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25勘違いしました! ーエルドラント国宰相ー
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ミランダ様の正妃了承とエマリア様の次期王位継承が済み数日が過ぎた。
後は、前正妃の刑執行日を決めるだけだ。
色々とあったが、王の執務室内は、今日も変わらず慌ただしい時を送っている。
そんな中で、宰相である私「ミラルド=ヘイドリア」も、陛下の右腕としてバタバタと動き回っていた。
その時。
「閣下、お客様です」
今日此方に用があると言っていた、私の兄にして、現当主であるヘイドリア公爵が来たと、近侍から伝えられた。
「かまわん、此方へ通してくれ」
どうやら、兄は今日陛下に対し、個人的な用があるらしい。
まぁ、私も同席を願われたので国に関する内容だろう。
「ミラルド、すまんな」
「いえ…では、陛下の元へ参りましょうか?」
そう言うと、私は兄を伴い陛下の居られる最奥の部屋へと向かった。
因みに、陛下の執務室は縦三部屋に分かれており、普段私は二番目の部屋で仕事をしている。
「相変わらず、お前の部屋は書類だらけだな」
そんな中、兄は二番目の部屋を見るなり一言言った。
「まぁ、陛下にお渡しする前の書簡や嘆願書などは、私が先にチェックしてますからね……陛下、ヘイドリア公爵をお連れしました」
「入れ」
コンコンと、軽い音を立て扉をノックすると、直ぐに陛下から返答があった。
それに合わせ、兄と部屋の中に入る。
「よく来たなヘイドリア公爵。まぁ、座ってくれ。ミラルドも座りなさい」
豪奢な執務机に座り、書類に埋もれていた陛下は、疲れた表情で席を立つと、そのまま目の前にあるソファーに座り直した。
「では、失礼して…」
私達が座ると同時に、侍女により紅茶が用意された。
「して、ヘイドリア公爵。今日其方が話があると言っていたが、何用だ?」
紅茶に口を着けながら、穏やかに問われる陛下。
それに対し、何処か落ち着きのない兄が応えた。
「実は…エマリア様についてお話が」
その瞬間、陛下の眉がピクリと動いた。
それはそうだろう。
先日、ルドニーク殿とカイル殿を同時に城から出したばかり。
少し警戒なさるのも無理はない。
「エマリアがどうした?」
陛下の態度に、兄の表情が強張る。
「実は、先日の式典後のパーティーの件なのですが…」
はて、あの式典やパーティーで問題などなかったが。
寧ろトーラス国の客人も招く事が出来、此方としてはかなり有意義だった。
「あの時、エマリア様が最初のダンスを踊られた方と、エマリア様はとても仲睦まじく感じました。しいては、エマリア様の婚約者として我が国に招くと言うのはいかがかと……陛下?」
兄の言葉に、陛下が物凄い顔になっていた。
…………いや、私もか。
確かに、エマリア様と「彼」はいい雰囲気だった。
だが、あれは「そう言う」のではなく、将来のため、手をとられただけだ。
「ヘイドリア公爵……お前もまだまだだな。あれが「そう」見えたか。だが、残念だ……彼、シルビア=サフィール殿は、トーラス国次期国王であるエリオット殿の婚約者。無闇にこちらから手を出せる相手ではない………それに、彼奴の父親は「あの」レイナード=リクトルだぞ?今はサフィール家に婿に入り家が変わったが………お前も知っていよう?」
そこまで言われて、兄の表情が一気に青ざめた。
「レイナード=リクトルですと!……あの「氷の悪魔」ですか!まさか、そんな!では私は………しまったーーーーーーーー!」
いきなり発狂した兄。
まさか………。
「既に、提案としてトーラス国に書簡を送ってしまいました!」
我が兄ながら………バカなのか?
普通考えるだろぉ!
「貴様!知らぬとは言え、まずワシを通してから出さんか!」
「兄上!何故よりによってサフィール家に手を出すのですか!」
そう、サフィール家は我が国の鬼門。
代々トーラス国の中枢を担い、王族との血縁関係もある。
しかも、現宰相である「レイナード」殿は、若かりし日から近隣諸国では有名人。
その頭脳と冷血さ、そして、操る血統魔法から「氷の悪魔」と言う二つ名がついた程だ。
我がエルドラント国も、散々彼に泣かされてきた。
「陛下……如何いたしますか?」
既に兄は気を失い、床に転がっている。
「まったく、バカ共の火種を消したばかりだと言うのに……。ミラルド……すまぬが頼めるか?」
頭を抱える陛下。
お気持ちは痛い程分かります!
