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家出少女③
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「……」
夜11時。SMSで教えられた家の前にたどり着いた僕は、そのドアの前で何度も同じ動作を続けている。
ゆっくりと腕をもたげ、震える手をドアホンに伸ばして、押すことができずに腕をおろす……その繰り返しだった。
正直、ここへきて僕は怖じ気づいていた。
ドアホンを鳴らした直後、このドアが開いて中から先輩が顔を覗かせ、わずかなドアの隙間から僕の身体が中に引きずり込まれてバタンとドアが閉まる。
そのあと、自分が部屋の中で先輩にされることを思うと、こうしている今も足元から崩れ落ちてしまいそうだ。
……どうして僕は自らあの変態の餌食になりに行こうとしているのだろう。そんな基本的な疑問にかられ、頭を振ってその疑問を振り払う。
地獄に落ちると決めたんだ! 先生を忘れるために僕はそうするしかないんだ!
そんな言葉で自分を奮い立たせてドアホンに手を伸ばしても、やっぱり押せずに腕をおろしてしまう。
……我ながら女々しい繰り返しだった。
先輩の家は築年数の経った小さなマンションの最上階の一室で、表札のかかっていない隣には人が入っていないのか、僕がこのドアの前に立ってから上がってきた人はいない。
それでもそろそろ中に入らなければあやしまれる。年端もいかない子供がこんなところで何をしているんだという話になるからだ。
「……っ」
もう何度目になるかわからない繰り返しの果てに、結局ドアホンを押せずに手を引っ込めてしまう自分に、僕はもう泣けそうになってきた。
いっそ先輩の方でドアを開けてくれないだろうか。そうして有無を言わさず僕を中へ引きずり込んでくれないだろうか。
突然ドアが開いたのはそんなことを考えているときだったので、僕はあやうく悲鳴をあげるところだった。
「……やっぱりいたのか」
「……」
「そんなところに突っ立ってないで早く中に入れよ」
ぶっきらぼうにそう言うと先輩は中に引っ込み、バタンとドアを閉めてしまった。
「……」
閉ざされたドアの前で、僕は呆然として立ち尽くした。
けれども先輩にかけられた言葉を思い出して、何も考えられないまま僕は再びドアを開き、中に入った。
「……」
……玄関に先輩の姿はなかった。中に連れ込まれてすぐ先輩に襲われることを想像していた僕は、少し面食らった。
だが、よく考えれてみればそれもそのはずだった。なぜならSMSをやりとりしていた時点で、先輩は僕のことを男の子と思っていたはずなのだから。
先輩はロリコン野郎ではあるが、ペド野郎ではない……たぶん。だからドアを開けるやいなや中に引きずり込まれてそのまま美味しくいただかれる――なんてことあるはずがなかったのだ。
「……」
奥に引っ込んでしまったということは、先輩はまだ僕を男の子だと思っているのかも知れない。さっきドアから顔を出したときには暗くてあまりよく見えなかったのだろう。
けれども、ここからは違う。
室内の明るい照明に晒されれば、僕の姿はイヤでも見えるようになる。駅のトイレで思わず僕が『ヤバい』と呟かずにはいられなかった眩いばかりの美少女の姿があらわになるのである。
その姿をちゃんと見た上で男の子と間違えたままでいるようなら、先輩はロリコンとして終わっている。
僕が靴を脱いで部屋の中に入り、先輩がこちらに目を向けた時点でチェックメイトだ。
数分後。僕の処女膣は先輩の巨根を迎え入れ、激痛に苦しみながら初めての血を流していることだろう。
「……っ!」
すくむ脚に力をこめ、僕は乱暴に靴を脱ぎ捨てた。
……覚悟はもうとっくに決めているのだ。今さら何を怖気づいている。
自分を叱咤激励して短い廊下を進んだ。玄関側と居室を分けているものとみえる引き戸に手をかけ、思い切って引き開けた。
「……」
部屋の中に入ったとき、僕が最初に受けた印象は『意外』だった。
先輩はオフィスデスクのような無骨な机に向かい、こちらに背を向けてなにやら作業しているようだった。
その机と書棚とベッド。あとは古めかしい小さなチェストが部屋の中に置かれたもののすべてで、それ以外に何もなかった。
ミニマリズムすら感じさせるその部屋は、正直、僕にとって予想外だった。
