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25 守りし者
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…………あの小娘は、頭大丈夫…ではなかったわね。
「ネェ様……僕はあの令嬢恐ろしいです」
「あらヘンリー、意見が合うわね。フィオ、私…あれはもう理解不能よ」
弟と幼馴染の言葉に、思わず頷いてしまう私。
私も頭が追いつかなくなりそうよ。
「あれは、もうダメですわね。王族に対して尊敬などの気持ちは一切持ち合わせていないみたいだわ」
仕方ないですが、やはり出るしかないのかしらね。
「君は……何を言っているんだ?失礼だが、私には理解出来ないんだが」
小娘の言葉に、アシェリーの思考が一瞬止まりました。
まぁ、無理もないですわね。
こんな可笑しな思考の人間は、アシェリーの人生初でしょうから。
「えぇ~、何でですがぁ?だから、私がアシェリーさまの婚約者になれば、アシェリーさまは周りを気にする必要も無くなりますし、イチャイチャし放題ですよ?」
…………あら?
小娘の言葉に、理解が追いつかなくなったのでしょうね。
アシェリーはオートマタのように、グリンと此方に…私にお顔を向けてきました。
お首の関節……大丈夫かしら。
はぁ…気持ちは分かりますが、まだまだですわ。
こんな時、あなたのお父様でしたら、軽く相手を去なされるでしょうに。
精進しないといけませんわね?アシェ。
さて、では私の出番ですわね…本当、仕方のない「主」ですわ。
私は、弟達を後に、スクリと立ち上がると、真っ直ぐに迷惑な集団へと歩き始めました。
「いい加減、見ているのも疲れましたわ」
その瞬間、小娘をはじめ、後ろの金魚のフ…ゴホン、後ろの男性方が驚いた表情で此方にご注目されました。
まぁ、アシェは初めから気づいていたため、逆に申し訳なさそうですが。
本当にヘタレなんですから。
ギフトを使われたのはご自分でしょうに。
王家の固有ギフトである「統治者」についなす我が家の固有ギフト。
王家を守りし者「監視者」。
よりによって、家を離れてしまう女の私が頂いてしまったギフト。
因みに、兄様も所有していますわね。ヘンリーは上手く別ギフトを頂きましたわ…本当に、羨ましい限りですわね。
「監視者」は、「統治者」の力に反応し、そのギフトを持つ者を主として力を発揮する守護のギフト。
つまり、統治者を持つアシェリーが力を発動させている間は、私はその盾であり剣になる定めなのです。
ここだけ聞くと、まるで奴隷でしょ?
ですが、統治者の力によって、監視者はいかようにも強くなれます。主の能力が強ければ強いほど、そのついの観察者は力を与えられるのです。
因みに、発動条件は、統治者がギフトを使用するだけ。
ギフト発動時、その効果範囲にいる監視者は強制的に力を発動させられるのです。
ある意味本当に迷惑…まぁ、仕方のない事ですが。
現在、アシェは「何故か」小娘に対してギフトを発動なさいました。
追い込まれて…にしてはおかしいので、「何」か二人の間にあるのでしょうが…。
いかんせん、統治者の「目」に映るものを監視者は見る事ができません。
…まぁ、裏技が無いこともないのですが、やりたくないのが本音ですわね。
アシェリーに近づくと同時に、私のギフトの力が増幅しましたわね。
今なら、この学園の建物を半壊するほどの力は余裕でありますわ。
多分、一発でいけますわね。本当、アシェの力は化け物ですわ。
「な、何でアンタが出しゃばって来るのよ!今はアシェリーさまとのイベ…じゃない、ラブラブタイムの最中よ!邪魔しないで」
小娘…今「イベント」と言いかけましたわね。
まぁいいですわ。
いくら小娘が頑張ろうと、このなんちゃってイベントは達成されませんもの。
「ラファエロさん?貴女、何か勘違いされてるのではなくて?私は別にアシェリーが誰と婚約しようが本人が良ければ問題ないと思っていますわよ?」
溜息を交え、よく通る声で小娘にそう言うと、案の定、勘違いなお馬鹿さんは顔色を変えられました。
「何?じやぁ、フィオラさまはぁ~、私とアシェリーさまを応援してくれるって事ですかぁ?なぁんだぁ~」
嬉しそうに、そして不敵にいやらしく笑う小娘。
気持ち悪い以外の何者でもありませんわ。
「あら?そう聞こえまして?やはりオツムが弱い方はいけませんわね。アシェリーが良ければと言いましたでしょ?彼のこの顔が承諾したお顔に見えているなら眼科をお薦めしますわ。しかも、今アシェリーがどんな状態かも気付いていないなんて……まぁ、そこの我が婚約者様はお気付きみたいですが……腐っても騎士の家系でしたわね」
クズ男にしてはよく気付いたものですわ。
アシェリーが纏う統治者の力と、私が纏う監視者の力。
私が纏う力は、アシェリーの力に比例する。
分かる者からすればかなりの「圧」になっているでしょうね。
思わず、クズ男に不敵な笑みをみせてしまいましたわ。
その瞬間、化け物を見るような目で私を見るクズ男。
本当、相も変わらず失礼な男ですわ。
「ネェ様……僕はあの令嬢恐ろしいです」
「あらヘンリー、意見が合うわね。フィオ、私…あれはもう理解不能よ」
弟と幼馴染の言葉に、思わず頷いてしまう私。
私も頭が追いつかなくなりそうよ。
「あれは、もうダメですわね。王族に対して尊敬などの気持ちは一切持ち合わせていないみたいだわ」
仕方ないですが、やはり出るしかないのかしらね。
「君は……何を言っているんだ?失礼だが、私には理解出来ないんだが」
小娘の言葉に、アシェリーの思考が一瞬止まりました。
まぁ、無理もないですわね。
こんな可笑しな思考の人間は、アシェリーの人生初でしょうから。
「えぇ~、何でですがぁ?だから、私がアシェリーさまの婚約者になれば、アシェリーさまは周りを気にする必要も無くなりますし、イチャイチャし放題ですよ?」
…………あら?
