル様が幸せなら私も幸せです」
これは本心です。
私は例え外野の人間だったとしてもカイゼル様を愛していることに嘘は無いのですから。
それを聞いたヤナは諦めた表情を浮かべ、シイは水色の長髪サラリとかきあげる。
「その考え方も分かります。ですが婚約者であるという理由で訓練場に足を踏み入れることが出来るのはいかがなものかと。というか正直に申し上げて羨ましすぎます!」
「だよな!ずるいよな!!」
珍しく声を上げるシイとそれに賛同するヤナ。
確かにずるいです!もしは訓練場に入ることが出来たらカイゼル様とお話しする機会も。
本当にそうなったらどうしましょう!!何を話したらいいのでしょうか?今日はいい天気ですね?いやいや普通すぎますね。大好きです!ってそれも考えようによっては失礼に当たります。…貴方は私の神様です、これです!これでいきましょう!!
「お~い大丈夫かルーネ?」
「完全に自分の世界に入ってます」
「はぁ!!すみません!!」
またやってしまいました。この癖は何とかしなければ…。
ですが所詮妄想、あそこに入れるのは関係者だけ。
私達は所詮ファンに過ぎないのです。
「あ~あ、治療魔法が使えれば訓練場に出入りし放題だったのによ」
「何を馬鹿なことを言っているのですか?治療魔法は習得までに50年はかかると言われている超高難度な魔法ですよ。使える人間なんて片手でも足ります」
「分かってるよ!だから覚えれたら騎士団の訓練に参加し放題って言ってるんだろ」
魔法、ファンタジーの世界の定番ですがこの世界にも魔法は存在しています。
騎士もほとんどが魔法を使えるそうです。
ここは本当に異世界なんですよね。
私達はそのあと騎士団の訓練風景を存分に楽しみ、解散した。
今日は存分に楽しみました。
やっぱりカイゼル様は私の神様です!
◇◇◇◇
2ヶ月後
メイドが私の部屋をノックする。
「どうしたのですか?」
「……カイゼル騎士団長のことです」
カイゼル様?確か今は辺境に救う凶暴な魔獣の討伐に出ているはずですが…どうしたのでしょうか?
何だか、いやな予感がします。
「これを」
メイドが手渡してきたのは今日の騎士団情報印刷紙、つまるところ新聞です。
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か、神は死んだ!!
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