「分かりました。明日、このバカ兄を連れ、トーラス国に向かいます。直接お詫びしなくては国家間の問題になりかねません!」
「頼む……まったく、次から次に。とにかく、あの国…特にレイナード=サフィールだけは敵にしたくないからな」
あぁ、まったく……胃が痛い。
思い出すだけで具合が悪くなる。
「ええ、また関税や、輸出輸入の規定なんかで問題を起こしたくありませんし……あぁ、本当に胃が痛い………クソ兄め!」
そして、私達は翌日、直ぐに書簡を認め、早馬の馬車にてトーラス国を目指すのだった。
「い………胃が痛い」
「それは私のセリフです!バカ兄上!」
後は、前正妃の刑執行日を決めるだけだ。
色々とあったが、王の執務室内は、今日も変わらず慌ただしい時を送っている。
そんな中で、宰相である私「ミラルド=ヘイドリア」も、陛下の右腕としてバタバタと動き回っていた。
その時。
「閣下、お客様です」
今日此方に用があると言っていた、私の兄にして、現当主であるヘイドリア公爵が来たと、近侍から伝えられた。
「かまわん、此方へ通してくれ」
どうやら、兄は今日陛下に対し、個人的な用があるらしい。
まぁ、私も同席を願われたので国に関する内容だろう。
「ミラルド、すまんな」
「いえ…では、陛下の元へ参りましょうか?」
そう言うと、私は兄を伴い陛下の居られる最奥の部屋へと向かった。
因みに、陛下の執務室は縦三部屋に分かれており、普段私は二番目の部屋で仕事をしている。
「相変わらず、お前の部屋は書類だらけだな」
そんな中、兄は二番目の部屋を見るなり一言言った。
「まぁ、陛下にお渡しする前の書簡や嘆願書などは、私が先にチェックしてますからね……陛下、ヘイドリア公爵をお連れしました」
「入れ」
コンコンと、軽い音を立て扉をノックすると、直ぐに陛下から返答があった。
それに合わせ、兄と部屋の中に入る。
「よく来たなヘイドリア公爵。まぁ、座ってくれ。ミラルドも座りなさい」
豪奢な執務机に座り、書類に埋もれていた陛下は、疲れた表情で席を立つと、そのまま目の前にあるソファーに座り直した。
「では、失礼して…」
私達が座ると同時に、侍女により紅茶が用意された。
「して、ヘイドリア公爵。今日其方が話があると言っていたが、何用だ?」
紅茶に口を着けながら、穏やかに問われる陛下。
それに対し、何処か落ち着きのない兄が応えた。
「実は…エマリア様についてお話が」
その瞬間、陛下の眉がピクリと動いた。
それはそうだろう。
先日、ルドニーク殿とカイル殿を同時に城から出したばかり。
少し警戒なさるのも無理はない。
「エマリアがどうした?」
陛下の態度に、兄の表情が強張る。
「実は、先日の式典後のパーティーの件なのですが…」
はて、あの式典やパーティーで問題などなかったが。
寧ろトーラス国の客人も招く事が出来、此方としてはかなり有意義だった。
「あの時、エマリア様が最初のダンスを踊られた方と、エマリア様はとても仲睦まじく感じました。しいては、エマリア様の婚約者として我が国に招くと言うのはいかがかと……陛下?」
兄の言葉に、陛下が物凄い顔になっていた。
…………いや、私もか。
確かに、エマリア様と「彼」はいい雰囲気だった。
だが、あれは「そう言う」のではなく、将来のため、手をとられただけだ。
「ヘイドリア公爵……お前もまだまだだな。あれが「そう」見えたか。だが、残念だ……彼、シルビア=サフィール殿は、トーラス国次期国王であるエリオット殿の婚約者。無闇にこちらから手を出せる相手ではない………それに、彼奴の父親は「あの」レイナード=リクトルだぞ?今はサフィール家に婿に入り家が変わったが………お前も知っていよう?」
そこまで言われて、兄の表情が一気に青ざめた。
「レイナード=リクトルですと!……あの「氷の悪魔」ですか!まさか、そんな!では私は………しまったーーーーーーーー!」
いきなり発狂した兄。
まさか………。
「既に、提案としてトーラス国に書簡を送ってしまいました!」
我が兄ながら………バカなのか?
普通考えるだろぉ!
「貴様!知らぬとは言え、まずワシを通してから出さんか!」
「兄上!何故よりによってサフィール家に手を出すのですか!」
そう、サフィール家は我が国の鬼門。
代々トーラス国の中枢を担い、王族との血縁関係もある。
しかも、現宰相である「レイナード」殿は、若かりし日から近隣諸国では有名人。
その頭脳と冷血さ、そして、操る血統魔法から「氷の悪魔」と言う二つ名がついた程だ。
我がエルドラント国も、散々彼に泣かされてきた。
「陛下……如何いたしますか?」
既に兄は気を失い、床に転がっている。
「まったく、バカ共の火種を消したばかりだと言うのに……。ミラルド……すまぬが頼めるか?」
頭を抱える陛下。
お気持ちは痛い程分かります!
「分かりました。明日、このバカ兄を連れ、トーラス国に向かいます。直接お詫びしなくては国家間の問題になりかねません!」
「頼む……まったく、次から次に。とにかく、あの国…特にレイナード=サフィールだけは敵にしたくないからな」
あぁ、まったく……胃が痛い。
思い出すだけで具合が悪くなる。
「ええ、また関税や、輸出輸入の規定なんかで問題を起こしたくありませんし……あぁ、本当に胃が痛い………クソ兄め!」
そして、私達は翌日、直ぐに書簡を認め、早馬の馬車にてトーラス国を目指すのだった。
「い………胃が痛い」
「それは私のセリフです!バカ兄上!」
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