Winter Love

悠美

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一章

~ 初デート ~

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ーーーが、お目当てのジェラートの店は“完売のため閉店しました”と張り紙が貼ってあり、店の前で立ち尽くしている優理と瑠花がいた。



「せっかく来たのにごめんね」

「い、いえっ・・瑠花さんのせいじゃないですっ」

「ふふ、優理ちゃんは優しいね
・・・お詫びに僕のカフェでお茶でもどおかな?」

「えっ!?あ・・行きたいですっ!!」



力強く返事する優理に、瑠花は微笑みながら手を取るとまた歩き出した。



「寒くなってきたね・・・優理ちゃん、大丈夫?」

「あ、全然大丈夫ですっ」

 ドキドキしっぱなしで、むしろ暖かいかもっ!!

 ・・・・瑠花さんの手・・温かい・・・・


「飲み物とかリクエストある?
 遠慮しないで言ってね」

「あ・・えーと・・・・じゃあ・・・ミルクティーとか・・・・」

「OK!」



そう微笑むと、瑠花は繋いでいた手を自分の上着のポケットに入れた。



「あっ・・・」

「こうすれば、もっと温かくなるでしょ?
 結構寒くなってきちゃったから少し急ごうか」

「あっ・・は、はいっ」

 こういうの、他のカップルをいつも見てるだけだったけど・・・

 ・・・なんか夢みたい・・・









    ★        ★






「お待たせ」



家カフェに辿り着き、白いソファーに座っている優理に瑠花は温かいミルクティーの入ったマグカップを手渡した。



「ありがとうございます
・・・はぁー、温かい・・・」

「寒い中、歩かせちゃってごめんね」

「い、いえっ・・・瑠花さんと・・その・・・で、デートできて・・楽しかったです」

「ふふ、僕も楽しかったよ・・・また、デートしてくれる?」

「あっ・・わ、私でよかったらっ!」

 むしろ、こっちからお願いしたいくらいっ!



顔を赤くしてテンパる優理に、瑠花は優しげな微笑みを浮かべながらそっと頭を撫でた。



「あっ・・・」

「今、お茶請け用意するからちょっと待っててね」

「はっ、はいっ」



思わず声が裏返る優理に、瑠花は撫でていた頭に唇を寄せた後、キッチンの方へ姿を消した。



 いっ、今っ・・頭にキスされたっっ!!
 口にもされたことあるけどっ・・・
 もー・・顔から火が出そうっ!

