Winter Love

悠美

文字の大きさ
20 / 20
一章

〜 誘惑 〜

しおりを挟む



学校が見えなくなるまで離れた優理は、疲れた様子で足を止めて息を整えていた。



「はぁっ、はぁっ・・・」

 一体なんなのっ!?
 みんなの前で・・・はぁー・・・・もう学校行けない・・・・・



「おい、なに逃げてんだよ」

「きゃっ」



いつの間にかすぐ目の前にレイの姿があり、驚いた優理は体制を崩して倒れそうになった。
ーーが、すかさずレイが腕を掴んでそれを阻止した。



「ったく、気おつけろよ」

「だっ、だって・・いきなり声かけるから・・・」

「だからって、そんなに驚かなくてもいいだろ。
 変な奴・・・」

「とりあえずありがとうございました・・帰ります」



レイに少しムッとしながらも、優理は軽く頭を下げてまた歩き出した。
その後ろ姿を、レイは妖しげな笑みを浮かべながら見つめた。




「クスッ
 ・・・お前ってほんと・・・」




行く手を阻むように目の前にレイが現れ、気がついた時にはそのまま抱き締められていた。
突然の事で、優理は何が起こったのか理解出来ずに固まってしまった。



「え、あのっ・・・」

「・・・お前って、意外とツンデレ?」

「えっ・・!?」

「・・・なんか、面白いなお前・・・」

「えっ、えっ?・・・いやっ・・・」



レイは抱きしめていた手を強め話そうとしなく、その完璧な顔を近づけた。
だが優理は、反射的に顔を背けて俯いてしまった。



「俺を拒めると思うなよ・・・」

「へ?・・・」


「悠理ちゃん・・・?」



レイはそう不敵な笑みを浮かべながら囁いた瞬間、聞き慣れた声が聞こえてきて優理は思わずレイの腕を振り払おうとした。

が、レイはその手を話そうしなく見せつける様に声のした方に視線を向けた。

2人の間で火花が飛び散り、異様な雰囲気が漂う・・・




 えっ・・この状況・・・どうしたらいいのっ!?・・・




「レイ、俺を怒らせるなよ」

「こいつを取り返したかったら力ずくでこいよ」

「えっ、ちょっと・・・」

「・・・なーんてな、何マジになってんだよ」



レイはそう冗談気に言いながら、抱きしめていた腕を離して瑠花の方へ近づいて行った。



「お前がマジになった理由わかっちゃったかも・・・」



そう囁くと、レイは満足そうにその場を去って行った。




しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

疑惑のタッセル

翠月 瑠々奈
恋愛
今、未婚の貴族の令嬢・令息の中で、王国の騎士たちにタッセルを渡すことが流行っていた。 目当ての相手に渡すタッセル。「房飾り」とも呼ばれ、糸や紐を束ねて作られた装飾品。様々な色やデザインで形作られている。 それは、騎士団炎の隊の隊長であるフリージアの剣にもついていた。 でもそれは──?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

安らかにお眠りください

くびのほきょう
恋愛
父母兄を馬車の事故で亡くし6歳で天涯孤独になった侯爵令嬢と、その婚約者で、母を愛しているために側室を娶らない自分の父に憧れて自分も父王のように誠実に生きたいと思っていた王子の話。 ※突然残酷な描写が入ります。 ※視点がコロコロ変わり分かりづらい構成です。 ※小説家になろう様へも投稿しています。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...