あのキモデブの部屋といったらたまにテレビで特集されるようなゴミ袋が山と積まれた汚部屋か、萌えキャラのフィギュアやらアニメのポスターやらで彩られたオタクの殿堂に違いない……などと勝手に決めつけていたからだ。
……こんな何もない殺風景な部屋に先輩が住んでいるとは想像もしなかった。
あまりにも驚いたためだろう、先輩がこちらを振り返り僕に呼びかけるまで、僕は引き戸を開けたままの姿勢で固まっていた。
「なにそんなとこに立ってんだよ」
「え……」
「そんなとこ突っ立ってるな。……ったく」
面倒くさそうにそう言うと、先輩はまた机に向き直った。
カタカタとノートパソコンのキーボードを叩く音が聞こえる。どうやら作業に戻ったようだ。
「夕飯」
「え?」
「夕飯まだだろ」
「……はい」
「台所にパンがあるから食べていい。あと、冷蔵庫に入ってる牛乳も飲んでいいから」
「あ……はい。その……ありがとうございます」
思わずお礼を言う僕に、先輩は応えなかった。
先輩に言われた通り玄関側に戻りキッチンにまわると、そこには確かに菓子パンが何袋か無造作に置かれていた。
……ひょっとして、僕のために買ってきてくれたのだろうか。
ふとそんなことを考え――けれども僕は頭を振ってその考えを追いやった。
これが先輩の情けだなどと考える必要はない。対価は十分すぎるほど支払うのだ。もうしばらくもしないうちに、僕は先輩の変態性欲のはけ口になっているのだから……。
「……」
そう思って僕は一袋のパンを手に取り、袋を破って無理矢理口に突っ込むようにしてそれを食べた。
……味はしなかった。不安と緊張のためかぜんぜん食べた気がせず、せめてもう一袋もらおうかと思ったが、やはりやめておいた。
食事を終えた僕は再び引き戸を開け、部屋の中に戻った。
先輩はこちらに背を向けたまま、ノートパソコンでの作業を続けているようだ。
……そういえばキッチンにパンを食べに行く前、先輩は振り返って僕の姿を見たはずだった。
けれども、反応は薄かった。少なくとも僕を見て目をまるくし、それから下卑た笑みを浮かべてにじり寄ってくるようなことはなかった。
SMSでのやりとりから僕が男の子だという印象が強すぎて、今もそう信じきっているということなのだろうか……。
いずれにしても部屋に入ってすぐ先輩に襲われるという事態は避けられたようだ。
そういうことならとりあえずは様子見ということになる。そう思って僕はまた先輩の部屋の中を見回した。
「……」
……何もなかった。先輩の部屋にはテレビの一台すらなかった。
シンプルにまとめた部屋ならよく見るが、ここまで何もない部屋は珍しい。
まるで荷物をまとめ終わり、最後に持ってゆく最低限の家具だけ残した引っ越し前の部屋のようだ。
その部屋で机に向かい作業している先輩の大きな背中を眺めるうちに、なんだか僕は寂しい気分になってきた。
「……理由、聞かないんですか?」
「……」
「その……僕がかくまってほしいって言った理由」
「そんなもん聞いてるほど暇に見えるか?」
「……」
「話したいなら聞いてやるから勝手に話せ」
「……話したくありません」
「だったら最初から聞いてほしいようなこと言うな」
愛想のない返答は僕がよく知っている先輩のそれだった。けれども今はその突き放すような物言いに、あまり嫌悪を感じなかった。
「……風呂入ったのか?」
「え?」
「今日、けっこう暑かっただろ。風呂入ってないならシャワー浴びてこい」
「あ……はい」
言われるままに僕はまた玄関側にまわり、ユニットバスと思しき部屋の電気をつけ中に入った。
――そこで、僕は現実に引き戻された。
「……」
右にユニットバス、左にトイレという典型的な狭小洗面所には、扉の向かいに洗面台がしつらえられていた。
その洗面台の鏡に映った輝くばかりの美少女を見たとき、僕は、自分がみずから捕食者の巣穴に飛び込んだ愚かな獲物であることを思い出したのだ。
そして、シャワーを浴びるようにという先輩の言葉に隠されたものを感じた。
セックスの前にシャワーを浴びるのは当然のマナー……先生が大好きだった『帰りたての制服エッチ』が常態化していたせいで、僕はそんなことも忘れていた。
「……っ!」
先生のことを思い出して、僕の胸にどす黒い気持ちが戻ってきた。
……そうだ、これは先生への復讐なんだ。
犯されるとわかっていて僕かここに来たのはそのためだ。先輩のバカでかいチンコで処女膜もろともこのモヤモヤした気持ちを引き裂いてもらうんだ!