 ・・・それに・・・


・・・・ドキドキし過ぎて胸がすごく苦しいっ・・・・



「どうしたの?
 顔真っ赤だけど、熱でもあるんじゃ」

「っきゃっ!!」



いつの間にか目の前にいた瑠花に驚いた優理は、額へと伸ばされた手を反射的に避けてしまった。

一瞬、変な空気が漂い優理はハッとして慌てて口を開いた。



「ご、ごめんなさいっ・・瑠花さんのこと嫌で避けたわけじゃっ・・ビックリしてつい・・・」

「ふふ、わかってるから大丈夫だよ
 ・・僕の方こそ、驚かせちゃってごめんね」



そう優しく微笑むと、持っていたガラスの皿をテーブルに置いた。
その上にはハート型の一口ビスケットが乗っていて、皿の端にはクリームが添えられていた。



 ハートのビスケットだ・・そういえば・・この前はハートのクッキーだったよねっ・・・



「ふふ、優理ちゃんは本当に可愛いね」



そう言いながら、瑠花は隣に座ってビスケットを摘んで優理の口元に近付けた。



「えっ・・あ・・・」



静かな空間の中、優理は瑠花の美し過ぎる顔に魅入られながらビスケットを口にした。
ビスケットのサクサクした食感と、ほんのりとした甘さが口の中に広がった。



「美味しい・・・」

「良かった
 今度はクリームをつけて・・・はい」



今度はクリームのついたビスケットを差し出され、優理は一瞬困った様な素振りを見せたが小さく口を開いた。



「・・・美味しいっ」

「・・優理ちゃん、口にクリーム・・・」

「えっ・・?」



瑠花の美し過ぎる顔が近づいてきて、口の端についていたクリームをペロッと舐められたあと唇を塞がれたーーー・・・




様子を伺うように・・だけど積極的に舌が絡んできて、優理は思わず声をもらした。



「・・・んっ・・・ふっ・・・」

 気持ちよくて頭がクラクラする・・・

 ・・・このまま・・時間が止まればいいのに・・・・


「はぁ・・・優理ちゃん・・・」



吐息を漏らしながら囁く色っぽい声に、優理は思わず閉じていた目を開いた。

視線のすぐ先には、うっすら頬が色づいて妙に色っぽい雰囲気をかもし出す瑠花の姿があり、優理は一瞬にして目と心を奪われてしまった。



「あっ・・瑠花さん・・・」

「瑠花でいいよ・・・・優理・・・」



吐息まじりにそう囁くと、今度は首筋に唇を寄せながらワンピースを乱していった。



「あっ・・・」

 ・・・もしかして・・このまま瑠花さんと・・・・




「瑠花っ!」



玄関の扉が開く音がしたかと思った直後、若い綺麗めの女の人が勢い良くリビングに入って来た。

予想外の事に、優理は驚いて飛び起きると乱れた服を慌てて整えた。



「やっと会えたっ」

「・・・なんでここに・・・」

「ねぇ、今すぐ抱いて!お願い!」



驚いている様子の瑠花に、女の人はまるで何かに取り憑かれたかのように優理の存在などおかまいなしに服を脱ぎだした。

それを見た瑠花は慌てて女の人の方へ駆け寄り、それを阻止しながら詰め寄った。



「ごめんね、今大事な人が来てるから」

「じゃあ、あの子が終わってからでもいいからっ!
 お願い、瑠花っ!!」



 えっ・・なに?どういう事・・・?
 というか、何がおきてるのっ??


「君はもうここに来ない方がいい。
 これ以上、僕に関わっちゃ駄目だよ」



いつもより少し強めの口調でそう言いながら、女の人の乱れた服を整えて玄関の方へ誘導して行った。

残された優理は、状況が理解できずにキョトンとしながらリビングを出て行く2人を見つめた。



 ・・・なんだったんだろう・・・・
 なんか、凄いことサラッと言ってたような・・・・・元カノとかかな・・・?

 ・・・・なんか・・・胸が苦しい・・・・



「優理ちゃん、驚かせちゃってごめんね・・・」

「えっ!?あっ・・・」



別の次元に意識が飛んでいた間に瑠花が戻って来ていて、優理は我に返るなり俯いてしまった。



「優理ちゃん・・?」

「・・・私・・そろそろ帰ります・・・」

「どうして?」

「私の事はいいから・・さっきの女の人・・・」



そう言いかけた時、強引にソファーに押し倒されて瑠花の身体が覆い被さった。



「帰したくない」

「えっ・・あ・・・」



突然見せる男の顔に、優理は全て奪い尽くされたように声も出ず、瑠花を見つめたまま固まってしまった。



「・・・なんてね・・・」

「えっ・・?」



またいつもの穏やかな表情に戻ると、優しく優理の身体を起こした。



「もう少しだけ、こうしてお茶飲みながら話ししたいな・・・優理ちゃんの時間があれば、だけど・・・・」

「あっ・・私は大丈夫ですっ!」

「ふふ・・新しいお茶淹れてくるからちょっと待っててね」

「あ、はい」



キッチンの方へ行く瑠花の後ろ姿を見つめながら、まだドキドキする胸を押さえて溜め息をついた。




 大丈夫とは言ったけど・・あんな場面の後だし、なんか気まずい・・・・あの綺麗な女の人も気になるし・・・・

「はぁーー・・・・あ、良い匂い・・・」

「おまたせ」



瑠花は持っていた2人分のティーカップをテーブルの上に置いた後、また優理の隣に座った。

 

「この匂いって、カモミールですか?」

「そうだよ
 リラックス効果があって、今の僕達にピッタリでしょ?」

「あっ・・ま、まあ・・・」

 違わなくはないけどっ・・・にこやかにそんな事言わないで~~っ!!
 カモミールティー飲んで落ち着かなきゃっ・・・



もうドキドキが止まらない優理は、徐にティーカップへ手を伸ばした。



「・・・おいしい・・・」

「ねえ、優理ちゃん
 優理ちゃんは兄弟とかいるの?」

「いないです・・だから、お母さんが仕事から帰るまでずっとひとりで・・・妹か弟がいたら楽しそうですよね・・・」

「お父さんは?」

「お父さんは、いつも仕事が終わるの遅くて・・会うのは日曜日くらいで・・・」

「そっか・・・」



瑠花は切なさと愛おしさが混じった様な表情を浮かべながら、そっと優理の頭を撫でた。




「いつでもここに遊びに来ていいからね」

「あ、はいっ」

 あ、頭なでられてるっっ!!
 ・・・顔が熱くなってきたっ・・・





その後も2人は他愛もない話しをして、あっという間に1日が終わってしまった。






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