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常に人けのないあのさびれた図書館を目指し、俺は自転車を走らせていた。歩道の所々に植えてあるイチョウの木から大量に銀杏が落ちていたようで、自転車で歩道を走りながら漂ってくる銀杏の匂いが鼻先を刺激し、俺を不快にさせた。ただでさえフラストレーションが溜まっている俺の中にその匂いが侵入してきたことで、苛立ちは増加したが、まだあれをする心境には至っていない。
あの図書館を気に入っていたのはあそこが一人になれる場所だからだ。人がほとんど入って来ず、誰にも邪魔されない静かな空間を俺は欲していた。
図書館に入ると適当に選んだ本を手に取り、相変わらず綺麗とは言えない席に腰を下ろすと、本のページをパラパラとめくった。様々な偉人の名言が載っているその本のページをめくっている途中、英文とその和訳が書かれたある文章に俺は目を奪われて手を止めた。そして、その文章の一部を食い入るように見つめた。
人間はひとくきの葦にすぎない。
Human being is a reed of one stalk.
あの図書館を気に入っていたのはあそこが一人になれる場所だからだ。人がほとんど入って来ず、誰にも邪魔されない静かな空間を俺は欲していた。
図書館に入ると適当に選んだ本を手に取り、相変わらず綺麗とは言えない席に腰を下ろすと、本のページをパラパラとめくった。様々な偉人の名言が載っているその本のページをめくっている途中、英文とその和訳が書かれたある文章に俺は目を奪われて手を止めた。そして、その文章の一部を食い入るように見つめた。
人間はひとくきの葦にすぎない。
Human being is a reed of one stalk.
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