そう思って服を脱ぎはじめ――だがそこで僕はまた怖じ気づいてしまう。
「……」
この洗面所はトイレにもつながっている。こうして服を脱いでいる間に……あるいはシャワーを浴び終えて出てきたところで、用を足そうと入ってきた先輩とはち合わせになる可能性がある。
そうなったらさすがにアウトだ。
僕はそのままベッドに連れて行かれ、筋金入りのロリコンを相手に悪夢のような初体験を迎えることになる。
あの巨体に組み敷かれ、強引に脚を開かされ、極限まで硬くなった特大のペニスがガマン汁をたらしながら僕のおまんこを押し広げて……。
……身体が震えてきた。
それに促されるように、僕は折れ戸を開けてユニットバスに入った。
「……」
シャワーを浴びながら、僕は不安と恐怖に押しつぶされそうだった。
ユニットバスのほの暗い明かりの中で、はじめて自分の裸を見た。
少女から女へと変わりゆく階段を踏み出したばかりの身体に特有のやわらかな曲線――性徴のあかしである黒いものがまだ生え揃わない股間と、桜のつぼみを思わせる可愛らしい乳首……。
この清浄無垢な身体が、変態の煮えたぎるような性欲のはけ口にされるのだと思うと、もうたまらなかった。
今こうしている間にも折り戸を開け、先輩が入ってくるかも知れない……そう思って、冗談でもなんでもなくおしっこが漏れそうな感覚に襲われる。
……けれどもこのロリ美少女のおしっこなら、あの変態は喜んで飲むかも知れない。
「……うっ……うう……」
とうとう僕は泣き出した。もうすぐロリコンに滅茶苦茶にされる運命の裸を見つめながら、降り注ぐ熱いシャワーにまぎれて、ひとしきり絶望の涙を流した。
* * *
「……シャワーいただきました」
ユニットバスから部屋に戻った僕は、そう言って先輩に向き直った。
シャワーを浴び終えてユニットバスから出ると、服を脱いでいるときにはなかったバスタオルが用意されていたのだ。
この曇り窓をとおして浴室の中を覗き込める場所まで先輩が来ていた……それで、僕は覚悟を決めた。
少し泣いたことで気持ちが落ち着いたということもある。
いっそ裸にバスタオルを巻いて出てゆこうかとも思ったが、言葉責めをしながらゆっくりと服を脱がせたいであろうロリコン野郎の楽しみを奪うのも悪いと思って、やはり服を着た。
どうせすぐ脱がされるのに……ショーツに脚を通しながらそう思ってまた泣きそうになり、慌てて左手で目を拭った。
怯えて泣きながら変態に犯されるよりは、気丈に堂々とそれを受け入れる方がまだマシだと思ったのだ。
だから部屋に戻って先輩に声をかけた僕の心に迷いはなかった。
いきなり襲いかかってくるでもなんでも好きなようにすればいい!
「だったら、子供はもう寝ろ」
そんな悲壮な決意を胸に待ち受けていたものだから、先輩から返ってきたその言葉には完全に意表を突かれた。
……しばらく返事ができなかった。
先輩は今なんと言ったのだろう。子供はもう寝ろ……?