小娘の言葉に、理解が追いつかなくなったのでしょうね。
アシェリーはオートマタのように、グリンと此方に…私にお顔を向けてきました。
お首の関節……大丈夫かしら。
はぁ…気持ちは分かりますが、まだまだですわ。
こんな時、あなたのお父様でしたら、軽く相手を去なされるでしょうに。
精進しないといけませんわね?アシェ。
さて、では私の出番ですわね…本当、仕方のない「主」ですわ。
私は、弟達を後に、スクリと立ち上がると、真っ直ぐに迷惑な集団へと歩き始めました。
「いい加減、見ているのも疲れましたわ」
その瞬間、小娘をはじめ、後ろの金魚のフ…ゴホン、後ろの男性方が驚いた表情で此方にご注目されました。
まぁ、アシェは初めから気づいていたため、逆に申し訳なさそうですが。
本当にヘタレなんですから。
ギフトを使われたのはご自分でしょうに。
王家の固有ギフトである「統治者」についなす我が家の固有ギフト。
王家を守りし者「監視者」。
よりによって、家を離れてしまう女の私が頂いてしまったギフト。
因みに、兄様も所有していますわね。ヘンリーは上手く別ギフトを頂きましたわ…本当に、羨ましい限りですわね。
「監視者」は、「統治者」の力に反応し、そのギフトを持つ者を主として力を発揮する守護のギフト。
つまり、統治者を持つアシェリーが力を発動させている間は、私はその盾であり剣になる定めなのです。
ここだけ聞くと、まるで奴隷でしょ?
ですが、統治者の力によって、監視者はいかようにも強くなれます。主の能力が強ければ強いほど、そのついの観察者は力を与えられるのです。
因みに、発動条件は、統治者がギフトを使用するだけ。
ギフト発動時、その効果範囲にいる監視者は強制的に力を発動させられるのです。
ある意味本当に迷惑…まぁ、仕方のない事ですが。
現在、アシェは「何故か」小娘に対してギフトを発動なさいました。
追い込まれて…にしてはおかしいので、「何」か二人の間にあるのでしょうが…。
いかんせん、統治者の「目」に映るものを監視者は見る事ができません。
…まぁ、裏技が無いこともないのですが、やりたくないのが本音ですわね。
アシェリーに近づくと同時に、私のギフトの力が増幅しましたわね。
今なら、この学園の建物を半壊するほどの力は余裕でありますわ。
多分、一発でいけますわね。本当、アシェの力は化け物ですわ。
「な、何でアンタが出しゃばって来るのよ!今はアシェリーさまとのイベ…じゃない、ラブラブタイムの最中よ!邪魔しないで」
小娘…今「イベント」と言いかけましたわね。
まぁいいですわ。
いくら小娘が頑張ろうと、このなんちゃってイベントは達成されませんもの。
「ラファエロさん?貴女、何か勘違いされてるのではなくて?私は別にアシェリーが誰と婚約しようが本人が良ければ問題ないと思っていますわよ?」
溜息を交え、よく通る声で小娘にそう言うと、案の定、勘違いなお馬鹿さんは顔色を変えられました。
「何?じやぁ、フィオラさまはぁ~、私とアシェリーさまを応援してくれるって事ですかぁ?なぁんだぁ~」
嬉しそうに、そして不敵にいやらしく笑う小娘。
気持ち悪い以外の何者でもありませんわ。
「あら?そう聞こえまして?やはりオツムが弱い方はいけませんわね。アシェリーが良ければと言いましたでしょ?彼のこの顔が承諾したお顔に見えているなら眼科をお薦めしますわ。しかも、今アシェリーがどんな状態かも気付いていないなんて……まぁ、そこの我が婚約者様はお気付きみたいですが……腐っても騎士の家系でしたわね」
クズ男にしてはよく気付いたものですわ。
アシェリーが纏う統治者の力と、私が纏う監視者の力。
私が纏う力は、アシェリーの力に比例する。
分かる者からすればかなりの「圧」になっているでしょうね。
思わず、クズ男に不敵な笑みをみせてしまいましたわ。
その瞬間、化け物を見るような目で私を見るクズ男。
本当、相も変わらず失礼な男ですわ。
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