それはつまり、先輩は僕のことを男の子だとカンチガイしたまま、何もせずこの部屋に泊めてくれるということなのだろうか……。
「でも、どこで寝れば……」
思わずそんな質問を投げかけていた。
この部屋にベッドはひとつしかなく、床は硬いフローリングでとても眠れそうにない。
寝ろと言われてもどこで寝れば……そう思って立ち尽くす僕に、先輩はこちらに背中を向けたまま相変わらずぶっきらぼうな声で言った。
「――ベッドで寝ていい」
「え?」
「ベッドで寝ていい、って言ってるんだ」
「でも、それならせんぱ……じゃなくて、お兄さんはどこで寝るんですか?」
そう言ってしまってから、僕は自分からその質問を口に出してしまったことを激しく後悔した。
……そんなの、先輩も一緒のベッドで寝ると言うにきまっている。
けれども先輩は振り返らず作業を続けながらつまらなそうに「気にするな」と言った。
「たぶん、俺は今夜は徹夜だ。明日までに仕上げなきゃいけない課題があるんだよ。だから気にしなくていい」
突き放したようなその言い方が逆に僕を気遣っているようにも聞こえて、僕は戸惑いを覚えた。
けれども勇を鼓して「なら、ベッドで寝ます」と宣言し、僕はベッドに向かった。
「……おやすみなさい」
ベッドにもぐりこみ、一応、おやすみの挨拶をした。
先輩からの返事はなかった。
夏物の薄いブランケットはやはり相応に男の臭いがした。先輩のものに違いないその臭いが、なぜだろう、僕にはあまり気にならなかった。
(……そのうち、先輩もベッドに来るんだろうか)
寝に入ったからといって安心できない。先輩がベッドにもぐりこんでくる可能性は十分あるように思われた。
シャワーは浴びた、ベッドに入った……むしろ条件は完全にととのったと言える。
(痛いんだろうか……きっとすごく痛いんだろうな)
気持ち悪いロリコンに犯されるという嫌悪感はなりを潜め、ただただ先輩の大きなモノを突き入れられたときの痛みを思った。
おじさんに奪われたときはあまり痛くなかったが、あのときとはサイズが違う。
僕のおまんこのサイズは明らかに小さくなっている。そしてペニスのサイズは……たぶん大きくなる。
(……濡れてる)
股間に手を伸ばし、そこが少し湿りを帯びていることを確認する。
期待しているわけでも興奮しているわけでもない。レイプされるときにも女は濡れる。男にペニスを挿入されそうなときおまんこが傷つけられるのを避けるための生理的な防衛反応だ。
先輩を相手に濡れてしまった……そんなことはもうどうでもよかった。
それよりも先輩がちゃんと濡らしてから挿れてくれるか、そっちの方がよほど心配だった。
(……せめて痛くしないでほしい)
そう思って、また涙がこぼれ落ちた。
……強がってみても駄目だった。男の部屋で、いつ犯されてもおかしくない状況は少女である僕にとって過酷すぎて、せめて自分を犯す権利を持っている相手に慈悲を願うしかない。
せめてやさしく破瓜を迎えさせてくれるように、泣いて憐れみを乞うしかない。
(……!)
椅子を引く音がして、先輩が立ち上がったのがわかった。
いよいよそのときが来た。そう思って僕は身を堅くした。
(痛くしないでください……お願いだから痛くしないでください)
震えながら、とめどなく涙を流しながら、先輩がベッドに入ってきたとき懇願するための言葉を、頭の中で何度も繰り返した。
(えっ……)
だから先輩が天井のライトを消し、そのまま机に戻ったのに気づいたときには、僕は驚きのあまりかたく閉じていた目を見開いてしまった。
デスクライトもつけず、ノートパソコンの明かりだけで作業する先輩の背中を、しばらく見つめていた。
寝ている僕の身体にいたずらするつもりなのかも知れない。……だがこの際、それくらいはされてもいい気がした。
先輩がカタカタとキーボードを叩く単調な音を聞きながら、ずっと気を張りつめていた疲れが出たのだろう、やがて僕は眠りに落ちた――
* * *
翌朝。目が覚めたとき、先輩はもういなかった。
最初、僕は自分がいる場所がどこなのかわからず、まどろみの中に部屋を見回して……そこが先輩の部屋であることに気づき、慌ててブランケットで身体を隠した。
そこでふと、枕元に一枚のメモ用紙が残されていることに気づいた。そのメモ用紙を拾い上げると、その下からは小さく折り畳まれた一枚の千円札が出てきた。
そのメモ用紙に書かれたメモを読んだ。
『職場へ行ってくる。
家捜ししても金目のものはないからそのつもりで。
まだ家に居座り続けるようならこの金で何か食べるように。
近くにコンビニがある。盗られるようなものはないから、鍵はかけずに出ていい。
ただこれ以上俺に迷惑をかけたくなければ、不要の外出は控えてほしい。理由はわかっていると思う。
夜9時には帰る』
読み終えてから改めて部屋を見回し、先輩の姿がどこにもないことを確認した。
もう一度メモ用紙に目を戻した。
先輩が書き残していったそのメモを、狐につままれたような気持ちで僕はいつまでも見つめていた。
――――――――――――――――
NAME:マコト
舌:5
唇:7
首筋:4
乳首:8
脇の下:9
背中:4
へそ:1
クリトリス:7
陰唇:2
Gスポット:0
ポルチオ:0
太腿:3
足首:1
足裏:9
足指:2
クリトリス・オーガズム ×
Gスポット・オーガズム ×
ポルチオ・オーガズム ×
――――――――――――――――
夜11時。SMSで教えられた家の前にたどり着いた僕は、そのドアの前で何度も同じ動作を続けている。
ゆっくりと腕をもたげ、震える手をドアホンに伸ばして、押すことができずに腕をおろす……その繰り返しだった。
正直、ここへきて僕は怖じ気づいていた。
ドアホンを鳴らした直後、このドアが開いて中から先輩が顔を覗かせ、わずかなドアの隙間から僕の身体が中に引きずり込まれてバタンとドアが閉まる。
そのあと、自分が部屋の中で先輩にされることを思うと、こうしている今も足元から崩れ落ちてしまいそうだ。
……どうして僕は自らあの変態の餌食になりに行こうとしているのだろう。そんな基本的な疑問にかられ、頭を振ってその疑問を振り払う。
地獄に落ちると決めたんだ! 先生を忘れるために僕はそうするしかないんだ!
そんな言葉で自分を奮い立たせてドアホンに手を伸ばしても、やっぱり押せずに腕をおろしてしまう。
……我ながら女々しい繰り返しだった。
先輩の家は築年数の経った小さなマンションの最上階の一室で、表札のかかっていない隣には人が入っていないのか、僕がこのドアの前に立ってから上がってきた人はいない。
それでもそろそろ中に入らなければあやしまれる。年端もいかない子供がこんなところで何をしているんだという話になるからだ。
「……っ」
もう何度目になるかわからない繰り返しの果てに、結局ドアホンを押せずに手を引っ込めてしまう自分に、僕はもう泣けそうになってきた。
いっそ先輩の方でドアを開けてくれないだろうか。そうして有無を言わさず僕を中へ引きずり込んでくれないだろうか。
突然ドアが開いたのはそんなことを考えているときだったので、僕はあやうく悲鳴をあげるところだった。
「……やっぱりいたのか」
「……」
「そんなところに突っ立ってないで早く中に入れよ」
ぶっきらぼうにそう言うと先輩は中に引っ込み、バタンとドアを閉めてしまった。
「……」
閉ざされたドアの前で、僕は呆然として立ち尽くした。
けれども先輩にかけられた言葉を思い出して、何も考えられないまま僕は再びドアを開き、中に入った。
「……」
……玄関に先輩の姿はなかった。中に連れ込まれてすぐ先輩に襲われることを想像していた僕は、少し面食らった。
だが、よく考えれてみればそれもそのはずだった。なぜならSMSをやりとりしていた時点で、先輩は僕のことを男の子と思っていたはずなのだから。
先輩はロリコン野郎ではあるが、ペド野郎ではない……たぶん。だからドアを開けるやいなや中に引きずり込まれてそのまま美味しくいただかれる――なんてことあるはずがなかったのだ。
「……」
奥に引っ込んでしまったということは、先輩はまだ僕を男の子だと思っているのかも知れない。さっきドアから顔を出したときには暗くてあまりよく見えなかったのだろう。
けれども、ここからは違う。
室内の明るい照明に晒されれば、僕の姿はイヤでも見えるようになる。駅のトイレで思わず僕が『ヤバい』と呟かずにはいられなかった眩いばかりの美少女の姿があらわになるのである。
その姿をちゃんと見た上で男の子と間違えたままでいるようなら、先輩はロリコンとして終わっている。
僕が靴を脱いで部屋の中に入り、先輩がこちらに目を向けた時点でチェックメイトだ。
数分後。僕の処女膣は先輩の巨根を迎え入れ、激痛に苦しみながら初めての血を流していることだろう。
「……っ!」
すくむ脚に力をこめ、僕は乱暴に靴を脱ぎ捨てた。
……覚悟はもうとっくに決めているのだ。今さら何を怖気づいている。
自分を叱咤激励して短い廊下を進んだ。玄関側と居室を分けているものとみえる引き戸に手をかけ、思い切って引き開けた。
「……」
部屋の中に入ったとき、僕が最初に受けた印象は『意外』だった。
先輩はオフィスデスクのような無骨な机に向かい、こちらに背を向けてなにやら作業しているようだった。
その机と書棚とベッド。あとは古めかしい小さなチェストが部屋の中に置かれたもののすべてで、それ以外に何もなかった。
ミニマリズムすら感じさせるその部屋は、正直、僕にとって予想外だった。
あのキモデブの部屋といったらたまにテレビで特集されるようなゴミ袋が山と積まれた汚部屋か、萌えキャラのフィギュアやらアニメのポスターやらで彩られたオタクの殿堂に違いない……などと勝手に決めつけていたからだ。
……こんな何もない殺風景な部屋に先輩が住んでいるとは想像もしなかった。
あまりにも驚いたためだろう、先輩がこちらを振り返り僕に呼びかけるまで、僕は引き戸を開けたままの姿勢で固まっていた。
「なにそんなとこに立ってんだよ」
「え……」
「そんなとこ突っ立ってるな。……ったく」
面倒くさそうにそう言うと、先輩はまた机に向き直った。
カタカタとノートパソコンのキーボードを叩く音が聞こえる。どうやら作業に戻ったようだ。
「夕飯」
「え?」
「夕飯まだだろ」
「……はい」
「台所にパンがあるから食べていい。あと、冷蔵庫に入ってる牛乳も飲んでいいから」
「あ……はい。その……ありがとうございます」
思わずお礼を言う僕に、先輩は応えなかった。
先輩に言われた通り玄関側に戻りキッチンにまわると、そこには確かに菓子パンが何袋か無造作に置かれていた。
……ひょっとして、僕のために買ってきてくれたのだろうか。
ふとそんなことを考え――けれども僕は頭を振ってその考えを追いやった。
これが先輩の情けだなどと考える必要はない。対価は十分すぎるほど支払うのだ。もうしばらくもしないうちに、僕は先輩の変態性欲のはけ口になっているのだから……。
「……」
そう思って僕は一袋のパンを手に取り、袋を破って無理矢理口に突っ込むようにしてそれを食べた。
……味はしなかった。不安と緊張のためかぜんぜん食べた気がせず、せめてもう一袋もらおうかと思ったが、やはりやめておいた。
食事を終えた僕は再び引き戸を開け、部屋の中に戻った。
先輩はこちらに背を向けたまま、ノートパソコンでの作業を続けているようだ。
……そういえばキッチンにパンを食べに行く前、先輩は振り返って僕の姿を見たはずだった。
けれども、反応は薄かった。少なくとも僕を見て目をまるくし、それから下卑た笑みを浮かべてにじり寄ってくるようなことはなかった。
SMSでのやりとりから僕が男の子だという印象が強すぎて、今もそう信じきっているということなのだろうか……。
いずれにしても部屋に入ってすぐ先輩に襲われるという事態は避けられたようだ。
そういうことならとりあえずは様子見ということになる。そう思って僕はまた先輩の部屋の中を見回した。
「……」
……何もなかった。先輩の部屋にはテレビの一台すらなかった。
シンプルにまとめた部屋ならよく見るが、ここまで何もない部屋は珍しい。
まるで荷物をまとめ終わり、最後に持ってゆく最低限の家具だけ残した引っ越し前の部屋のようだ。
その部屋で机に向かい作業している先輩の大きな背中を眺めるうちに、なんだか僕は寂しい気分になってきた。
「……理由、聞かないんですか?」
「……」
「その……僕がかくまってほしいって言った理由」
「そんなもん聞いてるほど暇に見えるか?」
「……」
「話したいなら聞いてやるから勝手に話せ」
「……話したくありません」
「だったら最初から聞いてほしいようなこと言うな」
愛想のない返答は僕がよく知っている先輩のそれだった。けれども今はその突き放すような物言いに、あまり嫌悪を感じなかった。
「……風呂入ったのか?」
「え?」
「今日、けっこう暑かっただろ。風呂入ってないならシャワー浴びてこい」
「あ……はい」
言われるままに僕はまた玄関側にまわり、ユニットバスと思しき部屋の電気をつけ中に入った。
――そこで、僕は現実に引き戻された。
「……」
右にユニットバス、左にトイレという典型的な狭小洗面所には、扉の向かいに洗面台がしつらえられていた。
その洗面台の鏡に映った輝くばかりの美少女を見たとき、僕は、自分がみずから捕食者の巣穴に飛び込んだ愚かな獲物であることを思い出したのだ。
そして、シャワーを浴びるようにという先輩の言葉に隠されたものを感じた。
セックスの前にシャワーを浴びるのは当然のマナー……先生が大好きだった『帰りたての制服エッチ』が常態化していたせいで、僕はそんなことも忘れていた。
「……っ!」
先生のことを思い出して、僕の胸にどす黒い気持ちが戻ってきた。
……そうだ、これは先生への復讐なんだ。
犯されるとわかっていて僕かここに来たのはそのためだ。先輩のバカでかいチンコで処女膜もろともこのモヤモヤした気持ちを引き裂いてもらうんだ!
そう思って服を脱ぎはじめ――だがそこで僕はまた怖じ気づいてしまう。
「……」
この洗面所はトイレにもつながっている。こうして服を脱いでいる間に……あるいはシャワーを浴び終えて出てきたところで、用を足そうと入ってきた先輩とはち合わせになる可能性がある。
そうなったらさすがにアウトだ。
僕はそのままベッドに連れて行かれ、筋金入りのロリコンを相手に悪夢のような初体験を迎えることになる。
あの巨体に組み敷かれ、強引に脚を開かされ、極限まで硬くなった特大のペニスがガマン汁をたらしながら僕のおまんこを押し広げて……。
……身体が震えてきた。
それに促されるように、僕は折れ戸を開けてユニットバスに入った。
「……」
シャワーを浴びながら、僕は不安と恐怖に押しつぶされそうだった。
ユニットバスのほの暗い明かりの中で、はじめて自分の裸を見た。
少女から女へと変わりゆく階段を踏み出したばかりの身体に特有のやわらかな曲線――性徴のあかしである黒いものがまだ生え揃わない股間と、桜のつぼみを思わせる可愛らしい乳首……。
この清浄無垢な身体が、変態の煮えたぎるような性欲のはけ口にされるのだと思うと、もうたまらなかった。
今こうしている間にも折り戸を開け、先輩が入ってくるかも知れない……そう思って、冗談でもなんでもなくおしっこが漏れそうな感覚に襲われる。
……けれどもこのロリ美少女のおしっこなら、あの変態は喜んで飲むかも知れない。
「……うっ……うう……」
とうとう僕は泣き出した。もうすぐロリコンに滅茶苦茶にされる運命の裸を見つめながら、降り注ぐ熱いシャワーにまぎれて、ひとしきり絶望の涙を流した。
* * *
「……シャワーいただきました」
ユニットバスから部屋に戻った僕は、そう言って先輩に向き直った。
シャワーを浴び終えてユニットバスから出ると、服を脱いでいるときにはなかったバスタオルが用意されていたのだ。
この曇り窓をとおして浴室の中を覗き込める場所まで先輩が来ていた……それで、僕は覚悟を決めた。
少し泣いたことで気持ちが落ち着いたということもある。
いっそ裸にバスタオルを巻いて出てゆこうかとも思ったが、言葉責めをしながらゆっくりと服を脱がせたいであろうロリコン野郎の楽しみを奪うのも悪いと思って、やはり服を着た。
どうせすぐ脱がされるのに……ショーツに脚を通しながらそう思ってまた泣きそうになり、慌てて左手で目を拭った。
怯えて泣きながら変態に犯されるよりは、気丈に堂々とそれを受け入れる方がまだマシだと思ったのだ。
だから部屋に戻って先輩に声をかけた僕の心に迷いはなかった。
いきなり襲いかかってくるでもなんでも好きなようにすればいい!
「だったら、子供はもう寝ろ」
そんな悲壮な決意を胸に待ち受けていたものだから、先輩から返ってきたその言葉には完全に意表を突かれた。
……しばらく返事ができなかった。
先輩は今なんと言ったのだろう。子供はもう寝ろ……?
それはつまり、先輩は僕のことを男の子だとカンチガイしたまま、何もせずこの部屋に泊めてくれるということなのだろうか……。
「でも、どこで寝れば……」
思わずそんな質問を投げかけていた。
この部屋にベッドはひとつしかなく、床は硬いフローリングでとても眠れそうにない。
寝ろと言われてもどこで寝れば……そう思って立ち尽くす僕に、先輩はこちらに背中を向けたまま相変わらずぶっきらぼうな声で言った。
「――ベッドで寝ていい」
「え?」
「ベッドで寝ていい、って言ってるんだ」
「でも、それならせんぱ……じゃなくて、お兄さんはどこで寝るんですか?」
そう言ってしまってから、僕は自分からその質問を口に出してしまったことを激しく後悔した。
……そんなの、先輩も一緒のベッドで寝ると言うにきまっている。
けれども先輩は振り返らず作業を続けながらつまらなそうに「気にするな」と言った。
「たぶん、俺は今夜は徹夜だ。明日までに仕上げなきゃいけない課題があるんだよ。だから気にしなくていい」
突き放したようなその言い方が逆に僕を気遣っているようにも聞こえて、僕は戸惑いを覚えた。
けれども勇を鼓して「なら、ベッドで寝ます」と宣言し、僕はベッドに向かった。
「……おやすみなさい」
ベッドにもぐりこみ、一応、おやすみの挨拶をした。
先輩からの返事はなかった。
夏物の薄いブランケットはやはり相応に男の臭いがした。先輩のものに違いないその臭いが、なぜだろう、僕にはあまり気にならなかった。
(……そのうち、先輩もベッドに来るんだろうか)
寝に入ったからといって安心できない。先輩がベッドにもぐりこんでくる可能性は十分あるように思われた。
シャワーは浴びた、ベッドに入った……むしろ条件は完全にととのったと言える。
(痛いんだろうか……きっとすごく痛いんだろうな)
気持ち悪いロリコンに犯されるという嫌悪感はなりを潜め、ただただ先輩の大きなモノを突き入れられたときの痛みを思った。
おじさんに奪われたときはあまり痛くなかったが、あのときとはサイズが違う。
僕のおまんこのサイズは明らかに小さくなっている。そしてペニスのサイズは……たぶん大きくなる。
(……濡れてる)
股間に手を伸ばし、そこが少し湿りを帯びていることを確認する。
期待しているわけでも興奮しているわけでもない。レイプされるときにも女は濡れる。男にペニスを挿入されそうなときおまんこが傷つけられるのを避けるための生理的な防衛反応だ。
先輩を相手に濡れてしまった……そんなことはもうどうでもよかった。
それよりも先輩がちゃんと濡らしてから挿れてくれるか、そっちの方がよほど心配だった。
(……せめて痛くしないでほしい)
そう思って、また涙がこぼれ落ちた。
……強がってみても駄目だった。男の部屋で、いつ犯されてもおかしくない状況は少女である僕にとって過酷すぎて、せめて自分を犯す権利を持っている相手に慈悲を願うしかない。
せめてやさしく破瓜を迎えさせてくれるように、泣いて憐れみを乞うしかない。
(……!)
椅子を引く音がして、先輩が立ち上がったのがわかった。
いよいよそのときが来た。そう思って僕は身を堅くした。
(痛くしないでください……お願いだから痛くしないでください)
震えながら、とめどなく涙を流しながら、先輩がベッドに入ってきたとき懇願するための言葉を、頭の中で何度も繰り返した。
(えっ……)
だから先輩が天井のライトを消し、そのまま机に戻ったのに気づいたときには、僕は驚きのあまりかたく閉じていた目を見開いてしまった。
デスクライトもつけず、ノートパソコンの明かりだけで作業する先輩の背中を、しばらく見つめていた。
寝ている僕の身体にいたずらするつもりなのかも知れない。……だがこの際、それくらいはされてもいい気がした。
先輩がカタカタとキーボードを叩く単調な音を聞きながら、ずっと気を張りつめていた疲れが出たのだろう、やがて僕は眠りに落ちた――
* * *
翌朝。目が覚めたとき、先輩はもういなかった。
最初、僕は自分がいる場所がどこなのかわからず、まどろみの中に部屋を見回して……そこが先輩の部屋であることに気づき、慌ててブランケットで身体を隠した。
そこでふと、枕元に一枚のメモ用紙が残されていることに気づいた。そのメモ用紙を拾い上げると、その下からは小さく折り畳まれた一枚の千円札が出てきた。
そのメモ用紙に書かれたメモを読んだ。
『職場へ行ってくる。
家捜ししても金目のものはないからそのつもりで。
まだ家に居座り続けるようならこの金で何か食べるように。
近くにコンビニがある。盗られるようなものはないから、鍵はかけずに出ていい。
ただこれ以上俺に迷惑をかけたくなければ、不要の外出は控えてほしい。理由はわかっていると思う。
夜9時には帰る』
読み終えてから改めて部屋を見回し、先輩の姿がどこにもないことを確認した。
もう一度メモ用紙に目を戻した。
先輩が書き残していったそのメモを、狐につままれたような気持ちで僕はいつまでも見つめていた。
――――――――――――――――
NAME:マコト
舌:5
唇:7
首筋:4
乳首:8
脇の下:9
背中:4
へそ:1
クリトリス:7
陰唇:2
Gスポット:0
ポルチオ:0
太腿:3
足首:1
足裏:9
足指:2
クリトリス・オーガズム ×
Gスポット・オーガズム ×
ポルチオ・オーガズム ×
――――――――――――――――
10
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